第522回

ネットで申込み、近場で相談。意外と便利な地域型金融機関のカードローン

いざという時、カードローンを利用するかもしれないと思って、比較検討中です。通勤途中の駅や電車内で、馴染みのある地方銀行のカードローンの広告をよく見かけますが、都銀や大手ノンバンクのカードローンとどう違うのでしょうか?商品性やATMの数など、どんな特徴があるのか教えてください。(Kさん 愛知県 30歳)
地方銀行や信用金庫等の地域型金融機関でもカードローンに力を入れているところは多く、都銀やノンバンクと大きな違いがなくなってきています。すでに給与振込用に口座を持っていたり、住宅ローンを利用したりしていれば借入金利を優遇してくれる金融機関もあります。これからカードローンの利用を検討するなら、近場の店舗で相談窓口が多い地域密着の金融機関のカードローンも選択肢に加えてみましょう。

地域型の金融機関も基本的なサービスや金利は変わらない

最近は、地方銀行や信用金庫等の地域型金融機関でも積極的にカードローンの利用者を拡大しようとしています。地域型金融機関のカードローンも、都銀やノンバンク等の全国型金融機関のカードローンと比べて金利はほとんど変わりませんし、むしろ金利の低い商品もあります。規模が違うので、返済時に使えるATMの数が少なく、不便ではないだろうか?と心配しがちですが、ほとんどの地域型金融機関では提携金融機関やコンビニのATMが利用できるので安心です。また、平日は仕事で忙しく、なかなか店舗に行く時間が取れない人には来店不要で手続きができるカードローンが便利ですが、全国型と同様、地域型金融機関も来店不要の商品を多数リリースしています。

【参考】 来店不要の地域型金融機関のカードローン例
ローン名 内  容
仙台銀行 スマイルカードローン 限度額50万円~500万円、実質年率5.0%~14.5%。
常陽銀行 カードローンCASHPIT
(キャッシュピット)
限度額1万円~500万円、実質年率7.8%~14.8%。
千葉銀行 ちばぎんカードローン
クイックパワー<アドバンス>
限度額30万円~500万円、実質年率4.3%~14.8%。
審査回答期間は最短で即日可能。

(イー・ローンHP・各銀行HPを参考に筆者作成)

また、カードローンは急にお金が必要になった場合に利用することが多いので、なるべく早く融資が可能かどうかの判断が欲しいものですが、地域型金融機関にも最短で即日審査回答が可能な商品はあります。

【参考】 審査回答期間が最短即日の地域型金融機関のカードローン例
ローン名 内  容
八千代銀行 カードローン
「プラスユーネクスト」
6時間程度で回答可能。申込みは電話・FAX・ネットでも受け付け。限度額30万円~300万円。実質年率6.0%~13.0%。
第三銀行 エグゼクティブOne
(カードローンタイプ)
最短1時間で回答可能。限度額100万円~500万円。実質年率4.4%~8.6%。
(第三銀行に毎月10万円以上の給与振込又は住宅融資がある、前年年収400万円以上などの条件を満たしていること)
京都中央信用組合
京都ちゅうしんきゃっする
カードローン
平日15時までに申し込みの場合、即日回答可能。申込みは電話・FAX・ネットでも受け付け。限度額50万円~300万円。実質年率7.9%~14.5%。

(イー・ローンHP・各銀行HPを参考に筆者作成)

【参考リンク】

条件によっては金利優遇等のメリットも

地域型金融機関のカードローンの中には、給与振込口座の指定や住宅ローンの利用など一定条件を満たせば、借入金利の引き下げ・優遇を受けられる商品もあります。これは、メインバンクとして使ってもらいたいという積極的な働きかけですが、私たちにとってメリットがあるなら、利用してもよいかもしれません。例えば、関東地方を中心に84店舗を持つ八千代銀行のカードローン「プラスユーネクストJ」では、八千代銀行の住宅ローン利用者を優遇しており、実質年率5.5%(変動金利)という低金利での借り入れが可能です。借入限度額は50万円か100万円からしか選べませんが、一般的に、借入金額が100万円程度のカードローンの実質年率は10%以上の場合が多いので、魅力的な商品だといえます。

また、全国金融機関初のドライブスルー店舗や手のひら認証ATMなど、ユニークなサービスを取り入れている大垣共立銀行では、少子化対策カードローン「子育て太鼓判」をリリース。岐阜県や愛知県の子育て中の家庭に配布されるカードを提示すると、金利を通常より年1%引き下げてくれます。さらに、家族が起こした事故による損害賠償を500万円まで補償してくれる個人賠償責任保険もついています。

【参考】 条件により金利優遇サービスのある地域型金融機関のカードローン例
ローン名 内  容
紀陽銀行カードローン
(住宅ローン
新規契約者専用プラン)
限度額50万円~300万円。住宅ローンを新規に契約する方は実質年率5.5%~11.5%。(通常の紀陽銀行カードローンは限度額10万~500万円、実質年率5.8%~14.9%)
埼玉りそな銀行
りそなプレミアムローン
限度額50万円~800万円。実質年率3.5%~12.475%。住宅ローンを利用している場合、マイナス0.5%の優遇あり。
千葉興業銀行 ちば興銀
カードローン「リリーフ」
限度額30万円~500万円。実質年率5.5%~14.6%。住宅ローン利用者がカードローンを新規申し込みの場合に限り、マイナス1%の優遇あり。

(イー・ローンHP・各銀行HPを参考に筆者作成)

地域密着だから近くで相談できる

ネットで簡単に申し込んでカードローンの利用を始めたものの、返済が難しくなった時に相談窓口が近くにないと不安です。地域型金融機関でしたら地域内の店舗数は多く、ローンセンター等、相談窓口も充実しています。すでに口座を持っているなら手続きもスムーズに行く場合もありますし、馴染みのある金融機関の方が心理的にも安心でしょう。地域型金融機関のカードローンを利用するには、原則、現住所または勤務先が金融機関の営業地域内でなければなりませんが、条件が合えば、お得なサービスを受けられる場合もあります。イー・ローンのサイトでは、現住所・居住地を指定した上で、地方銀行、信用金庫等に絞り込んでカードローンを比較できますので、ぜひ活用してみてください。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 の写真

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2013年05月29日