第22回

不動産投資ローンで叶ったサラリーマン大家。育児休業も取れました

オーナーさんご夫婦は20代で不動産投資を開始。今では6室の区分マンションを所有し、毎月30万円以上の副収入を手にしています。

オーナーさんデータ
神奈川県 tnks_サラリーマン大家さん(ハンドルネーム)ご一家
家族構成:
夫(33歳・会社員)、妻(30歳・会社員)、子一人
世帯年収:
1,000~1,200万円
購入した物件:
東京都品川区の区分マンション(築6年)
延床面積と間取り:
約20m2・1K
購入価格:
約1,300万円
自己資金:
約300万円
利用ローン:
オリックス銀行(当時:オリックス信託銀行)「不動産投資ローン」
金利タイプ:
変動金利型
金利:
2.5%(2010年11月実行)
ローン借入金額:
約1,000万円
借入期間:
35年
毎月の返済金額:
約3.5万円

tnks_サラリーマン大家さん(以下tnksさん)が不動産投資を始めたきっかけは、手元の資金を有効活用したいと考えたことです。
tnks
発端は、2009年に神奈川県・川崎市に自宅マンションを購入したことです。当時は住宅ローン減税が10年間で最大500万円受けられたので、繰り上げ返済をすると、減税分も減ってしまいます。さらに、住宅ローンは超低金利が続いていますから、返済するよりその資金を何か運用に回した方が得なのではないかと考えました。
そこで目をつけたのが、不動産投資です。株や投資信託に比べ初期の投資額がかかりますが、堅実に利益が出せるのではないかと思い、夫婦でさまざまな説明会やセミナーに参加してひたすら知識を身に付け、良い物件がないか探し回っていました。
1年間にわたってさまざまな物件を見て回り、2010年に購入したのは東京都品川区の1Kの区分マンションでした。
tnks
最初は1棟丸ごと買うか、1室だけの区分にするか迷いましたが、動機が「大家で食べていく」のではなく「サラリーマンをしながら資金を有効活用する」という発想から来ているので、一棟物を買うほどのリスクを取る必要はなく、一発退場リスクをヘッジした方がいいかなと判断し、区分マンションにしました。
物件を選ぶ基準も、利回りの高さよりも堅実に稼げて売りたくなった時に買い手がつく物件を探しました。
最もこだわったのは物件のエリアで、賃貸需要の多い東京・城南地区で駅から徒歩5分圏内か、神奈川県のターミナル駅で徒歩10分圏内に限定。広さや設備なども、「1K限定」「バス・トイレ別」「外観タイル貼り」「室内洗濯機置き場」など条件を絞り込んで探しました。希望条件をA4の紙に書いて、不動産会社に渡していましたね。
それで見つけたのが、品川区の1Kの区分マンションです。東急沿線の最寄り駅から徒歩4分と近く、築6年と築浅。家賃は7万円台で、学生や若いサラリーマンにも需要があると思いました。価格が少し高かったのですが、値下げ交渉に成功し、納得して購入しました。

品川区の1Kマンションの室内。築6年で日当たりも良い

物件金額は約1,300万円。オリックス銀行の不動産投資ローンを利用しました。
tnks
いざお金を借りる段階になって実感したのは、区分マンション投資の場合メガバンクや大手地銀はお金を貸してくれないということ。区分は資産価値が低いので、リスキーだとみなされてしまうんですね。いろいろな視点で金融機関を探し、オリックス銀行から借りることができました。金利は2%台とまずまずの条件。数千万円抱えていた自分の家の住宅ローンもネックになるかと思っていましたが、それでも返済余力があると判断してもらえました。
1軒目は既に入居者がいる物件を購入。その後も目立ったトラブルもなく、定期的に家賃収入が得られるようになったそうです。
tnks
予想以上に何のトラブルもありませんでしたね。業者さんから、買値よりも高い値段で売って欲しいと言われることもよくあるので、見立て通り良い物件だったようです。家賃回収やメンテナンスなどの管理も管理会社にフルアウトソーシングしているので、手間なしに副収入が得られています。
1軒目の成功に手応えを感じ、tnksさんはさらに保有物件を増やしていきました。
tnks
2011年と2012年に区分マンションを1室ずつ購入しました。ひとつはバブル期に建った川崎駅から徒歩7分の1Kマンションで価格は約700万円。家賃は7万円弱です。もうひとつは横浜市のバブル期1Kマンション、私鉄の特急停車駅から徒歩3分の好立地で価格は約450万円。家賃は5万円弱です。横浜市の物件は現金で購入しました。これらも既に入居者がいる、または購入後すぐに入居者が決まり、やはり目立ったトラブルはありません。さらに家賃収入が入るようになりました。

3軒目の横浜市神奈川区の区分マンション。約450万円で購入

現金収入が増えたので、それを活かし2013年に神奈川県内に3室の区分マンションを購入しました。同じエリアに同じような物件を買うと、ポートフォリオが偏ってリスクになるので、あえて個性の違う物件を買っていきました。
現在は6室になりましたが、すべて満室です。今夏に1部屋だけ退去がありましたが、すぐに次の入居者が見つかりました。最近はワンルームや1Kマンションの空室が増えていると言われますが、今のところ問題ありません。やはり利回りよりも好立地で堅実に稼げる物件を優先したのが正解だったようです。

4軒目は横浜駅から徒歩圏内の区分マンションを約450万円で購入

5軒目は神奈川県厚木市。広めの1K

不動産投資によって、tnksさんは月30万円以上の収入を定期的に得ています。
tnks
区分マンション投資の場合は、一棟買いした時ほど家賃収入が増えませんが、数が増えてくれば徐々に収入も増えていきますし、空室や滞納リスクを分散させることで収入が安定します。さらに右肩上がりの黒字決算は銀行にも印象がよく、どんどん有利に資産を増やせるようになります。今では、3室のローンを低金利のものに借り換えました。
先日子供が生まれましたが、お金の心配は一切ありません。男性総合職ですが、会社に育児休業を申請してイクメンを満喫しています。
最後に、これから不動産投資を始めようとしている人へのメッセージをお聞きしました。
tnks
不動産収入のよい点は、不労所得ではないものの「少労所得」である点です。特に私は「少労」にこだわって手堅い区分投資を続けていますので、基本的には購入後はフルアウトソーシング。自分でやる仕事は通帳記帳と確定申告(節税対策)くらいのものです。本業が忙しいときでも、自分が寝込んでいるときでも、不動産は何も言わずに口座にお金を運んでくれます。
ただし、どの物件を買っても楽に稼げるとは限りません。重要なのは、利回りの高さよりも堅実に稼げる物件にこだわること。私は毎週末自分の足で探し回っていました。物件を探す「労」だけはいとわないことがポイントです。
ライターからのコメント。

不動産投資の時に利用する不動産投資ローンも、区分マンション投資に関してはシビア。メガバンクや大手地銀では借りられないこともありますが、信託銀行やノンバンクなどの選択肢もあります。金利や条件は金融機関によってまったく違うので、よく研究して借りる先を選びましょう。

※取材にご協力いただいたtnks_サラリーマン大家さんのホームページ「tnks_サラリーマン大家の不動産投資塾!!」(http://tnksfp.web.fc2.com/)

文、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン