第463回
教育ローンの活用で家計のやりくりを円滑にしよう
- この春、息子が大学に、娘が高校に進学しました。受験費用、入学費用と教育費と出費が続いて大変でしたが、なんとか貯蓄で乗り切りました。でも、これからも続く学費や仕送りの出費を考えると家計はかなり厳しくなりそうです。教育ローンの活用方法について、教えてもらえませんか?(T・Kさん 47歳 パート)
- 教育ローンには、授業料等の学校納付金だけでなく、仕送りや下宿代、教材費等にも利用できるもの、教育費の支払い後も借入可能なものなど、さまざまなタイプのものがあります。
お子様のご進学にうれしい春ですが、親御さんにとっては気の引き締まる季節なのかもしれませんね。教育ローンは、「入学前に手続きして、入学金や授業料を借りる」という利用方法以外にも、学費支払い後に利用できるものや、都度利用できるものなど、さまざまなタイプがあります。カードローンなどよりも低金利な商品が多く、在学中は利息返済のみで元金据え置き可能といった独自のメリットもあるので、子どもに関する支出で家計のやりくりに不安があるなら、まずは教育ローンの利用について検討しましょう。
「支払い後」の教育費の支払いに使える教育ローン
受験料や入学費用などの出費が相次いで、とりあえず手元にあったお金で払ってしまったり、他の目的で貯めていた貯蓄を取り崩して払ったり…というご家庭もあるのではないでしょうか。入学手続きなどが一段落した4月、気づいたら今月の家計がピンチ!さらに相次いで自動車税や固定資産税の支払い通知も届いて…という場合、カードローンやキャッシングで乗り切る手もありますが、ちょっと待って。払ってしまった教育費を教育ローンで借りることができれば、より低金利で必要資金が準備できるかもしれません。
イー・ローンの教育ローン比較一覧の中から「資金使途」の欄に注目してみると、支払い後の資金であっても融資可能な教育ローンがあることが分かります。この中で全国対応のものには、日立キャピタル、損保ジャパンのローンがあります。そのほかにも、地域の金融機関で支払い済みの教育費も借りられる教育ローンがあるので、ローン比較リストを活用し、各商品の詳細条件を確認してみましょう。
【参考リンク】
ローン名 | 資金使途欄の記載内容 |
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日立キャピタル 日立教育ローン |
ご本人のお子様の小学校・中学校・高校・短期大学・大学・大学院・専門学校の入学金・授業料・施設費。今後2ヶ月以内に納付される費用がご融資の対象となります。 すでにお支払い済みの資金であっても、お支払い後1ヶ月以内のものであればご融資の対象となります。 |
損保ジャパン 《損保ジャパン》教育ローン【E50】 (保証料込み・固定金利) |
小学校、中学校、高校、短期大学、大学、大学院、各種専門学校の入学金、授業料(一年分)等、入学案内等に記載されている納入金額。 1ヶ月以上前にお支払済みの費用は対象外です。 |
損保ジャパン 《損保ジャパン》教育ローン【E300】 (保証料込み・固定金利) |
※表は筆者作成。イー・ローン 「入学金・授業料ローン一覧」から抜粋。2012年4月6日現在
【参考リンク】
「仕送り」にも使える教育ローン
学生生活が実際に始まってみると、想定していたよりも生活費がかかったり、授業の関係でアルバイトができなかったりと、親御さんに仕送りの増額をお子様が頼んでこられる場合もあることでしょう。
教育ローンには仕送りにも利用できるものがあります。イー・ローンの教育ローンの比較で、「資金使途」を「学生仕送り」にして検索すると、仕送りにも利用できる教育ローンをピックアップすることができます。これらのローンは、入学金や授業料だけでなく、下宿費用や仕送り資金、教材費等、借入目的の範囲が広めで、在学中にも利用することができます。
【参考リンク】
地方銀行や信用金庫など、地域密着型の金融機関での取り扱いが多いので、お住まいの都道府県も入力して検索すると、利用可能なローンを見つけやすくなります。また、金融機関との付き合い方(給与振込や公共料金口座引き落としの指定や住宅ローン、カードローン契約など)によって、優遇幅が変わってくる場合が多いので、金利優遇の条件欄は詳しくみておきましょう。
「必要な都度」利用できる教育ローン
在学中、必要な都度教育資金を借り入れたい場合には、教育ローンにも、「当座貸越タイプ」があります。「当座貸越タイプ」とは、カードローンのような仕組みで、借入期間中(在学中)は借入限度額まで必要な金額を何度でも借り入れることができます。在学中(当座貸越期間中)は利息返済のみ、随時返済可能、卒業後に分割返済というタイプもあり、借りやすく、在学中の利息負担を軽く抑えることができます(返済が先延ばしになった分だけ、総利息負担は大きくなります)。借り過ぎに注意する必要はありますが、計画的に利用すれば、在学中の教育資金のやりくりに便利に利用することができるでしょう。
教育ローンは「借り換え」も可能
また、多くの教育ローンは、借り換えにも利用することができます。現在の教育ローンの金利はかなりの低水準なので、以前高金利の教育ローンを借りて返済中の方は、借り換えによって利息負担を軽減できる可能性が高いでしょう。
【参考リンク】
返済方法や返済期間、手数料も選択のポイントに
なお、教育ローンを選ぶ際には、使いやすい仕組みであると同時に、返済しやすい仕組みであることも大切なポイントです。我が家にとって、いつ、どれくらい返済するのが一番無理や無駄がないのか、借りる前に検討し、返済プランにあった返済ができるタイプのローンを選びましょう。
たとえば、教育ローンには、在学中は元金据え置きで卒業後に返済が本格的にはじまる商品が多くあります。在学中は家計がかなり厳しいが、お子様の卒業後はかなりラクになるはず、というご家庭であれば、このような在学中の返済負担を抑えるタイプが向いているでしょう。教育ローンには、医学部などに対応して返済期間は最長15年程度のものもあり、長期間に少しずつ返済することができます。
しかし、お子様が卒業するころには親御さんは定年前後、収入も減少してしまうだろうと予想できるなら、少しずつでも在学中から返済してローン残高を早く減らしておきたいものです。返済期間が長いことよりも、手数料無料で繰り上げ返済できることが大きなメリットになってきます。
このように教育ローンにはさまざまなタイプがあり、「教育」の範疇であれば意外に広い用途で利用することができます。入学手続きなどが一段落し、今後の学生生活(費用)目途がついてきたら、早めに今後の教育費計画を立て、利用しやすい教育ローンをピックアップしておくと、心強いのではないでしょうか。