第753回

来年から変わる!? 2018年からのカードローン業界

ここのところ、銀行のカードローンが借りにくくなっているような気がするのですが…(Y/Hさん 37歳 会社員)
銀行のカードローンは総量規制の対象外で、過剰貸付が問題になったことを受け、自主規制が導入されています。 2018年1月からは審査条件も見直しが入り即日融資は受けられなくなる可能性があります。 どのような規制と見直しなのか知っておきましょう。

銀行がカードローンの取り扱いを自主規制している

2010年に貸金業法が改正され総量規制が導入されました。 これは借り入れを受ける人への過剰融資を防ぐため、貸金業者から借入総額に制限を設ける規制で、借入残高が年収の3分の1を超える場合、貸金業者からの新規の借り入れはできないというものです。 総量規制の対象となるのは消費者金融、信販会社、クレジットカード会社等の貸金業者で、消費者金融と信販会社のカードローン、クレジットカード会社のキャッシング等が合算対象となります。

同じカードローンでも、銀行のカードローンは銀行が貸金業者ではないため総量規制の対象外です。 このため、消費者金融や信販会社などのカードローンで年収の3分の1まで借りていても、銀行のカードローンでは新規の借り入れができます。 ところが、銀行のカードローンの過剰貸付が問題になり、2017年4月に銀行が自主規制を導入しました。 その内容は各行で異なりますが、ほぼ総量規制と同様に年収の3分の1を超える貸付は行わないというものです。また、審査に必要な書類である収入証明書の提出基準も貸金業法のルールに準じた変更が行われました。

こうした自主規制は、メガバンクやネットバンク、地方銀行などそれまで総量規制の対象外だったカードローンを提供している金融機関に広がっています。

2018年1月から審査条件が厳格化される

2017年10月以降も銀行は、それまで本人に収入のない専業主婦や収入が公的年金のみの人にも行っていた貸付を自粛する自主規制を導入しています。 主婦はパートやアルバイトで本人に収入がある人に限られ、公的年金のみの人への貸付は行わない銀行が増えています。

さらに、2018年1月から審査は警察庁のデータベースを照会することになり、審査条件が厳格化されることによって審査結果までに時間がかかるようになり、実質的に即日融資は撤廃されることになります。 このデータベースの照会はカードローンに限った話ではなく、個人ローンが対象となります。

このように銀行のカードローンの利用は、すでに条件等が厳しくなっています。 総量規制を超えて借りたい場合は、銀行のカードローンを利用できると認識している人は、その認識を変える必要があります。 そして総量規制の例外として認められているおまとめローンや借り換えローンを利用するなどによって、債務の負担を軽くするようにしましょう。

【参考リンク】

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2017年11月24日