第853回

憧れのキャンピングカーを購入できる家計の状況は?

昔からキャンプや国内旅行を夫婦の趣味にしてきました。今後、セカンドライフを楽しむために、キャンピングカーを購入して、いろいろなところに出かけたいと考えています。 ただ、現在検討しているキャンピングカーの価格が500万円以上とかなり高価なため、少し不安でもあります。 購入を決める前に注意すべきことがあれば教えてください。(56歳 会社員)
セカンドライフの充実に向けて、50代のうちから準備をしておくことは、リタイア後に慌てなくてすむので良いことだと思います。 ただ、大きな支出をする場合は、将来お金に困らない暮らしができるかどうかを長期的に検討した上で、無理のない範囲にとどめておいたほうがいいでしょう。
中村 宏
中村 宏

キャンピングカーを購入する前のチェックポイント

一般社団法人 日本RV協会の「キャンピングカーの『ユーザー像』に関する調査」によると、ユーザーのうち最も多い年齢層は40代後半から50代、世帯収入では「400万円未満」と「1,000万円以上」の2つの層に分かれており、購入した車両で最も多い価格帯は「500万円台」となっています。 また、ユーザーの職業は「会社員」が最も多く、4割を超えています。

キャンピングカーの購入のように、趣味で多額の支出をする場合には、その前に、長期的なマネープランを総合的に検討し、将来お金に困る事態にならないかを確認する必要があります。 簡易的には、以下の項目をチェックしてみてはいかがでしょうか。

□住宅ローンを返済中の場合、キャンピングカーを購入してもスムーズに返済できそうか?
□賃貸住宅で暮らしている場合、キャンピングカーを購入したあとも家賃の支払いが問題なくできそうか?
□当面子供の教育費がかかる場合、キャンピングカーを購入したあとに、教育費の支出に影響を及ぼさないか?
□キャンピングカーの購入に付随して生じる税金やメンテンナンス費用、保険料、レジャー費用なども見込んだ上で、今後も家計の運営が問題なく行えそうか?
□夫婦の老後資金の準備が無理なく行えるか?

大きな支出をするときには、人生の三大資金と言われる「住宅資金」・「教育資金」・「老後資金」に支障をきたさないかどうかを慎重に判断する必要があります。 勤労収入がある現役時代は、キャンピングカーを購入した後の年間収支が黒字で、貯蓄を取り崩す必要がなくても、老後にお金が少なくなって暮らしに困窮する事態に陥るかもしれません。 最近は「人生100年時代」とも言われ、男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳以上まで生きている現実を考えると、「自分も90歳以上まで生きる」ことを想定して、老後の備えをする必要があります。

長期的な収支をシュミレーションしてみる!

長期的な収支をシミュレーションしてみると、趣味にいくら程度までお金をかけることができるかの目安を具体的に把握することができます。

40代から50代の会社員であれば、定年後の再雇用も含めた今後の収入の見込みは立てやすいでしょう。また、退職金の概算額もだいたいわかるでしょう。 公的年金の見込み額も「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」での試算によって見積もることができます。

支出についても、既婚の40代、50代であれば、生活費、住宅関連費用(住宅ローン返済額、固定資産税、火災保険料、管理費、修繕積立金、駐車場代、家賃など)、生命保険料、火災保険料などは、毎年ある程度安定していて見積もりやすいのではないでしょうか。 また、子供の教育費、住宅のリフォーム代などの優先すべきライフイベント費用も、過去の支出額や公的機関の統計資料などから見積もることができるでしょう。

これらの収入と支出を年ごとに入力して年間収支を表計算ソフト等で計算し、年間収支が黒字になる年は金融資産が増え、赤字になる年は金融資産を取り崩すことになります。

買いたいキャンピングカーの購入代金とそれに付随する税金やメンテンナンス費用、保険料、レジャー費用などの見込額を加えても、90歳以上まで金融資産がマイナスにならないようであれば、安心して購入することができるでしょう。

しかし、早い段階で金融資産がマイナスになる場合は、購入予算やその後のレジャー費用を抑える工夫をする必要があります。 あるいは、キャンピングカーに関連する費用だけでなく、他の費用も節約して、金融資産がマイナスになる時期を遅くする必要があります。

このように、長期的で包括的な視点から家計の収支をシミュレーションすれば、老後の資金に不安を抱えずに、趣味にいくら程度までお金をかけることができるかの目安をつかむことができるでしょう。

現時点で趣味に使える手元の貯蓄が少なく、マイカーローンを借りてキャンピングカーを購入する場合でも、その後の返済がスムーズに進み、長期的な収支シュミュレーションによって老後の資金が十分確保できそうなら問題ないといえるでしょう。

【参考リンク】

担当:中村 宏 (執筆:2019年12月11日)