第1130回NEW
中古の住宅を購入するなら確認したい「安心R住宅」とは?
- 住宅購入を検討しています。新築だと予算オーバーなので、中古の一戸建てを考えています。物件選びのときに注意すべきことを教えてください。また、住宅ローンを借りるときに中古だと金利が高くなるのでしょうか?(会社員・38歳)
- 中古物件を購入して、自分好みの間取りにリフォームすることが一般的になってきました。ただ、注意したいのは、建物本体の安全性や、目視で確認できない不具合がないかなど、十分なチェックは怠らないようにしましょう。国土交通省が推進している「安心R住宅」の表記がある物件を中心に探してみるのも、ひとつの方法です。
中古住宅選びの不安を安心に変える「安心R住宅」の仕組み
中古住宅に、「不安」、「汚い」、「わからない」といったマイナスのイメージを持っている人が少なくありません。こうしたマイナスの印象を払拭し、安心して購入できるための条件が整った住宅を「安心R住宅」といいます。
これは、2018年4月にスタートした制度で、国土交通省が定めた耐震性やインスペクション(建物状況調査など)をクリアし、リフォームなどについての情報提供が行われる中古住宅のみが該当し、国が商標登録したロゴマークを広告などにつけることができるようになりました。安心R住宅の認定は事業者団体(登録団体)が行いますが、厳格なルールに基づいて運用されています。
安心R住宅と認定されるには、主に3つの基準を満たす必要があります。
(1)不安なイメージを払拭する
1981年6月から施行されている新耐震基準などに適合していること。インスペクション(建物状況調査)を実施し、既存住宅売買瑕疵保険の検査基準を満たしていること。
新耐震基準前の住宅の場合は、リフォームの履歴や検査結果などによって基準に適合しているかチェックされます。またインスペクションを実施することで、専門家が建物の状況を調査し、構造上の問題がないかをチェックします。こうした基準を満たすことで、安心を得ることができます。
(2)汚いイメージを払拭する
リフォーム工事を実施している、もしくはリフォーム工事を実施していない場合は、費用も含めたリフォーム提案書が用意されていること。外装や内装、水回りの現在の写真が提示されること。
リフォーム工事についても、登録団体がリフォームの基準を定めており、必要な箇所を売主がリフォームすることとなっています。リフォーム提案書の場合は、購入者は、リフォーム会社を紹介してもらうことも可能ですし、提案どおりにリフォームしなくても問題ありません。
(3)わからないイメージを払拭する
広告掲載時には建築時の設計図書をはじめ、点検・修繕の記録など住宅に関する書類、情報の保管状況が示されること。さらに購入者の求めに応じて情報を開示すること。
マンションなどの共同住宅においては、修繕積立金の状況や大規模修繕の実施状況など、共有部分に関しての情報も必要になります。中古住宅選びの際に「わからない」ということがないように、さまざまな情報を提供することになっています。
「安心R住宅」のメリット・デメリットを理解する
「安心R住宅」のメリットとして、安心して生活するための基本的な品質が保証されていることが挙げられます。その他、既存住宅売買瑕疵保険に加入が可能となるため、万一、購入後に欠陥や不具合が発見された場合、補修費用などの保険金が支払われます。
また、安心R住宅であれば、住宅ローン控除の対象となり、2025年に住宅を購入した場合、2,000万円を借入限度額として、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大10年間控除することができます。
一方、デメリットとしては、該当する物件数が少ないということです。登録している事業者団体数が少なく、安心R住宅として認定を受けるためには、費用や時間がかかるためと言われています。住宅選びの選択肢が限られてしまううえ、早く売却が決まる傾向があり、タイミングが難しい側面もあるでしょう。
不動産仲介契約に関しては、専任媒介契約に限られているため、売主は1社にしか売却依頼ができません。そのため、買主側も一般媒介契約のように、複数の不動産会社が提示する価格を比較することができません。
認定された住宅であれば、フラット35の金利優遇がある
住宅ローンについては、基本的には新築でも中古でも金利や、審査内容に違いはありません。ただし、中古住宅の場合は、土地・建物の評価額(担保評価)が重要視されます。評価額によっては借入額が希望どおりにならないケースもありますので注意しましょう。
住宅金融支援機構の【フラット35】の場合は、維持保全型があり、安心R住宅を購入する際に利用すると、借入金利が0.25%(当初5年間)引き下げられます。
このように安心R住宅のメリット・デメリットを理解して、物件選びの一つに加えてみるといいでしょう。
【参考リンク】
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
※執筆日:2025年05月12日
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- 適用金利(年率)
- 0.660% ~ 0.680%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
- 別
- 保証料
- 無
- 団信料
- 込
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りそな銀行
- 適用金利(年率)
- 0.640% ~ 2.875%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
- 別
- 保証料
- 込
- 団信料
- 込
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常陽銀行
- 適用金利(年率)
- 0.950% ~ 2.875%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
- 別
- 保証料
- 別
- 団信料
- 込
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第4位横浜銀行
- 適用金利(年率)
- 0.650% ~
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
- 別
- 保証料
- 込
- 団信料
- 込
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第5位
- 適用金利(年率)
- 0.660% ~ 0.680%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
- 別
- 保証料
- 無
- 団信料
- 込
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第6位常陽銀行
- 適用金利(年率)
- 1.650%
- 金利体系
- 全期間固定(40年)
- 手数料
- 別
- 保証料
- 別
- 団信料
- 込
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第7位
- 適用金利(年率)
- 0.975%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
- 別
- 保証料
- 無
- 団信料
- 込
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第8位
【借換専用】SBI新生銀行『パワースマート住宅ローン変動金利(半年型)』
SBIマネープラザ- 適用金利(年率)
- 0.680%
- 金利体系
- 変動金利
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- 別
- 保証料
- 無
- 団信料
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第9位
- 適用金利(年率)
- 0.750% ~ 3.075%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
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- 保証料
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- 団信料
- 込
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第10位
【新規借入専用】SBI新生銀行『パワースマート住宅ローン変動金利(半年型)』
SBIマネープラザ- 適用金利(年率)
- 0.660% ~ 0.680%
- 金利体系
- 変動金利
- 手数料
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- 団信料
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