第53回

住宅ローンで叶ったデザイナーズハウス。買い替えて大正解でした。

大阪府在住の大野さんご夫婦は、10年前に購入した建売住宅を売却し、一から設計するデザイナーズハウスを購入。雰囲気と住み心地の良さに満足しているそうです。

オーナーさんデータ
大阪府 大野さん(仮名)ご一家
家族構成:
夫(39歳・会社経営)、妻(39歳・夫の会社に勤務)、子3人
購入時の世帯年収:
800~900万円
施工会社:
アトリエイマジン
延床面積:
160m2(5LDK)
購入価格:
8,500万円
自己資金:
2,000万円
利用ローン:
ジェイ・モーゲージバンク【JMBフラット35】S 
金利タイプ:
固定金利型
金利:
1.05%(※5年間のみ。6年目以降は1.35%。2016年12月実行)
ローン借入金額:
6,500万円
借入期間:
35年
毎月の返済額:
17万円

10年前に新築で購入した建売住宅に住んでいた大野さん。3人目の子供が生まれたのを機に、もっと広い家に移り住みたいと考えたそうです。
大野
元の家も4SLDKの広さだったのですが、子供たちがそれぞれ自分の部屋を持つとなると、将来は手狭になると感じ始めました。順調に繰り上げ返済もして、住宅ローンの残高も少なくなっていましたし、まだ30代なので、今ならより広い家にステップアップできるのではないかと考えたのです。
「今の家でいいのに」という妻を説得し、子供が今の学校に通える範囲で、土地探しをスタート。不動産屋ではなかなか見つからなかったので、毎週土日に自転車で道を1本1本探し回りました。すると、8カ月後近所の広い家が家具などの粗大ごみを大量に出しているのを発見。不動産屋さん経由でアプローチしてみると、土地を譲っていただけたのです。妥協せず粘った甲斐がありました。
どうせ住み替えるなら、かっこいい家に住みたい気持ちもあったので、洗練された家を建てているハウスメーカーや工務店20~30社に資料請求。そのなかから、アトリエイマジンさんという会社に決めました。決め手は、初回の打ち合わせ時に、デザインの良さに加えて、施主の隠れた思いを汲み取る姿勢が感じられたこと。建築家さんが過去に二世帯住宅を設計した時、「介護が必要な姑さんと介護するお嫁さんの微妙な距離感を感じ、お嫁さんからはいつでも見えるけど、姑さんからは見られている気がしないように、間取りや構造などを工夫した」という話に共感し、「ここならきめ細かい家づくりができる」と思ったのです。
建築家と打ち合わせを重ねた末、生まれたのが「ツナガル家」というコンセプトです。
大野
一から造るとなると、どうしてよいかわからなかったので、デザイナーさんに提案してもらいました。そこで提案されたのが、「ツナガル家」というコンセプトでした。
具体的には、「リビング棟」と「寝室棟」の二つの棟に分け、その間に中庭があるデザイン。その二棟を、「別の棟に行くためのタイムトンネル」ということで、2階にある廊下を兼ねた橋で“つながる”といった形です。
わざわざ、このようなデザインにしたのは、中庭を設けることで、日当たりや風通しが良くなるから。また、二棟とも窓を大きくとることで、どちらの棟にいても、別棟にいる家族の姿が見え、家族が“つながる”からということでした。そんな設計思想を聞いてすぐに気に入り、ぜひそんな家を作ってほしい、とお願いしました。
こうして、2016年12月に「ツナガル家」が完成。住んでみると、想像以上に住みやすく、快適に過ごせる空間でした。
大野
まず実感したのは、二つの棟のどの部屋にいても、中庭から光が差し込んできて明るいこと。風通しも良く、リビングや寝室に高千穂シラスという漆喰を塗ってもらったこともあってか、室内の空気がきれいに感じます。子供たちの咳もなくなったので、気のせいではないですね。
リビング棟の1階にあるダイニング。吹き抜けになっている上、窓が高く、開放感がある

