第885回
コロナにも負けない!教育資金をサポートする取り組み!
- 新型コロナの影響で収入が減ってしまいました。国の給付金も受け取りましたが、大学生の息子の学費の支払いが厳しい状況です。借り入れも検討していますが、何かいい方法はないでしょうか。(48歳 パート)
- 新型コロナウイルスの影響で学費の支払いが困難になった場合に対応する支援が次々と打ち出されています。返済不要なものや実質無利子で借りられるものもありますので、要件に合うものを探してみましょう。
学費の支払いに困ったら
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、経済的な不安を抱えるご家庭は少なくありません。それに対して国の給付金をはじめとするさまざまな支援策が用意されています。学費等の支払いが困難になった場合に対応する支援策を確認してみましょう。
大学によっては特例として学費の分納や延納を可能としているところがあります。また、大学独自の奨学金について要件の緩和、貸与額の上乗せ、追加募集などの対応をしている大学もありますので、まずは在学している大学のホームページなどで確認してみましょう。
日本学生支援機構では、コロナにより家計が急変した学生に対して、急変後の所得の見込みにより要件を満たす場合には支援の対象とし、申込みも随時とするなどの対応を取っています。また、学費等を賄うためのアルバイト収入が激減し、緊急に奨学金貸与の必要が生じた学生・生徒に対応し、有利子奨学金制度を活用しつつ、利子分を国が補填し、実質無利子とする「緊急特別無利子貸与型奨学金」も創設されています(令和3年3月末まで)。
横浜銀行の教育資金応援ローン
地方自治体による支援も行われています。神奈川県では学生生活継続のための支援として大学生等への無利子融資をおこなうための利子補給事業を実施しています。これは、県と県内金融機関が連携し、教育ローンを実質無利子で利用できる制度です。
横浜銀行の「教育資金応援ローン」の商品概要を見てみましょう。
名称 | 教育資金応援ローン(新型コロナウイルス緊急対策制度) |
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対象 | 神奈川県に居住し、以下の教育機関に在籍する学生を子にもつ方 大学(専攻科、別科および大学院含む)、短期大学(専攻科、別科含む)、高等専門学校(第4学年、第5学年および専攻科に限る)、専門学校(専修学校(上級学科を含む専門課程)) |
借入方法 | 一括借入型 |
借入可能額 | 10万円以上50万円以内 |
金利 | 年1.7%(変動) 借入全期間にわたり、神奈川県より年1.7%を上限とした利子補給が受けられる |
借入期間 | 2年以上10年以内(一律で1年間元金据え置き) |
申込方法 | WEBで完結 |
資金の使いみちは授業料など教育機関への納付金の他、下宿などの住居費用、教科書代・学習用品費・通学費用などの就学に関わる諸費用なども対象です。金利は年1.7%の変動金利で、県から年上限1.7%の利子補給を受けられるため、実質金利負担は0となっています。
ただし、この商品は変動金利のため、今後の金利変動により契約金利が1.7%を超える場合、超過部分については実質的な金利負担が発生します。また、無利子で借りられるのではなく、毎年4月〜翌年3月までに支払った利子相当額が、翌4月に返済指定口座に入金されるという仕組みになっているため、返済時にはいったん利子分を含めた金額を返済する必要があるという点は覚えておきましょう。
世の中が急変し先行きが不透明な状況ですが、使える制度や商品をうまく活用するとともに家計の見直しをして、お子さんの就学を応援してあげましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。
大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。
※執筆日:2020年08月04日