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第906回

マイカーローンの借り換えができないときってどんな時?

車のローンの毎月の返済を結構負担に感じています。近くの銀行で、「よかったら車のローンを借り換えては」と勧められました。今のローンよりも低金利なら、借り換えは問題ないでしょうか。借り換えできない場合もあるのでしょうか。(神奈川県 K)
借換目的の利用でも、新たにローン契約を結ぶことになるので、ローンの審査を通らなければ、借り換えができません。また、金利差だけでなく、手数料等を含めた支払総額を試算して比較検討し、メリットを確かめてから利用されたほうがよいでしょう。

マイカーローンも借り換えできる

ローンの「借り換え」とは、新たに借りた有利なローンで利用中のローンを一括返済し、その後は新たなローンを返済していくやり方をいいます。新たに借りたローンの金利がより低ければ、支払総額は下がり、毎月の返済額も少なくなります。まとまった金額が必要な「繰上返済」とは異なり、まとまった資金の準備は必要なく、家計に負担無く将来に向けて支払負担を減らすことができる有効なローン見直し方法です。

住宅ローンの見直し方法としてはおなじみですが、マイカーローンにも、借り換えに利用できる商品が多くあります。イー・ローンのHPで、借り換えに利用できるマイカーローンを検索すると、実質金利で1%を切るローンもあります(2021年1月4日現在)。金融機関によって金利設定には差があり、特にディーラーで組んだマイカーローンなどは、一般的に銀行などのローンよりも金利が高い場合が多いので、借り換えによる金利負担減のメリットは大きいかもしれません。

【参考リンク】

条件に合わなかったり、審査が通らなかったり。借り換えできないこともある

ただし、借換目的であっても、新たにローン契約を結ぶことになるわけですから、審査に通らなければ借り換えはできません。

「安定した収入があるか」「延滞がないか」等を確かめて「きちんと返済が続けられるか」が審査されるわけですが、ローン商品によって求められる条件は異なります。たとえば、収入面では、「パートやアルバイトも利用可能」なものもあれば、「勤続○年以上、年収○円以上」という条件が挙げられているローンもあります。延滞については、「直近6か月間以内に延滞のない方」「借換対象債務について返済遅延がない方」等と明記されているローンもあります。金融機関によって審査基準は異なりますが、延滞歴がある場合は、借り換えは難しい可能性があります。

また、業務用・事業用の車での利用や個人間売買での利用は不可であったり、残存返済期間が短いと利用できなかったりする場合もあります。むやみに申込み、審査に通らずヤキモキすることのないように、気になるローンがあったら、まず、資金使途や借入条件が自分に合っているかを確認したほうがよいでしょう。

金利だけでなく、手数料や印紙代等も含めた総負担額で比較検討を

資金使途や借り入れの条件がご自分にあっていたとしても、どれくらいメリットがあるのかをあらかじめ確認しておきましょう。「返済中のローンよりも低金利」というだけでは、どれくらいメリットがあるかは不確かです。ローンの借り換えの際には、事務手数料や印紙代、保証料(金利に含まれる場合が多い)などがかかります。返済中のローンの一括返済の際に手数料がかかる場合もあります。金利の低いローンに借り換えても、手数料等の負担が大きければ、借り換えのメリットはあまりないかもしれません。また、金利差が少なかったり、残存返済期間が短かったりすると、思ったよりも金利負担減の効果が小さい場合もあります。

【参考リンク】

借り換えローンを申し込むと、本人確認書類や収入に関する書類、借換対象のローンに関する書類など複数の書類の準備も必要で、手間もかかります。まずは、ご自分の条件やニーズにあったローンを選び、次に諸費用も含めてローンを試算。メリットが確認できたら、ローン商品をピックアップして不明な点などを問い合わせ、必要書類を準備すればスムーズに動き出すことができるのではないでしょうか。

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私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2021年01月05日