第1回

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マイカーローン(自動車ローン)の審査基準とは?審査に落ちないためのポイントや対処法を紹介!

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この記事のポイント
  • マイカーローン(自動車ローン)の審査基準は金融機関によって異なるが事前に全体像を把握しよう
  • 審査に落ちないために事前に5つのポイントを確認しよう
  • マイカーローン(自動車ローン)の審査審査に落ちた場合の対処法も事前に検討しておこう
2台の車と電卓の画像

初めてマイカーを購入しようと考えている方や、過去に一度審査に落ちた方は、マイカーローン(自動車ローン)の審査が厳しいものと思っていないでしょうか?審査基準は公開されていませんが、事前に一般的なローンの審査基準を知っておけば、対策を立てることも可能です。
今回は、マイカーローン(自動車ローン)の審査を受けるうえで役立つ、審査のポイントや手続きの流れ、審査に落ちた場合の対処方法について解説します。

マイカーローン(自動車ローン)の一般的な審査基準

電卓と車の画像

マイカーローン(自動車ローン)で借り入れをする際には、返済能力があるかどうかを判断するために、必ず審査が行なわれます。審査基準は金融機関によって異なり、原則公開されてはいませんが、事前にローンの一般的な審査基準を知っておくと参考になるでしょう。

審査基準

ローンの審査で確認されるのは、個人の属性や信用情報です。どのような点が確認されるのか、例を紹介します。

1.反社会的勢力との関連があるか否か

金融機関では、反社会勢力との関係を遮断するために「反社会的勢力の排除に係る規定」を設けており、融資を受けるには反社会勢力との関連がないことが条件とされています。本人が反社会的勢力の構成員の場合はもちろん、家族や同居人が関係している場合も審査は通りません。

2.年収に対して借入希望額が見合っているか

ローンの審査では、年収に対する年間返済額の割合を算出した「返済比率」を確認します。マイカーローン(自動車ローン)の場合、審査通過が難しくなるといわれるのが、返済比率が30%を超えるケースです。

そのため、年収に見合った金額でなければ審査に通らない可能性が高くなります。場合によっては、ローンの借入希望額を減額しなければならないでしょう。

3.現職の勤続年数

一定以上の勤続年数があると、安定した収入があり返済能力が高いと判断されます。金融機関やローン商品によっては「勤続年数が1年以上」のように申込条件を設けていますが、特に言及のない場合でも勤続年数は長いほうが有利だといえるでしょう。

4.安定的な収入があるか

マイカーローン(自動車ローン)に限らず、借り入れには「安定継続した収入がある方」を条件としていることがほとんどです。申込む金融機関やローン商品によっては、パート・アルバイト・年金収入のみの方は審査に落ちてしまうことがあります。

5.虚偽申告はないか

マイカーローン(自動車ローン)を申込むと、金融機関は勤務先への在籍確認や、収入証明書類の確認などから審査を行います。虚偽申告が発覚すれば信用を失うことは間違いなく、審査に通ることは難しくなるでしょう。今回だけではなく、今後の借入申込みも断られる可能性が高くなります。

6.他に債務があるか

審査では、現在の借入状況も確認されます。収入に対して債務が多すぎる場合、返済が難しいと判断される可能性が高くなるでしょう。他社からの借り入れが多い場合には、ローン申込みの前に繰上返済し、債務を減らしておくと有効です。

7.過去に金融事故があるか

金融事故の履歴がある場合、その情報が一定期間、信用情報機関に登録されるため、マイカーローン(自動車ローン)の審査通過は難しくなるでしょう。

おもな金融事故には、下記があります。

  • 長期延滞(ローンの支払いを2~3ヵ月滞納)
  • 債務整理(任意整理や破産など)
  • 代位弁済(保証会社が債務を代わりに弁済)
  • 強制解約(契約者の過失により金融会社から契約を強制的に打ち切られる)

