第1156回NEW

中古車購入にも、銀行のマイカーローンをまずチェック!

子どもや老親の送迎のため、車購入を考えています。中古車でも最近はなかなかのお値段なので、ローンを利用することにしました。近所の銀行でマイカーローンのチラシをもらってきましたが、中古車の販売店でもローンを扱っているようです。どちらのローンがお得でしょうか。(会社員 50代)
販売店のローンは車の購入と同時に手続きができて便利ですが、一般的に、銀行や信用金庫のマイカーローンのほうが低金利です。事前に金利や条件を確認して、比べて選ぶとよいでしょう。
接客する女性

銀行等のローンは、審査は厳しめだが低金利

新型コロナウイルス禍に新車販売が減ったことや輸出向けの需要増などの影響で、中古車価格の上昇が続いています。購入資金が足りなければ、ローンをうまく活用して、「いま、必要」な車を手に入れましょう。

まずは、販売店の提供するローンと、銀行等のマイカーローンの違いを確認してみましょう。

販売店のローンは、販売会社で、車購入の手続きと同時に手続きできて便利です。また、審査基準が比較的柔軟で、借りやすいのもメリットですが、銀行等のマイカーローンに比べると金利は高めです。

一方、銀行等のマイカーローンの魅力は低金利なことです。2025年11月7日現在、実質年率が1%を割るマイカーローンもあります。ただし、車購入と同時に販売店で手続きというわけにはいきませんし、審査基準は厳しめです。とはいえ、多くの銀行等ではWEB上で簡易な事前審査(仮審査)を受けることができるので、希望金額が借りられるかどうかの目安を事前につけることができます。

また、銀行等のマイカーローンは一般には窓口で正式な申込をしますが、来店不要・WEBで手続き完了、というマイカーローンもあります。平日に銀行等の店頭へ行くことが難しい人にも、利用しやすいでしょう。

金利によって、返済額は大きく違う

では、金利によって返済負担額はどれくらい違うのでしょうか。

表1は、200万円を、返済期間5年で借入した場合、金利によって返済額や利息額がどれくらい違うのかをまとめたものです。

金利が1%であれば、利息総額は51,220円ですが、それが10%であれば549,640円と、10倍以上の負担になります。5%の場合でも、総利息額は1%の場合の5倍以上。やはり、なるべく低金利のマイカーローンを利用したほうが有利ですよね。

金利が1%と違うと、返済額や利息負担がどれくらい違うのか、試算してみると実感できます。マイカーローンを選ぶときには、試算結果を並べて、検討してみてください。

条件) 借入額:200万円 返済期間:60か月(5年) 毎月返済のみ ボーナス返済なし 元利均等返済

表1 金利ごとの毎月返済額・返済総額
金利 借入額(円) 毎月返済額(円) 返済総額(円) 利息総額(円)
1% 2,000,000 34,187 2,051,220 51,220
3% 35,937 2,156,220 156,220
5% 37,742 2,264,520 264,520
10% 42,494 2,549,640 549,640

イー・ローン マイカーローンのかんたん返済額シミュレーション により試算

負担の少ない「返し方」も考えて

マイカーローンは、借入額が大きいほど、返済期間が長いほど、金利が高いほど返済負担は重くなります。車の購入にもなるべく自己資金を準備して、足りない分をマイカーローンで補うようにすれば、借入額が少なくなり、返済負担は軽くなります。

返済途中で家計に余裕ができたら繰上げ返済を…と考えているなら、繰上げ返済の手数料がかからない、あるいは少額なマイカーローンを選んだほうがよいでしょう。

マイカーローンを選び、返済計画を立てる際には、金利だけでなく、返しやすさも考えて選ぶとよいでしょう。

【参考リンク】

私が書きました

大林 香世 の写真

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2025年11月12日