第45回

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カードローンの借入限度額はどのように決まる?増額するためには?

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この記事のポイント
  • 借入限度額は借り入れる人の信用度(返済能力)の査定により、審査通過の可否が決まる
  • 借入限度額を増額する時にも審査が必要
  • 借入限度額を増額するためのポイントを整理しよう
PCを見ながらカードを持っている男性と女性の画像

借入限度額の範囲内であれば何度でも利用できるカードローン。使い勝手が良くて便利ですが、「限度額」という言葉があるように、いくらでも借りられるわけではありません。それでは、この借入限度額とはどのようにして決まるのでしょうか。「これからカードローンの申込みを検討している」「借入限度額の増額を検討している」といった人のために、カードローンの借入限度額の決まり方や、限度額を増額する方法について解説します。

カードローンの借入限度額の決まり方(条件)

女性がATMを使用している画像

カードローンを申込む際には、希望の借入限度額を自分で決めて申込みをします。
しかし、審査の結果、希望金額にならず減額されるケースや、時には審査に通らないこともあります。カードローンの借入限度額は、最終的には審査結果で決まるのです。借入限度額の決まり方と審査が通るポイントは密接な関係にあります。金融機関の審査のポイントを簡単にいうと「融資したお金を返済する能力があるのかどうか」です。
これはカードローンに限らず、どのような融資にも同じようなことがいえます。つまり、借り入れる人の信用度(返済能力)の査定により、審査通過の可否、借入限度額が決まる、ということです。

年収

年収が高い場合は借入限度額が増える?

カードローンを申込む際は、「原則安定した収入のある人」「安定かつ継続した収入の見込める人」などの条件があります。しかし、一般的に金融機関は審査基準を公表していないので「いくら以上だと審査に通るか」はわかりません。ただ、年収が高いことは審査のうえでは重要なポイントです。

年収が高いほど比較的審査は通りやすく、借入限度額も増える可能性が高まります。年収が高くても、他社に借り入れがたくさんある場合には要注意です。他社の借入状況も加味して審査をすることになるので、単に年収が高いだけで「審査に比較的通りやすい」「大きな限度額が組める」とはいえません。

勤務状況

社会的に信用されている職業ほど借入限度額は高くなる

であれば、定年まで勤務する可能性も高く審査では有利ですが、勤務先が「大手か」「中小企業か」、また「個人事業主か」でも判断は変わってきます。つまり、社会的に信用されている職業ほど借入限度額が高くなるのです。「社会的に信用されている職業=安定した収入につながる」と考えられます。

フリーターなどは信用力が低いため借入限度額は低くなる

一方、フリーターなどは安定した職業とはいえず、信用度が低いと判断されるため、借入限度額は低くなります。パート・アルバイト、契約社員といった雇用形態によっても判断は異なります。中には、「パート・アルバイトは限度額30万円」「本人に収入がなく、配偶者に安定した収入がある場合は限度額30万円」と上限を設定する金融機関もあります。

勤続年数が長いほど審査に有利?

勤続年数が長いほど転職リスクは少なく、安定した収入が得られると評価される傾向です。一概にはいえませんが、勤務年数が長くなるほど給料も増え、安定した収入につながる可能性が高まります。転職に伴い年収が増加しているケースであれば、審査にほとんど影響ありません。

居住状況

持ち家は審査に有利?

持ち家なら資産があると考えられるため、審査に有利になる可能性があります。また親と同居なら資産を相続する可能性もあるでしょう。居住状況や資産保有情報も重要な判断要素の一つです。

賃貸でも審査に影響がないことも

賃貸でも1年以上の居住実績があれば、家賃を払っている実績が考慮され、審査に影響しない可能性があります。理由もなく住居を転々としていると、審査する金融機関も不安に感じるかもしれません。

扶養家族

扶養家族がいると単身者よりも信用力があると判断されやすい

家族がいれば、生活を支えるために働く可能性が高くなるため安定収入につながり、単身者よりも信用力があると判断される傾向です。しかし、年収が高くないのに扶養家族が多い場合は、生活費や学費、医療費の負担などが増えるため生活に余裕がなく、返済能力が低いと判断される可能性があります。返済能力は、このように考えるとわかりやすいかもしれません。

  • 返済能力=年収-税金・社会保険料-標準的な世帯に必要となる生活費・教育費・医療費

信用情報

信用情報に問題があると審査に通らない

利用しているローンやクレジットの申込み情報や契約内容、支払い状況等が記録されている個人信用情報機関があります。個人信用情報機関に延滞履歴や破産、債務整理の情報が登録されていると、審査に通らない可能性が高くなります。万が一、通ったとしても信用力が低いため借入限度額が低く設定されてしまうでしょう。

他社から融資を受けている場合は要注意

他社から融資を受けている場合には、借入残高や返済金額・返済状況等を考慮して判断をするので要注意です。借入総額・年収に対する年間返済額・借入本数等から返済能力を判断するので、借入金額が多いと審査が通らない可能性は高くなります。

カードローンの借入限度額を増額する方法

ノート、お金、財布、電卓の画像
借入限度額を増額する時にも審査が必要です。借入限度額を増額するメリットは、以下のようなものがあります。
  • 借入限度額を増額すると金利が下がる
  • カードローンを複数契約するよりも管理が楽
  • カードローンを複数契約するよりも増額したほうが信用力の低下が防げる

カードローンは、借入限度額が大きいほど金利が低い傾向にあります。例えば、借入限度額が「10万円~100万円以下の場合は、借入金利は13%前半~14%後半」「100万円超~200万円以下の場合は、借入金利は10%前半~13%後半」などと、借入限度額によって金利の範囲を設定している金融機関が多いのです。

