第1164回NEW

国のエコカー補助金が見直された!補助額は2026年1月からどうなった?

昨年末に、エコカーを購入する際の補助金が見直されるという報道を見ました。ちょうど自動車の買い替えを検討しているところなので、エコカーも選択肢に入れて考えたいと思います。制度がどのように変わるのか教えてください。(会社員 女性 42歳)
2026年1月からエコカー購入者への補助金が見直され、電気自動車(EV)の上限がこれまでより40万円増え、燃料電池車(FCV)は105万円減るなどの変更が行われました。補助額の見直しは自動車の購入判断に大きな影響を与えますが、普段使いの自動車は、ガソリン車も含め、実質的な価格や自分のカーライフなどにも配慮した総合的な検討が必要です。
芝生に置かれた車の模型と電卓、虫眼鏡

2026年からエコカー補助金(CEV補助金)が変わった!

2026年1月から、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)など、環境対応車の購入を支援するエコカー補助金「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の制度が見直されました。

エコカー補助金は、環境性能の高い自動車を新車で購入する際に価格負担を緩和する国の支援制度です。今回の見直しにより、車種ごとに設定される補助額の上限が大きく変わりました。

見直しのポイントは、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の補助額の上限が増えた一方で、燃料電池車(FCV)の補助額の上限が大幅に減額された点です。日米関税交渉等を踏まえ、補助額を車両の平均価格の2割程度に揃えられたことで、車種間での公平性が高まりました。

この改定は、2026年1月1日以降に車両登録を行う新車から適用されます。なお、FCVについては2026年4月1日からの適用になります。

どれだけ変わる? 車種別・補助額の上限の変更点

では、具体的に補助額の上限はどのように変わるのでしょうか。車種ごとに見てみましょう.

2025年12月までの補助上限額 2026年1月からの補助上限額
電気自動車(EV) 90万円 130万円(+40万円)
プラグインハイブリッド車(PHV) 60万円 85万円(+25万円)
燃料電池車(FCV) 255万円 150万円(-105万円)
軽・電気自動車(EV) 58万円 58万円(±0万円)

※燃料電池車(FCV)は2026年4月から適用

補助額の変化に着目すると、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)は増えたため、購入しやすくなりそうです。一方で、大幅に減額された燃料電池車(FCV)は選択しにくくなりそうです。

エコカー補助金(CEV補助金)だけでなく、総合的に検討して選ぶことが大事!

補助額の変更は、自動車の購入判断に大きな影響を与えます。しかし、補助額だけで決めることには注意も必要です。購入を検討する時に考慮したいポイントをいくつか解説しましょう。

実質的な負担額はいくらか?手続き面で支障はないか?

エコカー補助金の補助額は、メーカー・車名・グレード・型式ごとに個別に決められています。そのため、自分が購入を検討する自動車の補助額を具体的に確認する必要があります。また、国の制度以外に、自治体も独自に助成制度を実施しており、補助金を上乗せして負担が減る場合があります。

手続きに関していうと、補助金は購入価格から直接差し引かれるのではありません。購入後、申請・交付手続きを経て支給されます。また、この制度は予算措置であるため、予算がなくなり次第助成が終了してしまうことに注意が必要です。

さらに、補助金を受け取った車両は、原則として4年間(軽などは3年間)の保有義務があります。この期間内に売却や廃車等を行う場合は、原則として補助金の一部または全部を返還しなければならないことなどにも注意が必要です。

自分の自動車の使い方に合うかどうか?

補助額が大きい電気自動車(EV)でも、航続距離や充電インフラ等の利便性を考慮すると、日常の使い方によっては、補助額の小さいプラグインハイブリッド車(PHV)や、エコカー補助金対象外のハイブリッド自動車(HV)などのほうがよい場合もあります。普段使いであるほど、生活圏でのインフラの状況や利便性を考慮しましょう。

将来の税負担等も想定する

エコカー補助金の見直しとは別に、政府は、2028年5月から自家用の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を対象に、新たな課税を始める方針です。ガソリン車よりも重量が重く、道路への負荷が大きい電気自動車(EV)等に対して、車検時に払う自動車重量税に上乗せして税を徴収しようという考えがあります。

わが国は、2035年に電気自動車(EV)などの電動車の新車販売比率を100%にする目標を掲げており、エコカー補助金は、エコカーの購入増を促す政策です。今回の補助額の見直しも、自動車購入の選択に大きな影響を与えるでしょう。

ただ、生活の中で日常的に利用する自動車は、実質的な負担額や、生活圏でのインフラの状況、利便性などを総合的に検討することが、賢い自動車選びにつながるでしょう。

私が書きました

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2026年01月09日