第483回

自分にあった「おまとめローン」で、リボ払いをまとめて返済

ポイントも貯まるので、日頃からクレジットカードを利用しています。基本的には、利息のかからない「一括払い」で利用していますが、支払いがきついときには無理せずに「リボ払い」にしたり、一括払い分も「あとリボ」にしたりして、今までは問題なく利用してきました。ところが、この夏の旅行やレジャー、電化製品の買い替えで出費が続き、カードの支払いが厳しくなってきました。今までの分のリボ払いも残っているし、いつまで返済が続くことかと不安になります。あらたにカードローンを借りて返済するしかないでしょうか。
「おまとめローン」で臨時返済をして、無理のない家計を取り戻しましょう。

便利な「リボ払い」の利息は、実質年率15%程度

旅行にレジャーにバーゲンに…と夏は楽しいけれどお金のかかるシーズンですね。そろそろ、ご相談者のように、クレジットカードの支払いに頭を悩ませる方も多くなる時期ではないでしょうか。

ご相談者の利用している、いわゆる「あとリボ」は、一括払いなどで利用したクレジットカードの支払いを、後日、リボ払い(利用金額や利用件数にかかわらず、毎月の支払い金額がほぼ一定となる支払い方法)に変更できる便利な仕組みです。カード会社の定める期限までに変更の手続きをしておけば、返済日に口座残高不足で延滞になることも避けられます。

ただし、一括払いをリボ払いに変更することによって、実質年率15%程度(カード会社やカードの種類で多少異なる)の利息がかかることになります。また、リボ払いにすると一回の返済額が少額に抑えられるため返済期間も長くなり、その分、負担する利息も増えます。

<一括払いとリボ払いの違い>

例:10万円の買い物をした場合の計算例
リボ払い(元金定額コース)の手数料率は実質年率15%
毎月の支払元金は(1)5000円 (2)1万円

  1回あたりの
支払元金
返済回数 総支払額 手数料
一括払い 100,000円 1回 100,000円 0円
リボ払い(1) 5,000円 20回 112,892円 12,892円
リボ払い(2) 10,000円 10回 106,644円 6,644円

せっかく利息負担ゼロを意識して「一括払い」で買い物しても、「あとリボ」にすればそのメリットはなくなります。気軽に「あとリボ」を利用していると、気づいたときには借入残高が大きく膨らんでいる場合もあるので注意が必要です。

ご相談者は、これまでもリボ払いやあとリボを利用していて、さらに夏のクレジットカード利用分が上乗せされて、返済が厳しくなってきたのですね。しかし、カードローンで借りたお金を毎月のクレジットカードの返済に充てる自転車操業では、あらたな借入先が増えるだけで、根本的な解決にはなりません。「臨時払い」「まとめ払い」等、カード会社によって名称は異なりますが、クレジットカードのリボ払いの返済は、利用残高をまとめて支払うことができます。新たに金利の低いローンを借り、そのローンでリボ払いの臨時返済を行って、支払いに悩む生活から抜け出す第一歩にしてはいかがでしょうか。

低金利の「おまとめローン」を活用しよう

そこで考えられるのが、より低金利の「おまとめローン」を借り、借りたお金でクレジットカードのリボ払いをまとめて返済する方法です。クレジットカードの実質年率が15%程度なのに対して、おまとめローンの実質年率の下限は3%程度とかなりの低金利になっています。

また、複数のクレジットカードの返済がある場合、おまとめローンに一本化することで、バラバラだった返済日が月に1日になって返済スケジュールの管理が楽になるというメリットもあります。

【参考リンク】

「借り換え専用」おまとめローンで負担を軽減

とにかく完済を優先するなら、借り換え専用のおまとめローンに注目してみましょう。借り換え専用の「おまとめローン」には、資金使途が金融機関からの無担保個人向けローンの借り換えに限られ、融資金額も申込時の借り換え対象となるローン残高(元本のみ)の範囲内に限られています。資金使途欄や融資金額欄を必ずチェックしておきましょう。
「東京スターおまとめローン」

「借り換え専用」のおまとめローンにおける代表的なローン商品ですね。預金連動型で、預金の残高と同額分にはローン金利がかからない仕組みです。返済は優先したいけど、もしもの場合に備えてある程度の預金は確保しておきたいもの。普段の生活の「もしも」にも備えつつ、返済も着実に進めたいとき、預金がローンの金利負担軽減につながる仕組みはうれしいですね。
「SAIS◎Nのローン百選『生活支援ローン』計画完済コース」

専任のアドバイザーが借入や生活の状況に合わせて返済計画を提案し、相談に乗ってくれます。どうやって返済を進めるのがいいのかわからなくなってしまった場合や不安な場合などは、相談相手がいると心強いですよね。

「借り換え」の金額よりも多めに借りておく方法もある

近々まとまったお金が必要になることもわかっているという場合には、その資金も合わせて借りられるローンを検討するとよいでしょう。ヤセ我慢をして借り換え専用ローンを利用して、その結果クレジットカードの支払いに困り、「足りなくなったらリボ払い」を繰り返しては台無しです。

臨時返済資金+αを借りる場合でも、完済を第一に考えるなら、カードローンよりも証書ローンを選ぶとよいでしょう。
「イオン銀行 ネットフリーローン」

ネット専用・来店不要のフリーローンで資金使途は自由なため、クレジットカードの臨時返済費用も近々必要な資金(事業性資金は除く)も合わせて借りることができます。しかし、繰り返し借りられるカードローンではなく、「証書ローン」のため、追加で借りるためには新たに手続きが必要になります。「足りなくなったら借りればいい」という気持ちにも歯止めをかけやすいのではないでしょうか。

このように、臨時返済に使える「おまとめローン」にも、さまざまな種類・商品があります。自分のこれからの生活や予定、性格も考えた上で、生活に無理がなく返済がしやすい商品を選んでみてください。

そして今後は、クレジットカードは一括払いが可能な程度を目安に無理のない範囲での利用に抑え、安易に「あとリボ」に頼らないように気を付けていきましょう。

私が書きました

大林 香世 の写真

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2012年08月24日