第42回

住宅ローンで叶った賃貸併用住宅。快適さと収益性を両立しました。

神奈川県在住の西野さんは、2016年3月に住宅ローンを利用して、賃貸併用住宅を建てました。建てた直後に、賃貸用の4つの部屋のうち3室が埋まり、安定した家賃収入を得ています。

オーナーさんデータ
東京都 西野さんご一家
家族構成:
夫・大士さん(38歳・自営業)、妻(33歳・主婦)、息子2人
購入当時の世帯年収:
500~700万円
購入した物件:
賃貸併用住宅(3階建て。1、2階が賃貸用・1R×1、1LDK×3。3階がオーナー住居・1LDK)
延床面積:
約210m2
購入価格:
約6,000万円
自己資金:
0万円
利用ローン:
スルガ銀行「HL夢舞台 個人事業主応援型」(※ゆうちょ銀行で借入)
金利タイプ:
変動型
金利:
3.475%
借入金額:
約6,000万円(2016年3月実行)
借入期間:
35年
毎月の返済額:
約25万円

賃貸併用住宅とは、一つの建物にオーナーが居住するためのスペースと、賃貸用のスペースが共存している住宅のこと。低金利の住宅ローンで家を購入できる上、家賃収入が得られるメリットがあります。この方法に西野さんは着目しました。
西野
「賃貸は後に何も残らないので家賃がもったいない」。夫婦で意見が一致し、自分たちの家を買おうと考えたのがそもそものきっかけです。
新築にこだわりは無かったので、中古も視野に入れながら、ポータルサイトなどで物件を探していると、たまたま2世帯アパートが売りに出ているのを発見し、「これで1世帯を貸し出せば住宅ローンをまかなえるのではないか」と思い立ちました。それを機に、不動産投資について調べ始め、最終的に「賃貸併用住宅を新築する」という結論に行きついたのです。
私は一級建築士で建築設計事務所を営んでいるので、賃貸併用住宅を建てるという経験は仕事の引き出しを広げることにもなると考えました。
2016年3月に完成。小田急線「本厚木駅」から徒歩8分の場所に、3階建ての鉄骨造の住宅を建てました。
西野
3階建てのうち、1、2階を賃貸用にしました。各フロア2室ずつで、1階は1R(約25m2)と1LDK(約30m2)、2階は1LDK(約30m2)が2室です。最上階を1LDKのオーナーズルームにしました。狭小な敷地でしたが、自分のスキルを活かしてデザイン性の高い住宅を造りました。

エントランスは、賃貸住宅であることを感じさせない

乗降客数が10万人を超す大きな駅の徒歩10分圏内ということで、都市型の住宅にしました。水廻りや共用部を極力減らし、リビングなどの居住スペースを大きくとることにこだわりましたね。

キッチンは使いやすさと省スペースの最適なバランスを追求した

洗面所はできるだけ省スペース化し、その分リビングなどを広くする設計に

狭小な敷地の建物ながら、居住スペースは充分な広さを確保

また、キッチンをオリジナルで作成したり、1階の1Rは部屋が狭い代わりにバイクガレージを付けるなど、他の物件にはないオリジナリティのある物件にしました。
このような工夫の甲斐もあり、すぐに借り手が見つかったそうです。
西野
建ててから4カ月、現在は4室中3室が入居中です。すべて法人契約となっているので、マナーの悪い入居者もいません。私自身も日常生活を快適に送っています。
ローン借入額は約6,000万円。ゆうちょ銀行が代理業者として媒介している、スルガ銀行の「HL夢舞台・個人事業主応援型」を選びました。
西野
このローンを選んだ理由は大きく二つあります。一つは、「他行のローンより賃貸併用住宅の賃貸部分を広くできること」です。他行の賃貸併用住宅向け住宅ローンは、居住部分が全体の1/2以上を占めていることを利用条件としている場合が多いですが、スルガ銀行の場合は居住部分が全体の1/3でも利用可能です。つまり、賃貸部分が全体の2/3も取れて収益部分が増やせるわけです。これは大きな魅力でした。
そしてもう一つは「個人事業主でも借りられること」。一般的に、私のような個人事業主は貸手側から見た属性が低くローンがなかなか借りられませんが、スルガ銀行は柔軟に対応してくれました。
結びに、これから賃貸併用住宅を建てることを検討している人へのメッセージをお聞きしました。
西野
毎月の家計の中で居住費はかなりの割合を占めますが、賃貸併用住宅にすれば家賃収入によって居住費の出費を抑えられます。実際に建ててみてそのメリットを実感しています。戸建てのマイホームを考えている方も、うまく設計すれば賃貸併用住宅でもプライバシーは確保できます。ぜひ皆さんも一歩踏み出して、家賃収入と快適な生活の両方を実現してください。
ライターからのコメント。

一般的に賃貸併用住宅でローンを借りるには、全体の1/2を居住部分が占めていることが必要ですが、スルガ銀行の「HL夢舞台」は、居住部分が全体の1/3でも利用可能です。このように、探してみると先入観をくつがえすようなローンが見つかるものです。住宅に限らず、さまざまなローンを借りる時には、より良い条件のものがないかどうか比較検討するようにしましょう。

※取材にご協力いただいたWINWIN建築設計のフェイスブックページは、 https://www.facebook.com/WinWinArchitec/

文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン