第466回

自動車ローンを賢く選んで毎月の負担を軽く!

車を使いたいシーンが増えてきたので、ローンを借りて買おうと思っています。賢い自動車ローンの選び方を教えてください。(埼玉県 K)
車の乗り方にはいろいろあります。購入するのも1つの方法。その際、自動車ローンを利用するなら販売店の見積もりを参考にして、慎重に選びましょう。自動車ローンの選び方次第で、毎月の負担が変わります。

車の乗り方は多様化している!

4月14日、東名高速の渋滞緩和のために建設されている新東名高速の御殿場ジャンクションから三ヶ日ジャンクションまでの162kmが開通しました。今は、ゴールデンウィークまっただ中。東名や新東名、その他の高速道路を利用したロングドライブへお出掛けの方も多いでしょう。

最近では、エコカー関連の情報や利用頻度や乗りたい自動車のタイプによって、お得な買い方・乗り方の提案・比較をできるサイトが増え、自動車関連の情報が充実してきました。車の乗り方としては、購入するのが一般的ですが、リース会社から一定期間・一定料金で借りる方法もあります。必要なときだけスポット的に乗るならレンタカーやカーシェアリングという方法もあり、車の乗り方は多様化しています。どの方法がいいかは、車の利用状況やマイカーを所有することに対するこだわりなどによって違いますから、ご相談者様もこれらの選択肢を踏まえた上で、本当に購入するかどうかを決めるのが良いと思います。

自動車ローン選びで気をつけたいこと

車の利用頻度が高く、マイカーこだわる場合は購入を選択することになります。現金で購入できれば、かかるコストは維持費だけですみますが、現金を用意できなければ自動車ローンを利用することになります。いくつかポイントを挙げてみましたので、参考にしてみてください。

1、自動車ローンの借入金額を減らす
車を購入するとき、毎月の負担を軽くするには、頭金をなるべく多く用意してローンの借入額を少なくすることが基本です。借りる金額が少なくなれば、それだけ金銭的な負担や精神的な負担が軽くなります。

2、インターネットを活用して、ディーラーの自動車ローンより低金利のローンを探す
ディーラーから提携ローンを進められることが多いですが、見積もりの「金利」や「支払い回数」を参考にしながら他の自動車ローンも検討しましょう。銀行や信用金庫、信販会社など、自動車ローンを取り扱う金融機関は多様化していて、ディーラー提携ローンより有利なローンもあるからです。

3、できる限り金利(実質年率)の低いローンを選ぶ
そして、自動車ローンを選ぶ際は、なるべく実質年率の低いものを選んで利息の負担額を少しでも減らしたいですね。例えば、120万円を借りて60ヶ月で返済した場合は、実質年率1%の違いで、毎月500円の利息負担に差が出ることになります。

【参考】自動車ローンの実質年率の違いによる毎月返済額の違い
<借入額=120万円、返済期間=60ヵ月>
実質年率 毎月返済額 利息総額 返済総額
2.00% 21,033円 61,999円 1,261,999円
3.00% 21,562円 93,746円 1,293,746円

※イー・ローンシミュレーションで試算。
※最終回の毎月返済額は掲載の数値と異なります。

4、できる限り返済期間を短くする
また、利息の総額を減らすためには、返済期間をなるべく短くすることも重要です。借入額と実質年率が同じ場合、返済期間を短くすると、返済総額と利息総額は少なくなります。
ただし、毎月の負担額は増えますので、くれぐれも無理のない範囲で。ローンの返済やクレジットカードの引き落とし口座の入出金状況については、こまめにチェックする習慣をつけると、支払いの遅れによる「信用力の低下」を未然に防ぐことができます。

【参考】自動車ローンの返済期間の違いによる毎月返済額の違い
<借入額=120万円、返済期間=60ヵ月>
返済期間 毎月返済額 利息総額 返済総額
3年 34,897円 56,308円 1,256,308円
5年 21,562円 93,746円 1,293,746円

※イー・ローンシミュレーションで試算。
※最終回の毎月返済額は掲載の数値と異なります。

なお、自動車ローンには、残価設定ローンもあります。これは、車の価格から3~5年のあらかじめ選択した期間を過ぎた後の下取り価格(残価)を差し引いた金額でローンを借りるもの。本来の車の価格でローンを借りるより、選択した期間は毎月の返済額は少なくなります。どのようなローンをを選択するにしても、家計に無理のない借入が出来るようにしましょう。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2012年04月27日