第637回

夏休みに出費がかさんだ方必見!今すぐ実行できる家計の立て直し方法は?

夏休みに北海道へ家族旅行をしたほか、近場でのレジャーや外食に予想以上にお金を使ってしまいました。9月からは家計を引き締めようと妻と相談しています。具体的に、どのように家計を立て直したらよいか教えてください。(Tさん 38歳 会社員)
楽しい夏休みを過ごされたようですね。ちょっとした心がけでできる節約や、一度の見直しでずっと節約効果が続く方法を取り入れると、効率的に家計を立て直すことができます。秋からは気持ちを引き締めて、貯まる家計を目指しましょう。

まずは支出削減効果の高い固定費の見直しを

家計見直しの第一歩は固定費の見直しです。一度見直せば節約効果はずっと続きますし、1ヶ月あたりでは節約効果が少なくても、年間を通してみると大きな金額になることもあります。

代表的なものが保険の見直しですが、最近は若い世代を中心に、ネットで加入したり、来店型の保険ショップで比較検討したりして、すでに保険料を削減している方も多く見られます。総務省の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の保険料(企業年金・個人年金以外)は、10年前と比べると1か月あたり1万円以上も減っていることがわかります(下図参照)。

住宅ローンを組んでいる方は、住宅ローンの借り換えも検討できます。過去に契約した住宅ローンの金利水準や金利タイプ、返済方式、付帯サービスなど新しい住宅ローンに借り換えることによって、毎月の返済額や総返済額が軽減される場合もあります。

逆に支出が増えてきているのがスマホ料金に代表される通信費です。子どもを含め家族それぞれが携帯やスマホを持つようになり、通信費が2~3万円かかる家庭も珍しくありません。可能であれば、通信料金が安い MVNO(仮想移動体通信事業者)の格安スマホに乗り換える方法もあります。通信料は大手キャリアと比較すると半分以下となり節約効果は大きいので、うまく利用していきましょう。

2人以上の勤労者世帯の1か月の通信費・保険料*推移

* 企業年金・個人年金以外
出典:総務省「家計調査(家計収支編)時系列データ」より筆者作成

【参考リンク】

ファミリー向けの対策!光熱費、食費の節約を簡単に行う方法

固定費の見直しができたら日々の生活費の見直しに着手します。しかし、我慢する節約はストレスも溜まりますし、長続きしない方が多いかもしれません。今すぐ簡単にできる方法を取り入れましょう。

ファミリーが多い場合は、意外と水道光熱費がかかるものです。東京電力の「でんき家計簿」に登録すると、電気の消費量や料金の推移がわかるだけでなく、他の似たような家庭との使用料比較や、家庭に合った電気プラン、省エネアドバイスも見ることができます。他の電力会社でも似たようなサービスを行っていますのでチェックしてみましょう。ちょっとした競争意識も手伝って電気代の節約が楽しくなりそうです。電気の消費量が一番多いのは冷蔵庫だと言われています。暑い夏を超えたところで冷蔵庫の設定温度を少し控えめにしましょう。エアコンのフィルター掃除も効果的です。洗濯もすすぎ1回にすれば水道料と時間の節約になります。

食費の節約については、安売りにつられて余計なものを買わないよう、買物の回数を減らすのが効果的です。また、ネットスーパーを利用すると、在庫もチェックできるので無駄な買い物をすることがありませんし、買い物しながら合計金額もチェックでき、予算を守るのも簡単です。

【参考リンク】

シングルの対策は楽しみながら継続できる方法を!

シングルで一人暮らしの場合、一番お金がかかるのは住居費ではないでしょうか。可能ならば家賃の安い所に引っ越すと節約効果は大きいでしょう。その他、携帯やスマホ料金の見直しなどで固定費を削減しましょう。

生活費では、外食やレジャー費を削れば大きな節約になりますが、楽しみも減ってしまいます。趣味や付き合いのお金を削りたくないという方は、普段の行動を見直してみましょう。毎日のコンビニでの買い物や衝動買いで、ついお金を使いすぎていませんか? 価格の安いスーパーを利用すれば、自然と食費を減らす効果がありますし、スマホアプリなどを利用して不用品を売るのも、部屋も片付き一石二鳥でおススメです。自分に合った方法を見つけて楽しみながら続けるのがコツです。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 の写真

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2015年08月24日