第741回

ガソリン車がなくなる!?EV車時代の到来は近い!?

今、マイカー購入を検討しています。 環境のことを考えるとエコカーでしょうか? でも、ガソリン車に比べて値段が高いのでどうしようか考えています。 エコカーを買うと、何か特典はないのでしょうか?(H・Yさん 35歳 会社員)
EV車(電気自動車)を代表とするエコカーを購入すると、国から補助金がもらえる、税金が優遇される、維持費が安くなるなど、長い目で見るとガソリン車より安いかもしれません。 それに世界的な潮流はガソリン車廃止なので、日本もそれに追従する可能性が高いのでエコカーを選ぶのが賢明でしょう。

欧州を中心にEV車社会を作ろうとしている

ここ1~2か月で、フランス、ノルウェー、オランダ、ドイツなどの欧州を中心に、ガソリン車の販売を中止し、EV車の社会を作る方針が打ち出されています。 中国でも近く、似たような規制が導入されるとのことです。 日本でもその潮流に乗って近い将来、EV車社会を目指す可能性は十分にあります。

ガソリン車は、ガソリンをエンジンで燃焼させて車を走行させますが、EV車は電動モーターで走行させます。最大のメリットは、ガソリンを燃焼させないので、走行中に二酸化炭素や排ガスを輩出しないことです。 これにより、大気汚染や温暖化などの環境問題の解消に役立ちます。 また走行中の振動・騒音が小さくて静か、自宅で安価な夜間電力を充電できるので維持費が安くすむなどのメリットもあります。

ただEV車を含めたエコカーの購入価格は、ガソリン車と比べて高いと言われていて普及に時間がかかっています。そこで、国は補助金と税制優遇で普及を促進しようとしています。

補助金と税制優遇の内容とは?

補助金の名称は「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」です。 EV車やプラグインハイブリット自動車などの対象車を購入した人は、申請するとガソリン車との差額の2分の1以内の補助金がもらえます。

車を購入して保有していると税金がかかりますが、エコカーを購入すると税金の優遇が受けられます。 税金の種類は、購入時にかかる「自動車取得税(取得税)」、購入時と車検時にかかる「自動車重量税(重量税)」、毎年かかる「自動車税・軽自動車税」です。 取得税と重量税は「エコカー減税」で、取得税は非課税、重量税は免税になります。 中古で購入した場合は「中古車特例」で取得税が軽減されます。

現在の税制の適用期間は、新車・中古車ともに取得税は平成30年3月31日まで、重量税は平成30年4月30日までです。その後も内容は変わるかもしれませんが、継続する可能性があります。

自動車税・軽自動車税は、「グリーン特例」で排ガス性能及び燃費性能に優れた車は、その性能に応じて税金が軽減されます。 逆に、一定年数を経過した車は増税されます。

車を購入するなら、環境に優しくて国と金融機関の後押しがあるエコカーを選ばれてはいかがでしょうか。

またエコカーを自動車ローンで購入する場合は、金利を優遇してくれる金融機関が増えているので、利息負担も軽減されます。 エコカー用の商品導入やキャンペーン金利でエコカーの優遇幅を広げるなど、取り組みは様々です。 お借り入れする際は、ご自身にあった商品を探してみましょう。

【参考リンク】

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2017年09月04日