第1131回NEW

経営者の強い味方!「補助金」と「助成金」の違いは?

会社を経営しています。事業拡大を検討しており、補助金や助成金を使ってみたいと考えていますが、何が違うのか、どのように使うのかなどがわかりません。注意点なども教えてください。(会社経営 46歳)
補助金と助成金は、どちらも国や地方公共団体が事業者に対して行う、原則返済不要の金銭的な支援制度です。目的や管轄、性質や支給条件が異なりますので、特徴を理解し、自社の事業に合わせて活用しましょう。
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補助金とは?

補助金とは、新しい技術の導入促進や地域経済の活性化、創業支援など、国や自治体が掲げる政策目標達成に向けた事業者の取り組みをサポートするために、財政的な支援を行う制度です。支給額は大きめの制度が多く、最大で数千万円〜1億円を超えるものもあります。

補助金の申請には1ヶ月程度の申請期間が設けられることが多く、期間内に書類等を揃えて審査を受けなければなりません。また、補助金は採択件数や金額があらかじめ決まっているものが多く、要件を満たして申請したからといって必ずしも受給できるわけではありません。

補助金の多くは、採択後に事業を実施し、かかった費用の一部を補助する後払い方式のため、事業を実施するための資金を準備する必要があります。

助成金とは?

助成金は、主に厚生労働省が主導している制度で、雇用の安定、労働環境改善、人材育成などに対して支援を行う制度です。補助金と比較して受給のハードルは低く、要件を満たしていれば助成を受けることができるのが一般的です。その反面、補助金よりも支給額は低めです。通年で募集しているものもあるので、条件に合うものがないか確認してみるといいでしょう。なお、助成金も補助金と同様に後払い方式のものが多いため、資金の準備が必要です。

補助金・助成金の注意点

多くの場合、補助金や助成金は採択されただけでは受給できません。助成金・補助金の支給の対象となる事業実施後に報告書の提出が必要になります。書類に不備があったり、目的外の支出に使われていたりすると支給されない場合がありますので、事務処理等はきちんと行いましょう。

同一の事業に対して補助金や助成金の併用は基本的にできません。ただし、一部の補助金は条件を満たせば併用可能なものもあります。また、異なる事業であれば補助金や助成金の併用が可能な場合もあります。公募要領やホームページなどで事前にしっかりと確認しましょう。

早急な資金調達にはビジネスローンも検討を

補助金や助成金は返済不要の支援制度であり、会社経営者にとって心強い制度です。しかし、申請の時期を逃してしまったり、条件に合わなかったりして利用できない場合もあるでしょう。利用できる場合も、補助金も助成金も後払いであるため、事業を実施するための資金を準備する必要があります。そういった場合には民間のビジネスローンの利用を検討してみましょう。

ビジネスローンは審査がスピーディーで、最短即日〜数日での借り入れが可能です。保証人不要、担保不要で借りられる商品も多く、設備投資資金や運転資金など幅広い資金使途に対応しています。

資金使途や資金が必要な時期に合わせて、適切な資金調達手段を検討しましょう。

【参考リンク】

私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2025年05月15日