第935回

車種選択の参考にマイカーローンの事前審査を活用しよう!

コロナ禍もあり車を買おうと思っていますが、車種やオプションなどがまだ絞り込めていません。予算決めの参考にするためマイカーローンの事前審査を受けることはできるでしょうか?(Kさん 会社員、30歳)
複数の金融機関で事前審査を受けて有利なローンを選んだり、あるいは事前審査を通ったローンの借入条件から車種やオプションを決定したりすることもできます。

複数の事前審査を受けて最も有利なものを選ぶ

Kさんは、車種やオプションが決まらない状態で、マイカーローンの事前審査を受けるかどうか、迷っていらっしゃるようですね。答えからいうと、そのような状態でも事前審査(仮審査)を受けることは可能です。逆に、事前審査を受けることで、予算に関する「答え」が出るかもしれません。

購入する車が確定すると、納車まで早いと1~2週間程度で、マイカーローンをじっくり比較する時間はとりにくいのが現実です。そのため、先に事前審査を受け、借りられる有利なマイカーローンを絞り込んでおくことの意味はあります。

金融機関によっては、マイカーローンの金利が「〇~〇%」と示されていることがあり、下限金利と上限金利ではかなり差があります。実際に利用する際にどれくらいの金利が適用になるのかは、審査を受けてみないとわかりません。また、借入可能額についても、事前審査を受けることで把握することができます。

複数のマイカーローンの事前審査を申込む際に気になるのは、複数の金融機関で事前審査を通った時に、あとから断るのが後ろめたいということではないでしょうか。その点は問題ありません。金融機関は事前審査後のキャンセルを認めていますし、キャンセルをしても費用はかかりません。

そのため、複数のマイカーローンの事前審査を受けて、その中で有利なものを選ぶことが可能です。ただし、比較の際には、金利だけでなく、保証料なども含めた支払総額を比較する必要があります。事前審査を通ったローンの条件がわかっていれば、ディーラーローンを勧められた時にもより有利な方を利用することができます。ひと手間余分にかかっても、メリットはあります。

事前審査の条件で予算を決定する方法も

一般的に、事前審査の結果は「3ヵ月間」など金融機関が定める期間中、有効です(金融機関で確認しましょう)。その期間に、最終的に最も有利なマイカーローンを選べばいいわけです。

Kさんのように車種やオプションで迷っている場合には、事前審査で利用できるマイカーローンの条件を見てから決める方法もあります。例えば、マイカーローンの毎月返済額を6万円程度と設定した場合(借入期間5年)、金利が4.0%か1.0%かによって、借入可能額に約26万円もの差が出ます。これは1つの例で、さらに金利差が大きくなるほど予算にも影響がでます。低金利で借りられるほど、借入可能額が上がることになり、車種やオプションの選択の幅を広げることができます(注:変動金利の場合、金利が変わる可能性があるが、5年間金利が変わらなかった場合で試算)。

金利が違うと返済額も変わる
月6万円程度、借入期間5年で借りられる額
マイカーローン1 マイカーローン2
金利(実質年率) 4.0% 1.0%
金利タイプ 変動金利 変動金利
借入期間 5年 5年
借入可能額 326万円 352万円

(上記は変動金利となっているが、金利が変わらなかった場合で試算)

【参考リンク】

なお、マイカーローンは「借りられるかどうか」以上に、「無理なく返せて家計への影響がないか」という視点が大事です。 車を購入する前に家計の点検も行い、資金計画に無理がないことも確認しておきましょう。

【参考リンク】

私が書きました

豊田 眞弓 の写真

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2021年07月27日