第258回

不動産担保のビジネスローン、その特徴や選び方は?

事業拡大のため、まとまった運転資金が必要になりました。不動産を担保にしたローンがあると聞きましたが、どのようなローンなのでしょうか?(福岡市 Kさん)
事業が順調なようで、何よりです。所有する不動産を担保に、資金を借り入れる不動産担保ローンは、無担保のローンに比べて、一般的に金利が低く、大きな資金の借入も可能です。また、借入期間を長く設定できるローンもありますので、事業計画に沿って探されるといいでしょう。

長期で大きな資金が借りられる不動産担保ローン

担保とする不動産の価値や地域よって、借入できる金額が異なりますが、上限として数億円まで借りることも可能です。一般的には、担保物件が地方都市よりも大都市圏にある方が借りやすいようですが、地方都市でも借りられる会社がありますので、探してみましょう。借入期間は、一般的なビジネスローンが5年程度なのに比べて、15年~30年と長期で借入が可能なローンもあります。
また、ビジネスローンといっても、資金の用途を、事業用運転資金や設備投資などに限っているもの、または不動産事業者に対して、不動産の購入資金や落札資金、建設資金に対して融資されるもの、もしくは全く用途を限定しないものまで、さまざまです。

手数料も比較しよう

 ローンには、融資金額に対して2%~3%台の事務手数料がかかります。また、不動産を調査・鑑定するための費用が、融資金額の0.5%程度、または1件10~15万円程度の費用が発生します。また、その他、登記費用や印紙代などが実費でかかる場合も。その他、地方の不動産を鑑定してもらう場合は、交通費などの実費がかかってくる場合もありますので、ローン選びの際には、事前にチェックしておくといいでしょう。その他、返済開始後、臨時の返済や一括返済にも、返済元金の2%~3%程度の違約金が発生します。

このような手数料の比較にも、イー・ローンのサイト「イー・ローン モンスターナビ」を活用すると便利です。>

特徴のあるローン

いくつかの特徴のあるローンを紹介します。
金利は固定がいいと思われる人には、比較的低い固定金利で借りられる アサックスクレディセゾン。いくつかのローンをまとめたいので、用途が自由なローンがいいと考えられる人には、 ヴィンテージセムコーポレーション。とにかくすぐに資金が必要な人には、審査期間が1日程度と短く、来店不要な ヴィンテージなどがあります。ご自身のニーズに合わせて、条件を比較しながら探されるといいでしょう。

万一、返済できなくなってしまった場合は、その不動産を売却し、売却代金を返済に充てることになります。 不動産の価値が下がり、残債よりも減ってしまった場合は、その不足分も返済していかなればなりません。 もしも、個人の自宅を担保にした場合は、それをも失う可能性があることを頭に入れ、しっかりと事業計画、返済計画を立てておくことが大切です。

私が書きました

田辺 南香 (たなべ みか)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

上智大学卒業後、情報出版会社に入社。求人・旅行・自動車など数々の情報誌の社内ITコンサルタントとして、課題解決のためのプロジェクトを多く経験。退職後、その経験を個人のライフプランの実現に役立てたいとFPとして独立。現在は、資産運用、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆、セミナー講師などを中心に活動中。

※執筆日:2008年03月24日