第758回

3月までに自動車購入を目指すなら今から準備が必要!?

新しい年を迎え、これから3月くらいまでの間に新しい自動車を購入したいと思っています。 欲しい自動車をできるだけ有利に購入するための購入の仕方や注意点などがあれば教えてください。(会社員 27歳 独身 男性)
3月は自動車ディーラーの決算期にあたりますので、値引き幅が大きくなったり、特典が設けられたりすることもあるでしょう。 ただ、自動車の購入は大きな買い物になるだけに、あまり焦らず一般的な購入プロセスに沿って、注意すべきポイントをしっかり押さえることが大切です。 そうすれば経済的にも有利に自動車を買うことができるでしょう。

自動車購入の基本手順は?

新車購入の一般的な流れは以下の通りです。

新車購入の基本ステップ
自動車ローン完全ガイド

各ステップでの主なポイント

最も重要なステップは、最初の「(1)欲しい車の候補を検討」です。購入する自動車の主な使い道や乗車する人はあらかじめ決まっているはずです。 通勤で使うのか、レジャーや買い物が主目的なのか、遠出を頻繁にするか、何人乗れる必要があるか、大きな荷物を載せるかなどを検討し、購入する自動車の条件を明確にする必要があります。 また、デザインなどにこだわりがある人もいるでしょう。 いずれにしろ、まずは「欲しい車」の条件をはっきりさせる必要があります。

「(2)購入予算の枠組みの検討」のステップでは、「自動車の購入にいくらかけるか?」を検討します。 自動車の買い替えをする方は、この段階で現在の車の査定を複数の業者に依頼をし、買取価格の目安を把握するようにしましょう。 少しでも高く買い取ってもらえれば、それだけ新車を購入する時の負担が軽くなります。

また、自己資金の額も検討する必要があります。 車にお金をかけすぎると、結婚や子供の教育、住宅取得など、今後予定しているライフイベントの実現に支障をきたすかもしれないので注意が必要です。

自己資金だけで足りない場合は、自動車ローンの活用も検討しなければなりません。シミュレーションを行い、無理なく返済できる範囲内での借入額、金利の水準、返済期間の見当をつけておきましょう。

「(3)ディーラーでの試乗・見積もり」のステップでは、3つから5つ程度の車種に絞り込んで、複数のディーラーで試乗し乗り心地を確認するとともに、諸経費を含めた見積額の提示を求めましょう。 現在の車の下取り価格や値引き額なども含め、細かい部分の金額を明確にしましょう。購入する場合の納車スケジュールなども確認しておきましょう。

「(4)値引き交渉」のステップでは、「(2)購入予算の枠組みの検討」のステップで行った現在の車の買取価格や、複数のディーラーからの見積額などの情報を活用して値引き交渉をし、最終的に購入する自動車とその金額を確定させましょう。

「(5)資金計画の決定」のステップでは、決定した金額にもとづいて、自己資金、自動車ローンの借入額、借りる金融機関等の選択を行います。 自動車ローンは購入後の返済負担が続くため、金利等の借入条件ができるだけ有利な金融機関等を選びましょう。

現在の車を売却するときも、新車を購入するときも、自動車ローンを借りる金融機関等を決めるときも、有利に立ち回るコツは、「複数の会社や金融機関等から情報を得て比較検討する」ことです。 1ヶ所からだけでなく、複数から情報を得ることでさまざまな知識が身につき、また、比較検討をする中で選択や決定を行う上でのポイントがわかるようになります。

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。株式会社 ワーク・ワークス代表取締役。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2018年01月05日