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第310回

住宅購入のタイミングはどう見極める?

住宅価格は安くなっていて、住宅ローンの金利も低いといわれています。そろそろマイホームを買おうかと考えていますが、今がその絶好のタイミングなのでしょうか?見極め方を教えてください。(S・Mさん/33歳/会社員/神奈川県)
今が住宅購入のタイミングかどうか、つまり、「買いドキ」を見極めるポイントは、大きく2つあります。住宅を取り巻く「市況と政策」そして、「個人のライフプラン」です。

市況と政策は「買いドキ」のサインが点灯!

住宅を取り巻く市況のチェックポイントは、価格・供給・金利の動向です。住宅価格はまだ下がるという見方もありますが、土地取得価格、建築費、不動産分譲会社の経費や利益を考えると、極端な価格下落は期待できないのではないでしょうか?ただ、在庫処分の投げ売りやアウトレットマンションは、交渉次第では安くなるかもしれません。供給面を見ると、首都圏の新築マンションの在庫は供給過剰だそうで、多くの物件からじっくり選べ、しかも、すぐに入居できる状況です。金利の動向は、小刻みな変動はありますが、低い水準で推移しています。本格的に景気が回復するまで、しばらくは現状のまま推移すると思われます。

住宅取得に関わる政策の目玉は、住宅ローン控除の拡充です。本来であれば、2008年で終わる予定だった住宅ローン控除は、不動産取引を活発化させるため、5年間延長される上、過去最高の控除額に拡充されます。2009年と2010年に入居すると、控除額は、一般住宅は10年間で最高500万円、長期優良住宅は最高600万円という内容です。つまり、市況面と政策面を見ると「買いドキ」のサインが点灯しているということです。

「個人のライフプラン」がしっかりしているならば今が「買いドキ」

「個人のライフプラン」とは、マイホームが欲しい、子どもが小学校に入学する前にマイホームを持ちたいなど、自分と家族の夢・人生設計で住宅を購入する必要性があり、資金計画もきちんとできていることを指します。計画がしっかりしていれば、市況・政策ともに追い風が吹いている今が「買いドキ」と言えます。その中でも、資金計画が重要なポイントであることは言うまでもありません。現在のように、雇用不安が高まり、収入の増加は期待できない環境では、資金計画に無理がないかを十分に検討する必要があります。やはり、頭金は最低でも、諸経費を含めて30%程度を準備し、住宅ローンの返済比率は年収の25%以内に収めるのが理想的です。もちろん、より金利が低くて使い勝手のいい住宅ローンを選ぶことも大切です。そして、共働きをする、副業を持つなど、将来的に収入が激減しないようにする手段を考えて、できることから実行していくようにしましょう。

ゴールデンウィークに住宅展示場や内覧会に行く予定を立てている方も多いでしょう。その際は、「個人のライフプラン」について、家族とよく話し合ってから出掛けることをおすすめします。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2009年04月02日