第1047回

カードローンは「臨時返済」を活用して早期完済を目指そう!

少しまとまった資金が必要になり、カードローンの利用を検討しています。有利な返済のしかたや注意点などを教えてください。(29歳 会社員)
カードローンの返済方法には、毎月決まった日に決まった金額を返済する「約定返済」と、任意の時期に任意の金額を返済できる「臨時返済」があります。臨時返済を上手に活用し、着実に返済していきましょう。

カードローンの返済方法

カードローンの返済方法には、大きく分けると「約定返済」と「臨時返済」の2種類があります。約定返済とは、契約時に定められた金額を毎月決まった日に返済する方法です。それとは別に、資金に余裕があるときなどに任意の金額を返済する方法を臨時返済といいます。金融機関によって、任意返済や繰上返済などと呼ぶ場合もあります。

カードローンの約定返済の方法として一般的な「残高スライドリボルビング方式」は、限度額の範囲内なら何度でも借り入れでき、あらかじめ取り決めた一定金額を毎月返済していく方式のことをいいます。ローン残高の増減に応じて返済額が段階的に変動する返済方式で、残高が減ると毎月の返済額も減少するため負担感は減りますが、返済が長期化しやすく、その分、利息総額も大きくなります。そこで、臨時返済を上手に使い、着実に返済を進めていくことが望ましいと言えます。

臨時返済のメリットと注意点

カードローンの臨時返済の最大のメリットは、返済額の全額が元金に充当されるため、利息軽減効果が大きい点です。また、元金が減るため、返済期間も短縮させることができます。

カードローンの返済が進み、約定返済の毎月返済額が少なくなった場合に、それまでの毎月返済額との差額を臨時返済にあてれば、大きな負担感なく返済を効率的に進めることができます。

ただし、臨時返済には手数料がかかる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。また、臨時返済をする場合でも、毎月の約定返済は別途必要です。臨時返済をしたために約定返済ができなくなってしまった場合、遅延損害金が発生したり、信用情報に傷がついたりするおそれがあります。そういったことのないよう、臨時返済の金額やタイミングをよく考えましょう。そして、臨時返済をするうえで最も重要なのは、無理のない範囲で行うことです。早く完済したいと臨時返済を焦り、生活資金や使途が決まっている資金が不足してしまっては本末転倒です。余裕資金をすべて返済にあててしまわずに、返済と並行して貯蓄をするクセをつけていきましょう。

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私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2023年10月02日