金融事故の履歴の確認方法(CIC、JICC、KSC)と履歴の期間

おもな信用情報機関は3つあり、開示請求を行うことにより自身で金融事故の履歴を確認することができます。金融事故がある場合にローンを申込みたいのなら、記録の抹消まで待たなければなりません。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

信販会社やカード会社などの加盟会員と締結した契約内容や、支払状況などのクレジット情報が登録され、契約中および契約終了から5年で記録は抹消されます。

株式会社日本信用情報機構(JICC)

消費者金融会社などの加盟会員と締結した契約内容や、支払状況などの情報が登録されており、契約継続中および完済日から5年を超えない期間で記録は抹消されます。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

会員である銀行・信用金庫・農協などの金融機関から登録されたローンなどの契約内容と、その返済状況が登録されており、契約期間中および完済日から5年を超えない期間(破産・民事再生手続開始決定などは10年を超えない期間)で記録は抹消されます。

なお、クレジットカードはもちろんのこと携帯電話の料金などの支払いに延滞や滞納がある場合にも、信用情報機関にその情報が登録されているため、審査に落ちる可能性があります。

税金の滞納については信用情報機関には記録されませんが、税金の滞納により口座の差押えを受けたことがある場合には、その金融機関からの借り入れに限り借り入れが難しくなるでしょう。

自動車購入に利用できるマイカーローン(自動車ローン)は2種類ある!どちらのほうが審査が厳しい?

自動車購入時に利用できるマイカーローン(自動車ローン)には、ディーラーローンと銀行などの金融機関が取り扱うマイカーローン(自動車ローン)の2種類がありますが、どちらの審査のほうが厳しいのでしょうか。それぞれの特徴と併せて見ていきましょう。

ディーラーローン

ディーラーローンは、ディーラーが提携する信販会社やクレジットカード会社が提供するローンです。車の購入時に契約が可能で、審査が比較的早く利用しやすくなっています。銀行などのマイカーローン(自動車ローン)と比べると審査は比較的やさしい代わりに、金利は高めになる傾向です。

ただし、ディーラーローンを選択すれば値引きを受けられるといった、購入面においてメリットが得られることもあります。

ディーラーローンの場合、ローン返済中の車の所有権者はディーラーかローン会社です。ローンを完済して所有権移転を行なわないと、原則譲渡や売却はできません。

金融機関のマイカーローン(自動車ローン)

銀行などの金融機関が取り扱うマイカーローン(自動車ローン)は、車の購入にあたり、自身で金融機関に申込む必要があります。ディーラーローンに比べると審査はやや厳しくなりますが、一般的に金利は低くなります。

また、審査期間は数営業日かかるのが一般的です。個人属性が良く、手間をかけてもより有利な金利で借り入れしたい場合には、金融機関のマイカーローン(自動車ローン)が適しているでしょう。

金融機関のマイカーローン(自動車ローン)の場合、車の所有権者は購入者自身になり、返済中の売却には制限がありません。また、繰上返済も可能で、返済の自由度が高いこともメリットです。

マイカーローン(自動車ローン)の審査に落ちないために事前にやっておきたいポイント

車とコインの画像

では、審査に落ちないためにはどうしたら良いのでしょうか。事前に知っておきたいポイントを紹介します。

審査前にやっておきたいポイント

1.返済総額を少なくする(繰上返済をする)

先述のとおり、一般的なローン審査で重視されるものが、返済比率です。

返済比率の計算の際には、これから申込むローンの返済額だけではなく、現在利用している既存のローン返済額も含めて計算します。繰上返済を行なって他のローンの残債を少なくすれば返済比率が低くなるため、審査が通りやすくなることが期待できるでしょう。

また、金融機関によっては、負債比率と呼ばれる指標もあわせて審査している場合もあります。負債比率とは、年収に対する、住宅ローンなどの有担保ローンを除いた残債の割合です。毎月の返済額が少なくても、借り入れが多すぎるのは良くありません。

