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第397回

教育資金を計画的に準備するには?

高2の息子、中2の娘がいます。このところの不況で夫の収入が減り、子どもたちが希望するとおりの進学資金の準備が難しくなってきました。家計を切り詰めるのも、私のパート収入を増やすのも、なかなか難しくて・・・。借金はなるべくしたくないのですが、教育ローンなどを考えるべきでしょうか。
むやみなローン利用は禁物ですが、教育資金の一部に教育ローンを利用して、無理なく、お子様の進路を応援することを検討されてはいかがでしょうか。

収入減でも、削りたくない「教育費」

「収入が減っても教育費は確保したい」と考えるNさんのようなご家庭は多いですよね。2010年10月に発表された「消費生活に関するパネル調査(公益財団法人:家計経済研究所)によると、「収入が減っても、子どものための支出は最優先、夫と妻はガマン」という実態が明らかになったそうです。2008年~2009年で夫の月収が前年に比べ5%以上減少した496世帯では、子どものための支出は平均で1,200円増の40,800円だった一方、夫のための支出は4,500円減の31,600円、妻のための支出は2,600円減の15,700円だったとのこと。
とはいえ教育費の負担は大きく、親が我慢をして家計を切り詰めても、乗り切るには難しい場合も多いでしょう。不況で夫の収入が減ったから、妻の収入を大幅に増やすというのも簡単なことではありません。
それでもお子様の希望する進路を応援したいのであれば、支出減、収入増の努力の次の手段として、奨学金や教育ローンの利用を検討されてはいかがでしょうか。

進路について話し合い、ライフプランを考えよう

人生には出費が重なって家計が苦しい時期と、支出が減ってラクになる時期があります。Nさんのお宅はまさに教育費負担が重く家計が苦しい時期にあたりますが、将来お子様お二人が無事学校を卒業され、就職して独立されれば、家計負担はラクになるはずですよね。そこで、教育ローン等で苦しい時期の家計を補い、お子様が独立して家計がラクになった時点で返済に力を注げば、教育費の大波を乗り切ることができるのではないでしょうか。
計画的な返済スケジュールを考えるには、支出の増える時期、減る時期をはっきりさせておくことが大切です。下記のようなライフプラン表をつくって、家族の年齢を書き込み、年齢に合わせてライフイベントを書き出し、予算も書き込んでいけば、おおまかに将来の支出時期や金額を把握することができます。

<ライフプラン表の例>
  西暦 太郎 花子 睦月 さつき イベント
今年 2011年 45歳 43歳 17歳 14歳  
1年後 2012年 46歳 44歳 18歳 15歳 睦月大学進学(150万円)
さつき高校進学(50万円)
2年後 2013年 47歳 45歳 19歳 16歳 睦月大学(100万円)
さつき高校(35万円)
3年後 2014年 48歳 46歳 20歳 17歳 睦月大学(100万円)
さつき高校(35万円)
4年後 2015年 49歳 47歳 21歳 18歳 睦月大学(100万円)
さつき大学進学(150万円)
5年後 2016年 50歳 48歳 22歳 19歳 睦月大学卒業・就職
さつき大学(100万円)
6年後 2017年 51歳 49歳 23歳 20歳  

*筆者にて作成

また、予算を書き込むには、イベント内容をはっきりさせる必要があります。教育資金の準備の際には、お子様の進学の意思を確かめ、その学校に進学した場合に学費はいくらかかるのか、自宅から通えるのか、アパート等で一人暮らしするなら仕送りはどれくらい必要かなど、具体的な情報を集めましょう。

ところで、お子様は、家計の苦しい状況をご存知でしょうか? 「子どもにはお金の心配をさせたくない」と思われる親御さんは多いのですが、何も知らずに進学し、いよいよお金が足りなくなって初めて知らされ、切り詰めた生活をすることになったり、退学せざるを得なくなったりすれば、よりお子様は苦しむことになるでしょう。また、家計の状況がわかっていれば、進路選択もその後の学校生活も、より真剣に取り組めるのではないかと思います。お子様も進学して一人暮らしをしたりすれば家計のやりくりに直面することになるのですから、親子で家計についても話し合うことは、お子様が社会に出て、すぐに役立つ経験になるのではないでしょうか。

教育ローンを比較検討して選ぶ

教育費の必要額と必要な時期がはっきりして、ローンを利用したい金額が決まってきたら、教育ローンを選びます。教育ローンには、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」や自治体による教育資金融資制度、民間金融機関による教育ローンがあります。イー・ローンのサイトへアクセスして、「資金使途」「借入金額」「借入期間」「居住地」を入力してあなたが利用可能なローンの候補を絞り込んでみましょう。
教育ローンのメリットには、まず、「低金利」が挙げられます。たとえば、クレジットカードでキャッシングした場合の実質年率は15%~18%程度ですが、イー・ローンのサイトでご相談者のNさんがお住まいの「千葉県」で利用できる教育ローンを検索すると最上位にくる「日立教育ローン」の実質年率は2.8%です。教育費捻出のために日常生活費が不足して、慌ててクレジットカードでキャッシングするよりは、計画的に教育ローンを利用したほうが有利な場合が多いでしょう。
また、教育ローンは、無担保ローンでも最長借入可能期間を長く設定することが可能で、ご家庭の事情に応じて毎月返済額を抑えることができるよう各金融機関で配慮がされています。在学中は利息のみ返済し、卒業後、元金と利息を支払っていく元金据置タイプのものもあります。在学中から元金と利息を返済していくのに比べると、総金利負担は重くなりますが、教育費負担の重い時期の家計のやりくりはラクになります。とにかく利息負担を減らしたいのか、一定期間の毎月返済額を低く抑えることを優先するのか、あらかじめ考えておきたいものです。

このように教育ローンを選ぶ際には、金利の高低だけでなく、返済方法や返済期間など家庭の条件に合わせて選ぶことが大切になります。また、実際に受験や進学の時期になると、費用の入金締め切りが次々にやってきて、じっくりローン商品を選ぶ余裕はなくなるでしょう。教育資金の準備にローンを利用する可能性があるなら、早めに条件を洗い出し、ローン商品を比較検討しておきましょう。さらに、必要な書類などもチェックして準備しておけば、受験期になって慌てないですみますね。

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2010年12月10日