第1038回

急な出費、でも貯蓄は崩したくない。そんなときの選択肢にカードローン!

住宅購入のために住宅財形、子どもの進学資金のために学資保険と、将来への資金準備はしています。しかし、それ以外の貯蓄はあまりないので、急な冠婚葬祭などで手元の資金が少なくなり、慌てることもあります。急な出費に備えてカードローンの利用もいいかも、と思うのですが、利用する場合の注意点を教えてください。(佐賀県 Sさん)
急な出費に対応するなら、借入限度額の範囲内なら何度でもいくらでも借り入れできるカードローンは便利です。しかし、借り入れには利息負担が伴います。借りすぎに注意し、無理のない返済ができる範囲での利用にとどめましょう。今後は、急な出費に対応するための貯蓄も準備も始められるとよいでしょう。

貯蓄はある。でも、急な出費に対応できない?

住宅資金や教育資金、老後資金などはコツコツ準備中。でも、冠婚葬祭や病気、けがなどで急に資金が必要になったとき、「今現金化するのはもったいない」「目的のためにこの資金は確保しておきたい」と、貯蓄等を使うのは躊躇してしまう、という経験はありませんか?急な資金需要があるたびに、教育資金や住宅資金を引き出していると、目的を実現する資金はなかなか貯まりませんし、利用している金融商品によっては、すばやく現金化することが難しい場合もあります。

また、手元資金で支払って自由に使えるお金が少なくなると、次に何かあったときにどうしよう…と不安になることもあるでしょう。

住宅購入や教育といった目的のための貯蓄のほかに、「急な出費」に備えるための貯蓄(緊急予備資金)も準備しておければよいのですが、準備ができていないときに「急な出費」が必要になることもあります。そのような場合には、貯蓄を崩さず、カードローンなどの借り入れで乗り切る選択肢もあります。

限度額の範囲内ですばやく借り入れできる「カードローン」

カードローンは融資限度額内であれば繰り返し利用できるローンです。銀行などの金融機関や消費者金融、クレジットカード会社などで取り扱われています。資金用途を問わず、審査期間や借り入れまでの期間が短い(申込みから最短数十分という商品もある)ので、「急な出費」にも対応しやすいローン商品です。「初回申込から一定期間は無利息」というカードローンもあります。

カードローンの種類や発行会社によっても異なりますが、借り入れや返済の方法は、自社ATMや提携ATMの利用、口座振込・振替などから選ぶことができます。

カードローンのメリット
  • 利用限度額の範囲内であれば繰り返し借り入れできる
  • 資金使途が原則自由(事業資金以外)
  • 担保、保証人不要
  • 借り入れまでの期間が短い
  • 借入方法や返済方法の選択肢が多い

カードローンを利用する場合の注意点

このように「急な出費」にも対応しやすいカードローンですが、借り入れのため利息がかかります(無利息期間中のローンは除く)。借入金利は預貯金の金利などよりも高く、返済期間が長くなるほど総利息負担は重くなります。表1の例をみると、30万円を借り入れたとして、1年(12か月)で返済する場合と3年(36か月)で返済する場合では、返済総額に4.7万円の差がつくことが分かります。

表1:返済期間の違いと返済総額
借入額 金利 返済期間 毎月返済額 返済総額
30万円 14.5% 12か月 2.71万円 32.5万円
24か月 1.45万円 34.8万円
36か月 1.04万円 37.2万円

イー・ローン「カードローンのこだわり返済額シミュレーション」にて筆者試算

「貯蓄を崩す代わりに借り入れをする」なら、必要な金額かつ返済に無理のない金額の範囲内でローン利用をとどめておきましょう。「利用限度額の範囲内であれば繰り返し借り入れができる」ことはカードローンのメリットですが、便利だからと借りすぎてしまうとデメリットになってしまいます。必要な金額をなるべく低金利で借り入れ、短い期間で返済すれば、利息負担はより少なくなります。

さらに、返済期間中に家計に余裕ができたら、臨時返済(繰上返済)を行って返済を早く進め、利息負担をさらに減らすことも考えておくとよいですね。

このように、「急な出費」は、カードローンで乗り切ることも選択肢になります。金利や借り入れ、返済の方法などは商品によって異なるので、ご自身にとって有利・便利な商品を検討しておくとよいでしょう。

また同時に、いざというときに慌てなくてすむように、「急な出費」に対応するための緊急予備資金の準備も積立貯蓄等で進めておきましょう。

【参考リンク】

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大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2023年07月31日