第345回

減税プラス補助金を活用してマイカー購入!

来年の夏に子どもが生まれるのを機にマイカーの買い換えを検討しています。エコカーにすると減税や補助金が受けられるようですが、何か気をつける点はありますか?(Aさん 30歳 会社員)
「エコカー減税」に続き「補助金」が受けられるようになり、マイカーが購入しやすくなりました。「補助金」は2010年3月末までの期間限定の制度でしたが、2010年秋までの期間延長が検討されています(2009年12月1日現在)。ただし、制度を有効活用することも大切ですが、ご家族が増えるということで家計も変化していきますので、ご自身の家計に合わせてマイカーの買い替えを考えましょう。

いくら補助金が受け取れる?

補助金には2つあります。ひとつが古い車を廃車にして、エコカーを新規購入する場合。もうひとつがエコカーの新規購入のみの場合です。買い換えなら普通乗用車で25万円、軽自動車で12.5万円の補助金が受けられます。また、購入のみは普通自動車で10万円、軽自動車で5万円です。

補助金の要件と補助される金額
要件 対象車* 補助金額
普通自動車 軽自動車
買い替え
古い車:
最初の登録から13年超
購入車:
燃費性能が平成22年度燃費基準を達成しているもの
25万円 12.5万円
購入のみ
購入車:
排気ガス性能4★、
かつ、燃費性能が平成22年度燃費基準+15%以上
10万円 5万円
* 対象車についてはわかりやすいようにステッカーが貼られています

 当初の予定では2010年3月末までの制度で、補助金の予算が無くなり次第終了ということでしたが、6カ月程度の延長が検討されています。ただし、12月1日現在まだ確定はしておらず、これから臨時国会で審議されますので、その動向に注目したいところです。新聞やテレビのニュース、販売店に聞くなどして最新の情報を得るようにしましょう。

補助金を受けるときに気をつけることは?

では、補助金はどのように受けられるのでしょうか? 実際の手続きとしては、マイカー購入時に値引きのような形で受けられるわけではありません。販売店を通じて書類の申請が必要になり、補助金の交付を受けるまでは数週間程度が予定されています。申請が集中すると、それだけ時間もかかるようです。補助金は直接ご自身の金融機関口座に振り込まれますが、それまでの間の資金計画をしっかり立てておくことが大切です。

また、古い車を廃車する時期や新車を購入する時期についても、販売店に確認するなどして対象外とならないように気をつけましょう。特に軽自動車は初年度年月日が特定できないものが存在するようです。その場合、車検証の交付日や軽自動車税の申告書など、確認できるものが必要になります。申請に必要な資料を確認し、いざとなってから慌てないよう早めに準備しておきましょう。さらに購入後は1年以上使用することも条件となっており、違反すると補助金を返納しなければいけません。
このように細かな取り決めがありますので、車種選択だけでなく、段取りについても販売店に確認しながら進めていきましょう。

今後の家計の変化を想定し、慎重に検討を!

補助金や減税(詳しくはFPからのアドバイス第306回、第316回をご参照ください)は、マイカーの購入を検討していた人にとっては、大きなメリットです。

ただし、マイカーは大きな固定支出となり、家計を圧迫する可能性があります。購入するときにその資金が必要になるのはもちろんのこと、購入後も自動車保険や税金、車検などの維持費のほか、駐車場を借りる場合にはその費用もかなりの負担になります。

Aさんのようにこれから家族が増え、家計が大きく変化するときには、これまで想定していなかった支出が必要になってくることもあるでしょう。そのため、今後どのように家計が変化するのかをご家族で話し合い、このタイミングでのマイカーの買い替えが自分にとって適当なのかを改めて考えてみることが大切です。

小さなお子さんがいる場合、特にマイカーがあると便利ですが、最近ではレンタカーやカーシェアリングを利用する人も増えてきました。このような選択肢もありますので、ぜひこの機会に家計を見直し、マイカーについても検討してみてください。

私が書きました

中森 順子 (なかもり じゅんこ)

ファイナンシャル・プランナー。

プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。

※執筆日:2009年12月03日