借入限度額の小さい複数のカードローンを契約しているとそれぞれの金利が高く、返済金額を合計すると毎月の支払いが大きくなってしまいます。そして、複数のカードローンを利用していると他のローンを申込む際には「他社の借り入れが多すぎる」と返済能力の面で疑われ、審査で不利になる可能性もあるのです。

もちろん、デメリットもあります。必要もないのに借入限度額を増額し、返済できないほどお金を借りてしまっては何の意味もありません。限度額増額の申込み時には、返済額シミュレーションを利用して毎月の返済金額を把握し、計画的に返済ができる範囲内での借入限度額の増額を検討しましょう。借入限度額を増額するには、前述した審査のポイントに加え、カードローンの利用状況(取引実績)も重要なポイントになります。

初回の借入限度額

安定して高い収入を得ている場合でなければ、初回申込み時の借入限度額は高くない

カードローンを契約する際に借入限度額が決まりますが、年収が少ないと申込み時に希望した限度額が減額されることもあります。安定して高い年収を得ている場合でなければ、初回借り入れの限度額は多くないと思っておくのが無難でしょう。

そしてそこから増額申請することで、借入限度額を増額することが可能です。しかし、誰でも簡単に増額できるというわけではなく、「金融機関の所定の審査に通れば」ということになります。

借入限度額を増額するためには?

借入限度額を増額するためのポイントをいくつか取り上げてみましょう。もちろん、金融機関の正式な審査があるので、他社からの借り入れが増えていたり、新たな長期の延滞や金融事故の情報が発生したりすれば、審査には通りません。日ごろから返済を確実に行うことが何よりも大切です。

遅滞なく返済していれば増額提案が来る可能性がある

銀行や消費者金融会社も商売ですので、返済を問題なく行われているというように、取引実績が良好であれば借入限度額の増額の提案や案内が来ることがあります。このような案内が来た時に、借入限度額を見直しして増額を検討するのも一つの方法です。「案内が来る」ということは、取引実績に問題がないと考えられるため、増額の審査が通る可能性が高くなります。

頻繁に借り入れをしている(利用実績が良好)

カードローンの利用実績があり、返済を毎月遅れることなくきちんと行うことも「信用」です。もちろん、借りすぎは禁物ですが、長い期間問題なく返済を確実に行っていれば、金融機関からの信用が高まると考えて良いでしょう。

借入限度額は収入とのバランスで決まる

カードローンの返済方法として、多くの金融機関が、利用残高に応じた額を毎月返済する「残高スライドリボルビング返済方式」を採用しています。借入限度額が大きい場合、利用残高が多いと毎月の返済金額が高額になるので、年収や勤続年数を考慮して、借入限度額を減額して承認されることがあるのです。

当初契約した時よりも「年収が増加している」「引き続き同じ会社で働いていて勤続年数が長くなった」というように、初回審査時よりも信用力が高くなっている場合、収入とのバランスを考えて問題なければ、借入限度額の増額審査が比較的通りやすくなるといえるでしょう。

必要書類

カードローンの増額の申込みをする場合の必要書類は、新規申込みと同様の書類です。

  • 運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等の本人確認書類
  • 収入証明書(源泉徴収票・住民税課税通知書・確定申告書・課税証明書・所得証明書等)

借入限度額が50万円以下の場合など収入証明書・所得証明書が不要で、本人確認書類だけで審査を受けることが可能な場合もあります。詳しくは、申込みをする金融機関のホームページを確認するようにしてください。パソコンやスマートフォンを利用して新規同様に簡単に申込みできる金融機関もあります。

また、電話・メール・店頭窓口・ローン契約機により申込みをする金融機関や、ローンプラザのように専用窓口で対応する金融機関などさまざまです。そのため、現在契約しているカードローンの金融機関に問い合わせるのが一番確実といえます。

借入限度額からカードローンを選ぶなら「イー・ローン」がおすすめ

数ある金融機関の中から便利なカードローンを探すなら「イー・ローン」がおすすめです。

カードローンの選び方

日本最大級のローンデータベース「イー・ローン」のカードローン総合ランキングを利用して、金融機関ごとにカードローンを比較してみましょう。気になるカードローンの申込条件や金利・限度額等簡単に比較することができます。自分に合ったカードローン探しに便利な「イー・ローン」を一度利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

カードローンの借入限度額は「年収」「勤務状況」「居住状況」「扶養家族」「信用情報」とさまざまな情報から審査し、金融機関が決定します。借入限度額の決まり方と審査が通るポイントは密接な関係にあるのです。簡単にいうと「申込み者がお金を返済する能力があるのかどうか」が重要なポイントになります。

また、借入限度額を増額するには、カードローンの利用状況(取引実績)も重要なポイントです。借入限度額を増額するメリットは「借入限度額を増額すると金利が下がる」「カードローンを複数契約するよりも管理が楽」「カードローンを複数契約するよりも増額したほうが信用力の低下が防げる」などが挙げられます。

当初契約した時よりも「年収が増加」「勤続年数が長い」といった状況ならば、借入限度額増額の審査が比較的通りやすくなるでしょう。しかし、必要もないのに返済できないほどお金を借りるのはおすすめできません。新規申込み同様、限度額増額の申込み時も、返済額シミュレーションを利用して毎月の返済金額を把握し、計画的に返済ができる範囲内での借入限度額の増額を検討しましょう。

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加治 直樹 (かじ なおき)

1級FP技能士、社会保険労務士

銀行に20年以上勤務し、融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士及び特定社会保険労務士を取得し、退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。

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