2.利用しないキャッシング・カードローンを解約する

金融機関によっては、利用していないカードローンやキャッシングの枠も、既存の借り入れとして審査されることがあります。不要なカードローンやキャッシングの契約がある場合は、解約してからマイカーローン(自動車ローン)を申込むと良いでしょう。
クレジットカードのキャッシング枠にも注意が必要です。利用予定がないのであれば、ゼロもしくは最小限にしておくことをおすすめします。

3.頭金を利用する

頭金なしでもローンを組めますが、頭金を入れておけばローンの借入金額を下げられるため、審査に通過する可能性が高くなります。自動車購入時の頭金の目安は車両価格の20%~30%のため、それ以上を目指すと良いでしょう。

また、まとまった頭金を用意していれば計画的な資金管理ができているとみなされ、審査にプラスに働く可能性もあります。

4.年収や勤続年数の確認

金融機関やローン商品によっては「年収200万円以上」「勤続年数が1年以上」など、申込条件を設けています。そのため、ローンの申込みをする前に必ず条件を確認しましょう。申込条件を満たしていない場合には、審査に通ることはできません。

5.返済計画を立てる

現在の収入から返済が可能となるように、返済計画を立てておくことも重要です。無理な資金計画では審査に通ることが難しく、返済が遅れるリスクが生じます。

特に、マイカーローン(自動車ローン)の借り換え時は、過去に返済の遅れがあると審査に通りません。計画的に返済することが、何よりも大切です。

6.自分の個人情報をクリーンにする

銀行などの金融機関では、提携している保証会社の保証が受けられることを条件とするものがほとんどです。保証会社は、加盟している信用情報機関の情報を独自に審査の判断材料としています。事故から間もない間は、審査の通過が難しいでしょう。

過去に金融事故があった場合は、事故日からどれくらい期間が空いているかをまず確認しましょう。

金融事故の記録は永遠に残るものではありませんので、事故の記録が消えたのを確認しローンの申込みをすると良いでしょう。

個人事業主が審査前に知っておきたいポイント

「個人事業主の場合、マイカーローン(自動車ローン)審査は難しい」と耳にしたことはありませんか。理由としては、一般的に下記の2つのようなことが原因といえます。

  1. 事業用資金としてすでに他社からの借り入れがあることが多いため。
  2. 審査は、売上ではなく確定申告における申告所得(事業所得など)で行なうので、所得状況によってはマイカーローン(自動車ローン)の取扱条件である「安定継続した収入」と判断することが難しいため。

業種や事業規模、金融機関の方針にもよりますが、これらの理由から「安定的な所得があり、かつ、事業費と生活費の区分が明確な場合でない限り」個人向けのローンを利用することが難しいといわれるのです。

また、個人事業主の場合、所得を証明する書類が複数必要になることがあります。自営業者の場合は、所得を証明する書類として納税証明書の提出が必要になることが少なくありません。滞納していると証明書の発行ができないため、税金の滞納には注意しましょう。

マイカーローン(自動車ローン)の審査の期間(時間)と流れ

車の前に家族が立っている画像

銀行などの金融機関が取り扱うマイカーローン(自動車ローン)の審査にかかる期間(時間)と、審査から借り入れまでの流れについても見ていきましょう。

マイカーローン(自動車ローン)の審査の期間(時間)

銀行(メガバンク・地方銀行)の仮審査の目安期間は、1~3営業日が一般的です。7営業日程度かかるところもありますが、最短で即日回答してもらえる銀行もあります。

ノンバンクの審査は即日回答が多い傾向ですが、銀行などと比較して金利が高めである点に注意が必要です。一般的に銀行などは低金利で、新車でも中古車でも同一の金利の設定となっています。

契約・借り入れまでの手続きの流れ
1.インターネットやファックスなどの申込みによる仮審査

インターネットやファックスの利用により、簡単に申込みができます。なお、どの車を購入するかまだ決めていなくても申込める銀行もあり、仮審査承認後にマイカーを選ぶことも可能です。

2.仮審査結果の通知

電話や電子メールなどで、1~3営業日程度で仮審査結果が通知されます。

3.本審査(窓口の正式な申込み)

