第657回

自動車は消費税増税前の2017年3月までに買うべきか?

近い将来、自動車の買い替えをしようと考えているのですが、来年4月(2017年4月)の消費税増税の前に買うのと、増税後に買うのとではどちらが得なのでしょうか?確か以前、次回の増税にあわせて「自動車取得税」がなくなるというニュースをみたことを記憶しています。
確かに自動車取得税は2017年3月に廃止されます。しかしその一方で、燃費性能によって購入した年の自動車税(軽自動車では軽自動車税)が上乗せされる仕組み(環境性能割)が2017年4月に導入される予定です。自動車に関する税金はその他に自動車重量税もあり、エコカー減税・グリーン化特例などの税制優遇もあります。自動車を購入する前には、これらのことを総合的に比較・検討して決めたほうがいいでしょう。
中村 宏
中村 宏

消費税アップで「自動車取得税」は廃止され「環境性能割」が導入される!?

2017年4月に消費税率が8%から10%に増税されるのに伴って、自動車取得税は廃止されることが決まっています。消費税も取得税も、ともに購入時にかかる税金であることから、かねてより二重課税の問題が指摘されてきました。税負担が重くなることもあり、消費税が8%にアップしたときには減税されました。そして10%になるときには廃止されることが決まっています。

【自動車取得税の税率】
自家用自動車
(軽自動車以外)
軽自動車
 ~2014年3月
(消費税5%)
 2014年4月~
(消費税8%)
 2017年4月~
(消費税10%)
 ~2014年3月
(消費税5%)
 2014年4月~
(消費税8%)
 2017年4月~
(消費税10%)
自家用自動車(軽自動車以外): ~2014年3月(消費税5%):5%
3%
0%
3%
2%
0%

※新車の場合、新車価格の約90%に上記税率を乗じた金額が自動車取得税の金額

しかし、その一方で、2017年4月から新たに「環境性能割」が導入され、燃費性能に応じて購入した年の自動車税が上乗せされる予定です。現時点ではまだ正式決定でありませんが、2016年度税制改正大綱に盛り込まれ、2016年1月からの国会の審議を経て決まる予定です。

環境性能割の税率の概要
 適用対象車
乗用車等の<新車ガソリン車>
軽減後の税率
 自家用車  軽自動車
 平成32年度燃費基準20%向上達成車
非課税
 平成32年度燃費基準10%向上達成車
 平成32年度燃費基準達成車
1.00%
1.00%
 平成27年度燃費基準10%向上達成車
2.00%
2.00%
 未達成車
3.00%

※税額は、自動車取得税と同じ計算式で求められる。

2017年3月までの「エコカー減税(自動車取得税の特例措置)」と「環境性能割」の税率を比較する!

なお、自動車取得税については、消費税が8%の2017年3月までは、燃費性能に応じて自動車取得税が軽減されるエコカー減税(自動車取得税の特例措置)があります。

エコカー減税(自動車取得税の特例措置)の概要
適用対象車
乗用車等の<新車ガソリン車>
軽減後の税率
自家用車 軽自動車
 平成32年度燃費基準20%向上達成車 
非課税 
 平成32年度燃費基準10%向上達成車  
0.60%
0.40%
 平成32年度燃費基準達成車
1.20%
0.80% 
 平成27年度燃費基準10%向上達成車
1.80%
1.20% 
 平成27年度燃費基準5%向上達成車
2.40%
1.60% 
 未達成車(軽減なし)  
3.00%
2.00%

このエコカー減税(自動車取得税の特例措置)も、2017年3月に自動車取得税が廃止されると同時になくなります。その代わりに、2017年4月から新たに環境性能割が導入されます。

つまり、自動車を購入する時期が消費税8%時と10%時ではどちらが有利かを比較・検討するには、2017年3月までのエコカー減税(自動車取得税の特例措置)の税率と2017年4月からの環境性能割の税率を比較し、さらに2017年4月からの消費税の2%アップを加味して検討すればよいことになります。

【自家用乗用車の場合】
 適用対象車
乗用車等の<新車ガソリン車>
 ~2017年3月
エコカー減税
軽減後の税率
 2017年4月~
環境性能割税率
 平成32年度燃費基準20%向上達成車 非課税 非課税
 平成32年度燃費基準10%向上達成車 0.60% 非課税
 平成32年度燃費基準達成車 1.20% 1.00%
 平成27年度燃費基準10%向上達成車 1.80% 2.00%
 平成27年度燃費基準5%向上達成車 2.40% 3.00%
 未達成車(軽減なし) 3.00% 3.00%

2017年3月までのエコカー減税(自動車取得税の特例措置)の税率と、2017年4月以降の環境性能割税率に消費税率アップ分2%を加えた比率を比べると、すべての自動車について2017年3月までに購入したほうが負担は軽くなります。

たとえば、「平成32年度燃費基準20%向上達成車」の場合、2017年3月まででも、4月以降でも非課税ですが、4月以降は消費税が2%上がる分だけ負担が大きくなるのです。

軽自動車
 適用対象車
乗用車等の<新車ガソリン車>
 ~2017年3月
エコカー減税
軽減後の税率
   2017年4月~
環境性能割税率
 平成32年度燃費基準20%向上達成車 非課税 非課税
 平成32年度燃費基準10%向上達成車 0.40% 非課税
 平成32年度燃費基準達成車 0.80% 1.00%
 平成27年度燃費基準10%向上達成車 1.20% 2.00%
 平成27年度燃費基準5%向上達成車 1.60% 2.00%
 未達成車(軽減なし) 2.00% 2.00%

軽自動車も自家用乗用車と同じです。

他の税金や優遇制度の今後の動向を見極めて購入タイミングを決める!

自動車に関わる税金は、自動車取得税以外にも自動車重量税や自動車税(軽自動車税)があります。自動車重量税は新規登録時と車検時にかかる税金、自動車税(軽自動車税)は毎年かかる税金です。

自動車重量税には、2017年4月末までは燃費性能に応じたエコカー減税制度があり、エコカー以外では新規登録から13年未満、13年以上、18年以上と税金が高くなる仕組みがあります。

自動車税(軽自動車税)も2017年3月まではグリーン化特例という燃費性能に応じた減税措置や、新規登録から一定期間が経過すると増税される仕組みが継続する予定です。

自動車に関する税負担額の変化は、消費税が10%になる2017年4月以降にこれらの税金がどうなるか、ということとも関連し、また、これまでどんな環境性能の自動車に何年乗っていてこれからどんな自動車に買い替えるか、ということとも関連します。

自動車の税金は複雑な上、近年はいろんな変更が行われています。そのため自分で損得の比較をして購入タイミングを見極めるのはかなり難しいでしょう。

自動車販売店を何度か訪問して情報提供を得ながら、具体的に比較、検討するのが現実的な対応でしょう。

【参考リンク】

担当:中村 宏 (執筆:2016年01月18日)