リビング棟の1階にあるダイニング。吹き抜けになっている上、窓が高く、開放感がある

リビング棟の2階にも橋が。橋自体も格子状になっているため、光を取り込みやすい

リビング棟の2階にも橋が。橋自体も格子状になっているため、光を取り込みやすい

中庭そのものも開放感があって気に入っています。住み始めの時は、下が土だったのですが、人工芝を敷いたことで、より使い勝手が良くなりました。休日の昼間に中庭でランチをしたり、BBQをしたりして楽しんでいます。
「リビング」棟のキッチン。隣の棟にいる子供たちの様子がよく見える

「リビング」棟のキッチン。隣の棟にいる子供たちの様子がよく見える

中庭は家の外からは見えないプライベート空間。子供の遊び場にも、大人がくつろぐ場にもなる

中庭は家の外からは見えないプライベート空間。子供の遊び場にも、大人がくつろぐ場にもなる

また、外の音がまったく聞こえず、とても静かなことにも驚きました。木造でも、断熱材次第で、ここまで防音性を高められるんですね。
とにかく快適に過ごせる家なので、新居に引っ越してからは休日もあまり外出しないで、家の中で過ごすことが多くなりました。小学生の子供たちが家に友達を呼んでくることも増えました。妻は「支払いが増えた」と言っていますが(笑)、住み心地には満足しているようです。
「寝室」棟にある子供部屋は、広いワンルームで、将来3等分する予定。今はボルダリング用のウォールを設け、天井からロープを吊り下げて、ワイワイ遊べるつくりに

「寝室」棟にある子供部屋は、広いワンルームで、将来3等分する予定。今はボルダリング用のウォールを設け、天井からロープを吊り下げて、ワイワイ遊べるつくりに

二つの棟をつなぐ橋(廊下)。床の両端にライトを仕込むことで「別の棟にいくためのタイムトンネル」というコンセプトを表現

二つの棟をつなぐ橋(廊下)。床の両端にライトを仕込むことで「別の棟にいくためのタイムトンネル」というコンセプトを表現

住宅ローン借入額は6,500万円。ジェイ・モーゲージバンクの【JMBフラット35】Sを選びました。
大野
私は会社の経営者なので、銀行の変動金利や固定金利選択型などの金利タイプでは申込資格や借入条件で制限を受ける可能性もあるかと思い、長期固定金利型のフラット35に絞りました。ジェイ・モーゲージバンクに決めたのは、施工会社が提携していたこともありますが、1軒目の家の売却が確定していなくても、審査に通ったことです。おかげで、あせらず売却先を探すことができ、新居に引っ越すギリギリの時点での引き渡しでOKという売却先を見つけられました。住宅ローンの二重支払いが避けられる上、「新居ができる前に家を出て、仮住まいから新居に移る」という面倒がなくなり、助かりました。
最後に、デザイナーズハウスを建てたいと考えている人へのメッセージを伺いました。
大野
デザイナーズハウスというと、住み心地よりもデザインを重視されるのでは?というイメージもあったのですが、腕の良いデザイナーさんのいる施工会社に頼むと、土地の性格や家族構成などを考慮した、住む人の人生が変わる家を造ってもらえることを実感しました。多くの施工会社に資料請求をして、実際にデザイナーさんと会って話をじっくり聞けば、必ず良い会社に出会えるはずです。
ライターからのコメント。

大野さんは自宅の売却が確定する前に新居の住宅ローン審査を通すことでスムーズな引っ越しを実現させました。買い替えで住宅ローンを選ぶ際は、金融機関に買い替えのスケジュールなど要望を伝えて、どれだけ自分の都合に合わせてくれるか確認することも重要です。そのためにも、複数の金融機関のローンを比較検討してみることをおすすめします。

※今回ご協力いただいた大野さん(仮名)のブログ「中庭付きのデザイナーズハウスに住んでみて」のURLはこちら。
https://www.myhomedesign.club/

文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン