第1132回NEW

金利上昇の影響は自動車にも?マイカー購入時はローン金利もしっかり比較!

車の購入をしようと思い、先日ディーラーでローンの見積もりを取ったら、思ったより金利が高くて驚きました。ディーラー以外でローンを借りることはできますか?その場合、金利はどのくらいなのでしょうか?(会社員、35歳)
昨今、金利は上昇傾向にあり、車のローンにもその影響が見られます。ですが、自動車販売店で勧められるディーラーローン以外にも、銀行が提供するマイカーローンという選択肢があり、比較的金利は低めです。ディーラーローンとの違いもあるので、特徴を理解した上で探してみてもよいのではないでしょうか。
赤い車と女性

車の購入には、銀行のマイカーローンも候補になる

2024年にマイナス金利政策が解除され「金利のある世界」へと移行したことにより、さまざまなローンの金利が上昇傾向にあります。

自動車の購入には、現金一括での購入だけでなく、マイカーローンや残価設定型クレジットなどを利用する人も少なくありません。

自動車販売店(ディーラー)が提供するディーラーローンは、車の購入と同時に借り入れができ、審査も比較的通りやすいといわれています。しかし、ディーラーローンの金利も引き上げられており、「思ったより金利が高く車の購入を躊躇してしまった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合には、銀行が取り扱うローンも検討してみるとよいでしょう。ディーラーローンよりも比較的金利は低めで、有利な条件のローンが見つかる可能性があります。

銀行が取り扱うローンで自動車購入に利用できるのは、使途に制限がないフリーローンのほか、マイカーローンがあります。マイカーローンは、自動車やバイクの購入費用のほか、運転免許の取得費用、車検や修理の費用にも使えます。

また、ディーラーローンを利用した場合は、ローンを完済するまでは所有権がディーラーや信販会社に留保されるのが一般的です。一方、銀行のマイカーローンを借りた場合には、車の所有権は自分にあるので、例えば、ローン返済中でも自由に売却や買い替えなども行えます。

銀行のマイカーローンはここをチェック

銀行のマイカーローンを利用する際には、金利タイプと金利の幅に注意しましょう。

金利タイプ

多くの金融機関のマイカーローンは変動金利型ですが、固定金利型を取り扱っている金融機関もあります。

固定金利型の場合は、借入当初に決定した金利が完済まで変わりません。一方、変動金利型の場合は、一般的に半年ごとに金利が見直され、金利に変動があれば返済額も変わります。今後、金利が上昇すれば、その分返済額も増えてしまう点に注意しましょう。

適用される金利の確認

マイカーローンの金利は、「年1.1%〜2.75%」というように、金利に幅を持たせた表記がされていることがあります。実際に適用される金利は、申込者の年収や勤務先、信用情報などをもとに審査され個別に決定されます。そのため、誰もが表示されている一番低い金利で借り入れできるわけではありません。

また、借入金額が多いほど金利が低くなったり、電気自動車やハイブリッド車などエコカー購入の場合だと金利が低くなったりする金融機関もあります。その他、同じ金融機関で住宅ローンを利用している、インターネット経由で申込むといった条件で金利が引き下げられることもあります。

ご自身に適用される金利がどの程度なのかは、実際に申込んで審査を受けてみないとわかりません。複数の金融機関に事前審査を申込み、提示された結果を比較検討するとよいでしょう。

金利だけでなく、「手数料の有無」や「繰上返済の可否」なども合わせて比較してください。

ディーラーから提示された金利が高くて車の購入を迷っている場合には、銀行のマイカーローンを検討してみてください。ディーラーローンに比べると、ご自身で金融機関を探して申込みをし、審査結果を待って手続きする、というように多少手間や時間がかかるかもしれません。それでも、金利が上昇している現在においても、比較的低金利で借り入れができるという点で銀行のマイカーローンはメリットが大きいといえるでしょう。

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私が書きました

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高田 晶子 (たかだ あきこ)

ファイナンシャル・プランナー。金融デザイン株式会社 取締役。

大学卒業後、信託銀行に就職。その後イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年FPとして独立。2010年より現職。個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツ作成しながら、50代と60代からのセカンドキャリアを応援するサービス「50カラ」を展開中。

※執筆日:2025年05月19日