第857回

様々なサービスが登場!「オンラインレンディング」とは?

オンラインレンディングが増えているという報道を目にしましたが、どのようなものでしょうか。今後ビジネスローンは不要になりますか?(Uさん 個人事業主、38歳)
オンラインレンディングとは、近年増えてきたオンラインで審査・融資が完結するサービスです。ビジネスローンも含め、中小企業や個人事業主にとって選択肢が増えた形です。
豊田 眞弓
豊田 眞弓

オンラインレンディングとは?

オンラインレンディングとは、人工知能(AI)により融資モデルを作成し、借り手のクラウドデータなどを活用・分析することで、短時間で審査・融資実行ができるサービスのことです。融資申込みから審査などすべての手続きがオンラインで完結できます。そして保証人や担保が不要なケースが多いのも特徴です。米国や中国ではすでに定着しているサービスですが、日本でも近年、急速に増え始めています。

通常、銀行や日本政策金融公庫、自治体融資など従来型の融資は、財務諸表や事業計画書などの書類を提出してもらい与信審査を行います。そのため、融資実行までに数ヶ月かかります。小額資金が突発的に必要になることがある中小企業や個人事業主の場合は、従来型の融資では利用しにくかったのも事実です。オンラインレンディングは、そんなニーズに対応する形で進展してきた面もあります。

従来型の融資と比べた場合、オンラインレンディングのメリットは、審査回答時間が早く、短時間で借り入れが可能な点や、保証人や担保も不要なケースが多い点が挙げられます。一方、デメリットとしては、金利が高めに設定されている点です。

オンラインレンディング会社にとっては、与信審査にかかるコストが削減できる点が大きなメリットです。

米国・中国で先行した理由

オンラインレンディングは米国・中国が先行していると前述しましたが、最も早かったのは米国で、サービスが誕生したきっかけは2008年のリーマン・ショックです。余波で銀行が融資を縮小した際に、そのすき間を埋める形で誕生したのです。

一方、中国では、モバイル決済のサービスが一気に広がったことから、そのデータを活用する形でオンラインレンディングが広まりました。

近年、オンラインレンディングが広がってきた背景には、AIの進展やクラウドサービスの普及があります。特に、会計ソフトやモバイル決済をはじめ、クラウド上にデータを蓄積するサービスが広がったことで、データを与信に利用するオンラインレンディングが可能になったのです。

オンラインレンディングの与信

国内のオンラインレンディングサービスには、次のような様々な企業が乗り出しています。

〇銀行提携型:銀行がクラウド会計会社やネットショッピング企業と提携
〇銀行:中小企業事業者の自行との取引データを利用して審査
〇会計ソフト会社:会計ソフトの会社がクラウドデータを利用して審査
〇カード会社等:系列のネットショッピングサイト出店者の販売データで審査
〇オンラインレンディング会社:独自に構築したビックデータを活用し個人の与信を審査

それぞれ利用するデータは異なるものの、オンラインデータは利用者の生のデータで、リアルタイムに事業状況が反映されます。そうしたデータは改ざんのリスクも少ないことから、与信に活用されるのです。

オンラインレンディングかビジネスローンか

質問にもありましたが、オンラインレンディングが広がるとビジネスローンは不要になるのでしょうか。それはないと思われます。むしろ選択肢が広がったと考えていいのでは?

例えば特定の会計ソフトを使用している、特定の銀行を利用している、特定のネットショッピングサイトを利用しているなど、サービス会社によって条件があります。中には、利用可能になるまで一定のデータ収集期間が必要な場合もあります。融資を受けるデータが蓄積するまでの間、少額・短期の融資が必要になったときはビジネスローンも候補になります。

また、オンラインレンディングで出た金利や借入可能額と比べ、有利なビジネスローンがあるかもしれませんので、ぜひ、条件面を比較して有利な方を利用するようにしましょう。

【参考リンク】

担当:豊田 眞弓 (執筆:2020年01月20日)

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