第1013回

セカンドカーを所有するなら維持費を把握して無理のない計画を

夫婦でそれぞれ車を使用することが多く、1台では不便なため、セカンドカー購入を検討しています。どのような点に注意すればいいでしょう?(Kさん 会社員、35歳)
セカンドカーを購入すると維持費が2倍になり、マイカーローンを利用する場合はその返済も始まります。購入後の家計の変化を知って、無理のない計画を立てましょう。

セカンドカー購入後は維持費がほぼ倍に

セカンドカーを購入すると2台分の維持費がかかります。駐車場代、ガソリン代、保険料、税金(自動車税・重量税)、車検代などがかかり、家計に大きな影響を及ぼす可能性があるため、事前に大まかな費用などを把握し、無理がないかを確認したうえで購入を決定しましょう。1台目の車を基準にしながら、一度、費用を書き出してみるといいでしょう。

戸建でスペースがある場合などは、駐車場代はかからずに済みますが、賃貸駐車場の場合は毎月支払いが発生します。ガソリン代は車種(燃費)や走行距離で異なるため、事前に試算しておく必要があります。自動車保険については、多くの保険会社にセカンドカー割引があり、1台目の等級が一定以上であるなどの保険会社が指定する条件に合えば、2台目以降の自動車保険に割引が適用されます(スタートする等級が7等級からになるなど)。1台目で加入している保険会社の割引内容や条件を確認しておきましょう。

また、4月1日時点の所有者に対して課税される自動車税は、排気量や年式などによって金額が異なり、重量税は通常、新車登録時や車検時に次の車検までの分をまとめて支払います。車検代は、年数が長くなるほど費用が上昇する傾向にあるため、2台目が中古車などの場合は、余裕をもった見積もりをする必要があります。このほか、自動洗車機などを定期的に利用している方は、その費用も忘れずに書き出しておきましょう。

維持費を抑えるためには、2台目を軽自動車にするのも一つの方法です。

ローンを利用すれば、さらに固定費が増える

セカンドカー購入時にマイカーローンを利用すると、ローン返済分の支出が発生します。その場合、前述の維持費にマイカーローンの返済分が上乗せされます。1台目もマイカーローンを利用した場合は2台分の返済となり、金融機関でも複数借り入れとして審査が慎重になる可能性があります。

維持費+マイカーローン返済となる場合は、無理のない返済計画であるかより慎重に確認しましょう。共働きをするために2台目の車を購入する場合など収入の増加が期待できれば問題は少ないですが、家計に不安を感じる場合は2台目の購入を見送るべきかもしれません。不便さの解消だけを優先せず、家計への負担もよく考えて判断しましょう。

月々の支出額を把握し、家計にゆとりを残せる購入プランであることを確認したうえで2台目の購入を決めるようにしたいものです。

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豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2023年02月07日