第1028回

カードローンの不正利用が心配。もしもの時はどうすればいい?

カードローンの利用を考えていますが、万一、不正利用の被害にあった時のことを考えると不安です。不正利用をされた場合、どのように対処すればいいか教えてください。(東京都・Tさん)
カードローンに限らず、キャッシュカード、クレジットカードを使った不正利用のリスクは常にあると考え、カードの管理をしっかり行うことが一番大切です。万一の場合は、カード会社、金融機関などへの届け出をすぐに行うようにしましょう。

紛失に気がついたら、カード会社、金融機関に連絡を、盗難の場合は警察にも届け出を

カードが入っている財布を落とした、盗難に遭ったなど、不正利用されてしまう原因はさまざまあるでしょう。紛失に気がついたら、すぐにカード会社、金融機関に連絡をしてください。契約しているカード会社や金融機関すべてに連絡をしなければならないため手間はかかりますが、不正利用を防ぐには一刻の猶予もありません。紛失の連絡については、多くのカード会社、金融機関では24時間対応をしていますので、気がついたらすぐに連絡することが重要です。

連絡をすればカード利用停止の手続きはされますが、盗難の可能性がある場合は、最寄りの交番や警察にも出向き、紛失届、盗難届、被害届のいずれかを提出しておきましょう。

不正利用された際の返済義務は、契約者の過失の有無による

紛失や盗難に気づくのが遅れ、既に不正利用をされてしまった場合でも、その時点で即座に連絡をすることが大事です。しかし、不正利用された原因によっては、カードの契約者が返済の義務を負う可能性もでてきます。

多くのカード会社、金融機関では、「不正利用による被害に対する補償方針」を出しており、その内容に沿った形で対応することとしています。

返済義務が発生するケースとして、

  • 暗証番号の管理が甘かった
  • 家族や同居人が利用した
  • カードに署名をしていなかった

などが挙げられます。

また、返済義務が発生しないケースとして、

  • カードを紛失、盗難された
  • カードをスキミングされた

などが挙げられます。

返済義務が発生するのは、契約者の過失が重大であった場合です。例えば、暗証番号を推測されやすい誕生日等に設定していたりすると、免許証も一緒に盗難にあった場合、簡単に不正利用ができてしまうため、契約者の重大な過失と考えられてしまいます。

また、不正利用の補償期間が、届け出をした日から60日以内(会社によっては30日以内)のカード利用分としているケースが多く、不正利用に気づくのが遅ければ、補償期間外となり返済の義務を負うことになります。

不要なカードは解約する、利用時以外は持ち歩かないなどの自衛手段も

盗難保険が付帯しているクレジットカードとは異なり、カードローンの場合は、盗難保険が付帯していません(クレジットカード機能付きを除く)。カードローンを利用する際は、そのカード会社、金融機関の不正利用の際の補償内容を確認しておくようにしましょう。

カードローンの場合は借り入れをする際に暗証番号が必要になりますから、暗証番号が他人に知られないように気を付けることが大切です。カードを持ち歩くことが不安であれば、スマホ認証が必要になるスマートフォンでの取引を検討してもいいでしょう。またカード型ではなく、銀行口座への振込の契約であればリスクを回避することができます。

いずれにしても、紛失や盗難のリスクは常にあることを認識し、借り入れで利用するとき以外は、財布、カバンに入れない、借入可能額を必要以上に大きな金額にしない、しばらく使っていないのであれば解約する、といった自衛手段も考えておくべきでしょう。

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伊藤 加奈子 (いとう かなこ)

ファイナンシャル・プランナー。

大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。

※執筆日:2023年05月23日