必要書類を準備して窓口に行きます。来店は一度で済むことが一般的です。なお、インターネットやファックスなどの申込みで完結する場合もあり、その場合は窓口への来店が不要になります。

※必要書類の例
  • 運転免許証、パスポートなどの本人確認書類
  • 健康保険証など、勤務先の勤続年数を確認できるもの
  • 所得証明書類(源泉徴収票・住民税課税決定通知書・確定申告書など)
  • 車の見積書や契約書など資金使途が確認できる書類
  • 銀行印

金融機関によって、必要書類が異なります。事前に申込みをする金融機関へ確認しましょう。

4.契約

本審査に通過したら、借入金額や返済日などの内容を確認して契約します。

5.借り入れ・支払いの手続き完了

借入日に口座に入金され、同時に自動車販売店などの支払先へ振込まれます。

マイカーローン(自動車ローン)の審査に落ちた場合の対処法

金融機関によっては、マイカーローン(自動車ローン)の審査が厳しいところもあります。しかし、諦める必要はありません。審査に落ちた場合の対処法も検討しておきましょう。

審査に落ちた場合の対処法

1.保証人をつける

マイカーローン(自動車ローン)では、保証人は原則不要とする商品が多いのですが、金融機関によっては保証人をつけることで審査に通ることがあります。もちろん保証人は誰でも良いわけではなく、一定の条件を満たさなければなりません。

2.自己資金を増やしローンの借入金額を減らすなど、審査条件の見直し

年収や年間返済額が理由で審査に落ちてしまった場合には、ローンの借入金額を減らすことも方法の一つです。自己資金を増やす、購入するマイカーのグレードを下げるなどの方法で、ローンの借入金額を再検討しましょう。

3.残債の完済

カード会社のリボ払いや他のローンがある場合、繰上返済を検討しましょう。一括返済をして残債や借入件数を減らすことで、審査に通る場合があります。

4.複数の金融機関に審査を出す

金融機関によって審査の条件や重視するポイントが異なるため、複数の金融機関に審査を出すことも方法の一つです。

マイカーローン(自動車ローン)以外のローンで車を購入する対処法

マイカーローン(自動車ローン)以外にも、カードローンやフリーローン(多目的ローン)を利用する方法があります。少し金利が高くなりますが、ローンを組む方法はいくつかあるので検討してみてください。

マイカーローン(自動車ローン)に含むことができる対象

マイカーローン(自動車ローン)で扱える対象(資金使途)も確認しておきましょう。

マイカーローン(自動車ローン)が扱える対象

銀行などの金融機関のマイカーローン(自動車ローン)は車両購入費以外にも、融資対象となる資金使途が幅広いことが特徴です。

  • 資金使途
  • 自動車(新車・中古車)の購入
  • バイク(自動二輪車)の購入
  • カーナビなどカー用品の購入
  • 車検、定期点検、修理費用
  • 自動車保険の保険料
  • 他金融機関の既存自動車ローンの借り換え資金および借り換え諸経費

※自動車教習所の費用や下取車の自動車ローンの残債資金を取り扱うなど、金融機関によって範囲が異なります。事前に必ず申込む金融機関へ確認しましょう。

マイカーローン(自動車ローン)を比較してみよう!

マイカーローン(自動車ローン)を選ぶ際にポイントになるのが、「金利(実質年率)」「借入可能額」「審査回答期間」です。

金利が高ければ利息の負担が大きくなり返済額が増えます。また、借入可能額や審査回答期間も金融機関によって異なるので、よく条件を確認しましょう。

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「どのマイカーローンが良いのかわからない」と迷うときには、ぜひ一度ご覧になってください。

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松崎 ミホ (まつざき みほ)

ファイナンシャル・プランニング技能士2級

資産運用に関する強い関心から、FP2級を取得。現在はお金に関するお得な情報から不動産関連、自身の経験を活かした投資や起業に関するコラムまで、幅広く執筆活動中。

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