第1175回NEW
これで安心!多重債務を防ぐカードローン活用術
- 物価が上昇して生活が厳しくなってきました。予定していた旅行はあきらめたくないので、カードローンを利用しようと考えています。多重債務になってしまわないか不安ですが、大丈夫でしょうか。(会社員 29歳)
- カードローンを利用したからといって多重債務になるわけではありません。無理のない返済計画を立て、生活を見直し返済が遅れないような仕組みを作るとよいでしょう。
カードローンの多重債務とは?
多重債務とは、複数の金融機関から借り入れを行い、返済が困難に陥っている状態のことです。カードローンは、融資限度額内であれば繰り返し利用できて使途が自由なため、冠婚葬祭やレジャーなどの急な出費にも対応できる利便性の高いローンです。その一方で、当初はすぐに返済しようと思っていても、返済が厳しくなると不足分を補うために新たなローンの借り入れを繰り返し多重債務に陥る危険性もあります。
日本貸金業協会が2025年7月に発表した「データでみる貸金業界」によると、貸金業者からの無担保無保証の借入件数が5件以上の人は、2025年3月末で14.4万人ということです。長期では2007年3月末の171万人から大幅に減少していますが、短期間でみると2021年3月末の9万人からじわじわと増加しています。
生活費の不足でカードローンを利用するケースも
金融庁が2024年に発表した「貸金業利用者に関する調査・研究」によると、クレジットカード会社のキャッシング・カードローンの利用目的の上位は、「生活費の不足を補うため」が44.8%、「クレジットカード、ネットショッピングにおける後払い決済等の利用代金を支払う資金の不足を補うため」が31.8%、「欲しいものがあったが手元のお金が足りなかったため」が18.4%となっています。
最近では物価上昇のスピードが速すぎて、やむを得ず生活費を補うためにカードローンを利用するケースも多いのではないでしょうか。カードローンは、きちんと返済していれば多重債務になる危険性は少ないものの、返済のため家計を引き締めることは必要です。まずは現在の生活費を見直し、無駄な浪費をしていないか、削れる出費はないかを確認しましょう。何度でも借り入れが可能だからといって気が緩まないよう、計画的な利用を心掛けましょう。
返済遅延を防ぐための実践的な対策
カードローンを利用する際には、確実に返済をする仕組みを作ることが重要です。返済遅延を防ぐための対策としては下記のようなものがあります。
返済日リマインド
返済が遅れると遅延損害金が発生し無駄な支出が増えますし、信用情報機関に遅延の記録が残ってしまい、住宅ローンやクレジットカードの審査に悪影響となる可能性があります。返済日はきちんと守ることが重要です。多くの金融機関がカードローン利用者にメール配信サービスを行っていたり、アプリによるプッシュ通知機能を提供していたりするので、返済の数日前や、前日に通知が届くように設定しておくとよいでしょう。普段使用しているスマホのカレンダーアプリ等のリマインド機能を活用してもよいでしょう。
返済額の先取り貯金
カードローンの返済日が近づいてきて、「返済額が残っていない」という事態を防ぐために、給与などの収入が入った時点で、返済額を先取り貯金しておきましょう。給与振込口座や生活費用の口座とは別に引落専用口座を作ってそこに入金しておけば、使い込みを防ぐことができます。毎月の返済額は無理のない金額にして確実に返済し、余裕のある月は臨時返済(繰り上げ返済)をして早めに完済するようにしましょう。
自動引落設定
カードローンの返済方法には、口座振込やATMからの返済等がありますが、忘れてしまうリスクもあります。確実に返済するためには先取り貯金をしていた引落専用口座から、自動引落にしておく方がよいでしょう。
これらの返済を漏れなく行う仕組みを取り入れ、物価上昇に負けないよう生活を引き締めていきましょう。
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私が書きました
ファイナンシャルプランナー(CFPR)。
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。
※執筆日:2026年03月25日
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