第927回

マイカーローンの借入期間はどう決めればいい?

二人目の子どもが生まれるのを機に、車を買いたいと思っています。家計に負担の少ないマイカーローンの選び方、特に借入期間について教えて下さい。(38歳 会社員)
総利息負担額を減らすには借入期間を短くした方がいいですが、その分毎月の返済額が大きくなります。購入後のライフプランも考慮し、家計とのバランスを取りながら無理のない利用方法、借入期間を考えましょう。

借入期間による毎月返済額・利息負担の違い

マイカーローンの借入期間は金融機関により異なりますが、ディーラー系の提携ローンは最長6〜8年程度、銀行系のローンは最長10年の商品もあります。また、金利に関しては、ディーラー系よりも銀行系の方が低い傾向にあります。銀行等のマイカーローンは、「給与振込口座がある」「公共料金等の自動引き落としを利用している」等、取引の状況などによって金利が優遇される場合がありますので、まずは取引のある銀行の商品を確認してみましょう。

借入金額と借入金利が同じであれば、借入期間が長いほど総利息負担額は大きくなります。借入期間を短くすれば総利息負担額は減りますが、毎月返済額が大きくなります。

表は、250万円を実質年率3%で借り入れた場合に、返済期間の違いで、毎月返済額や総利息負担額がどれだけ違うかを比較してみたものです。借入期間3年と7年を比較してみると、借入期間3年の方が総利息負担額を157,458円抑えることができますが、毎月返済額は39,670円も増えてしまいます。

返済期間の違いによる毎月返済額、利息負担額の違い
(借入金額250万円、実質年率3%の場合)
借入期間 毎月返済額 返済総額 総利息負担額
36ヶ月(3年) 72,703円 2,617,289円 117,289円
60ヶ月(5年) 44,921円 2,695,282円 195,282円
84ヶ月(7年) 33,033円 2,774,747円 274,747円

※筆者による試算。最終回の毎月返済額は掲載の数値と異なる場合があります。

マイカーローンの借入期間を決めるポイント

マイカーローンの最適な借入期間を考える上で大切なのは、毎月の返済負担と総利息負担額とのバランスです。特に重要な3つのポイントを見てみましょう。

一番重要なのは、毎月無理なく返済できるかどうかです。返済総額を減らそうと返済期間を短くしすぎて家計を圧迫してしまっては本末転倒です。車の購入には本体価格以外にも自動車取得税や自賠責保険の保険料など諸費用がかかります。また、ガソリン代や車検代、任意保険の保険料などの維持費も必要です。これらの費用も考慮した上で、無理のない返済計画を立てる必要があります。

次に、ライフプランの変化にも対応できるようにしておくことです。子どもの成長に伴い、教育費や生活費、レジャー費などの増加が見込まれます。第二子の出産で自分や配偶者の働き方は変わらないでしょうか。マイカーローンや住宅ローンは、完済するまで返済が続きます。今、無理なく返せるかどうかだけでなく、将来も返し続けられるのか慎重に見極めなければなりません。

また、繰り上げ返済ができるかどうかや手数料の有無は金融機関により異なります。特に長期での借り入れを検討する場合には、あらかじめ確認しておきましょう。繰り上げ返済が可能であれば、産休・育休に備えて毎月返済額を抑えるために借入期間を少し長めに設定しておき、復帰後家計に余裕ができれば繰り上げ返済をしていく、というような返済方法も可能です。

一昔前と比べると、車両価格は上昇しています。また、耐用年数は伸びており、買い替え頻度は下がっています。借入金額が大きくなってしまった場合などは、長く乗ることを前提に、無理をせず長期的に返済していくのもひとつです。

金利などの情報を集めたらイー・ローンのローンシミュレーションを使って、総利息負担額を抑えながら無理なく返済できる借入期間を探りましょう。

【参考リンク】

私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2021年05月27日