第664回

マイナス金利の影響が住宅ローンにも!金利が下がった金融機関はどこ!?

そろそろマイホームの買いドキかなと思っています。マイナス金利が導入されたそうですが、住宅ローンにどう影響するのでしょう?(D・Fさん 35歳 会社員)
2月16日、日本で初めてのマイナス金利政策がスタートしました。その影響が住宅ローンにも波及し始め、金利を下げる金融機関が続々と現れています。マイホーム購入や住宅ローンの借り換えを検討している人は、金利を引き下げた金融機関に注目しましょう。

住宅ローン金利を引き下げる金融機関が続々と現れている!

2月16日、日本銀行のマイナス金利政策がスタートしたことによって、金融機関間で1日だけお金を融通し合う無担保コール翌日物の金利が0%~マイナスになりました。短期金利の低下に引きずられて長期金利も低下しました。長期金利の指標となる10年物国債の利回りは、マイナス金利政策の発表前は0.2%前後で推移していましたが、一時はマイナスまで急低下、その後、持ち直したものの2月19日現在で0.005%と低水準です。

金利の低下は、預入金利にも貸出金利にも影響を与えます。預入金利は普通預金も含めて下げる金融機関が相次ぎましたが、貸出の代表である住宅ローン金利も下げる方向での見直しを行う金融機関が続々と現れています。

住宅ローン金利には、変動金利と固定金利があります。変動金利は、一般的に日本銀行の政策金利(当座預金の金利)を元にした、金融機関間で1年以内の短期で貸し出すときの最優遇金利(短期プライムレート=短プラ)を参考に決められます。ですから、マイナス金利の影響は、変動金利にダイレクトに現れます。しかし、変動金利は1月に引き下げた銀行が多く、現状ではさらに引き下げるかは未知数です。

一方、固定金利は一般的に10年物国債の利回りを参考に決められ、利回りの急低下を受けて、固定金利の引き下げに動く金融機関が続々と現れています。いち早く動いた金融機関の1つに、横浜銀行があります。横浜銀行の例を見てみましょう。

固定金利の動きに注目

横浜銀行の住宅ローンでは固定金利を2月に続いて、3月も見直しを行いました。

固定金利指定型の最下限金利は、3年が年0.625%、5年が年0.675%、10年が年0.725%と、1月に比べて年0.1%~0.15%引き下げています。

また、新規借り入れ(新築・購入)、借り換えにかかわらず、変動金利型、固定金利指定型(3年・5年・10年)の金利タイプは、返済終了時まで全期間にわたって、店頭表示金利から金利を差し引くプランを実施中です。

金利差し引き幅は審査結果により決定しますが、3月からはこの差し引き幅も年0.125%拡大し、最大で年1.875%差し引く金利プランとなっている点も注目です。

この住宅ローン金利競争の動きは地方銀行でも加速しており、3月には埼玉県を中心とする武蔵野銀行が10年固定金利選択型の最下限金利を年0.8%に引き下げ、関西を中心とする池田泉州銀行では同じく10年固定金利選択型の最下限金利を年0.8%に引き下げています。

今後、多くの金融機関が固定金利の見直しを行う可能性もありますので、情報をキャッチアップするといいでしょう。また、変動金利の場合、さらに安い金利も存在しますので、自分の返済計画に合った金利タイプを選びましょう。

(情報は2016.3.9時点)

ご存知の方も多いと思いますが、住宅ローンは、実行時の金利が適用されます。ですから、低金利のうちに検討・行動することが大切です。

そろそろマイホームを購入しようと考えている方、借り換えた方がいいかを知りたい方は、早めに動いたほうがいいでしょう。とはいえ、平日は仕事で時間が取れないという方もいらっしゃいます。そのような方は、休日も住宅ローンの相談を実施している金融機関を利用してはいかがでしょう。

相談に行けない方は、インターネット上での返済シミュレーションや、カンタン事前審査も提供していますので、各金融機関のホームページで下調べを始めましょう。

【参考リンク】

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2016年03月09日