第1043回

これからの住宅のスタンダード!?「ZEH」とは?

注文住宅を検討中ですが、ZEH(ゼッチ)という基準を押さえておく必要があると知りました。どのようなものか概要を教えていただけますでしょうか。(Iさん 会社員 38歳 千葉県在住)
政府は「2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」ことを打ち出しています。マイホームを建てるにあたり、今後は「ZEH」についてしっかり押さえておく必要があります。

ZEHとは?

ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、太陽光発電や省エネ設備、高断熱の外壁などにより、生活で消費するエネルギーがおおむねゼロになっている住宅を指します。省エネ住宅の最上位がZEHと言えます。

日本は資源自給率が13%(資源エネルギー庁「エネルギー白書(2023年)」)と低く、政府は「2030年度以降の新築住宅にZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」、「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す」という目標(第6次エネルギー基本計画、2021年)に向けZEHの普及に向けた取り組みを行っています。

ZEHとして認められるには、地域に応じて設定された「強化外皮基準」を満たすほか、基準一次エネルギー消費量から20%以上の消費量を削減することが求められます。「強化外皮基準」を満たすには、地域区分ごとに設定された省エネルギー基準を満たしたうえで、床や外壁、屋根、開口部などから外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した「外皮平均熱貫流率」を所定の割合に保つ必要があります。

ZEHのメリット・デメリット

ZEHのメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

メリット

  • エネルギー使用量を抑えられ、光熱費が安くなる。太陽光発電で売電を行えば収入が得られる。
  • 高断熱の家は室温を一定に保ちやすく、快適な空間となる。冬場の風呂場でのヒートショックによる心筋梗塞等の事故を防ぐ効果もある。
  • 太陽光発電や蓄電池により、台風や地震等災害の発生時にも電気を使うことができる。
  • 条件に合えば補助金を利用できる。

一方、デメリットとしては以下のような点が挙げられます。

デメリット

  • 省エネ設備や創エネ設備を導入するため、初期費用が高い。
  • 吹き抜けはNG、屋根の形状が限られるなど、デザイン性が制限される場合がある。

住宅ローン減税はどうなる?

国交省の資料によると「2025年4月(予定)以降、原則全ての建築物について、省エネ基準への適合が義務化の予定」で、住宅ローン減税についても、省エネ性能の高い住宅へ誘導する狙いから、2024年以降は省エネ基準に適合しない「その他の住宅」は原則適用対象外となります。ZEH水準の省エネ住宅では、2023年の4,500万円から3,500万円に下がるものの、減税自体は継続されます。

【参考リンク】

私が書きました

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豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2023年09月04日