第812回

マイカーローンの最新キャンペーンは?年度末の購入に向けてチェック!

近いうちに、自動車を新車で購入しようと考えています。 現金では買えないので、ローンを活用しようと思っていますが、多くのローンの中から上手に選ぶ方法を教えてください。 また、自動車を購入する時の注意点などがあれば教えてください。(30代 会社員 男性)
年度末の3月は決算期ということもあり、どの自動車メーカーのディーラーも販売に力を入れ、1年間のうちで最も自動車が売れています。 また、多くの金融機関も年度末商戦に向けてマイカーローンのキャンペーンを実施しているので、ローン選びをするときにはキャンペーンの内容を確認してはいかがでしょうか。 自動車を購入するときには、車両本体の価格だけでなく、諸経費がかかることも想定してマイカーローンを含めた資金プランを考えることが重要です。

年度末に向けて、多くの金融機関がマイカーローンのキャンペーンを実施!

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会の「車種別販売台数」によると、1年のうち、最も自動車が売れているのは3月です(下グラフ)。

車種別販売台数

(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会「車種別販売台数」を筆者が加工)

3月は年度末ということもあり、各自動車メーカーのディーラーも販売に力を入れ、それに合わせて多くの金融機関もマイカーローンのキャンペーンを実施しています。

マイカーローンを選ぶ時は、これらのキャンペーンの中に、自分に合ったローンがあるかどうかを確認してみてはいかがでしょうか。

金融機関のマイカーローンのキャンペーン(例)
金融機関 キャンペーン期間
(申込期間)
キャンペーンの内容
横浜銀行
2019/1/8~3/31
2019年6月28日までに借り入れをした場合、以下の特別金利を適用
借入金額「800万円~1000万円」:変動1.3%
借入金額「400万円~799万円」:変動1.7%
借入金額「10万円~399万円」:変動2.5%
※横浜銀行にて住宅ローンの借り入れおよび給与振込がいずれもある場合は、借入金額「10万円~399万円」の場合でも変動1.7%
(保証料0円)
千葉銀行
2018/10/1~
2019/3/31
2019年4月30日までに500万円以上の借り入れをした方:変動1.30%(保証料千葉銀行負担)
関西アーバン銀行
2018/10/1~
2019/3/29
通常変動2.7%~3.8%のところ
⇒キャンペーン期間 変動1.9%~3.8%
※金利は審査により決定
福岡銀行
2019/1/7~3/29
※Web申し込み限定で通常よりもお得な金利
●給付振込のある方またはマイバンク会員の方
(1)借入金額が500万円以上:固定1.9%
(2)借入金額が500万円未満:固定2.6%
●上記以外の方:固定3.2%

なお、キャンペーンで低い金利の適用を受けたいがために、高い自動車を購入して、多額のお金を借りるようなことはしないほうがよいでしょう。 金利は低くなっても、借入額が多いと返済負担は重くなります。

キャンペーンを実施していない金融機関のマイカーローンの中にも、自分が想定する予算や希望する金利タイプ、金利水準のローンがあるかもしれません。 キャンペーンの有無に関わらず、複数の金融機関の借入条件等を細かくチェックして、納得して選ぶことが大切です。

無理なくローンを借りるための基本として、「(1)できるだけ少ない金額を借りる、(2)できるだけ短い返済期間にする、(3)できるだけ低い金利にする」を心がけることが大切です。 なお、金利が低くても、変動金利タイプの場合には、返済中の金利上昇リスクがあることに注意が必要です。

自動車購入時にかかる諸経費などにも配慮する!

自動車を購入する時にかかる費用は、車両本体価格だけではありません。その他に諸経費がかかります。 諸経費は車両価格の10%~20%程度を見込んでおく必要があります。

新車購入時にかかる諸経費
経費 内容
自動車税 自動車の排気量等によって毎年かかる
(4月1日時点の所有者)
※2019年10月以降に登録される新車は、排気量に応じて1,000円~4,500円減税される(軽自動車税は変更なし)
自動車取得税 自動車を取得した時に、取得価格が50万円超の場合に、取得価格の0%~3%がかかる。
※2019年10月の消費税率10%への引き上げに伴って廃止され、代わりに新税の「環境性能割」(取得価格の0%~3%)が導入される予定
自動車重量税 新車購入時、また、車検時に自動車の重量に応じてかかる
消費税 車両本体価格、オプションなど法定費用以外のすべての8%
※2019年10月からは10%
自賠責保険 新車購入時と車検時にかかる強制保険の保険料

自動車税、自動車取得税については、環境性能に応じて、今後エコカー減税の見直しがかかったり、2019年10月からの消費税率10%へのアップに伴って、 自動車取得税の廃止や環境性能割という新税のスタート、自動車重量税の割引があったりするため、事前に自動車ディーラーなどによく確認をしたほうがいいでしょう。

返済の負担と他のライフイベント費用のバランスを考えて借入額を決める

マイカーローンを借りたあとは、返済がスタートするため、他のライフイベントの費用への影響をあらかじめ確認しておく必要があります。

例えば、今後子供が成長して教育費の負担が増える場合や、住宅を購入する予定があり住宅ローンとマイカーローンを同時並行して返さないといけなくなる場合などは、 家計が圧迫されてやりくりがたいへんになる可能性があります。

将来のライフプランやマネープランを具体的にしっかりと立てて、長期的なプランの中に自動車購入を位置づけた上で、購入する自動車の価格や、自己資金と借入額の割合を決めてほしいものです。

【参考リンク】

私が書きました

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。株式会社 ワーク・ワークス代表取締役。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2019年01月23日