第152回

住宅ローンの借換えメリットがないと金融機関で言われましたが、本当?

3年前に3年固定1.5%で借り入れた住宅ローンの金利がそろそろ変更になります。残高はまだ3,020万円、期間も25年残っているし、金利もあがりそうなので、借換えしたいと金融機関に相談に行ったところ、「メリットがないからやめたほうがいい」と言われました。本当にそうなのでしょうか?ちなみに子供は小学5年が一人で今後の教育費負担も心配です。(40歳、会社員Aさん)

「金利上昇に備えたいなら、現時点の借換えに十分メリットがでてくるでしょう」

Aさんの住宅ローンは、元利均等返済方式で、当初3年間金利1.5%で毎月返済額が約12万円とのことですが、このまま継続していても店頭金利から金利優遇を受けられない商品のようです。現在3年固定の店頭金利は2.45%なので、そのまま適用されると約13万5千円へと毎月返済額はアップします。景気回復によって将来的に金利上昇の可能性もでてきました。残り期間がまだ25年あるので、今後、金利が3%、4%と上昇していくと毎月返済はそれだけアップしていくことになります。

過去20年間の住宅ローンの金利が平均4.5%だったことを思うと、今後長期的には4~5%程度まで金利が上がる可能性はあると思います。仮に以下のように今後金利が徐々にアップしていくと、毎月返済額は13万円台から15万円台になることも考えられます。

・4年目以降、金利3%なら約14万2千円

・7年目以降、金利4%なら約15万5千円

(上記金利が適用された際の残債をもとに試算)

Aさんのように教育費の負担を心配している場合は、将来、住宅ローンと学費で家計が苦しくならないように、今のうちに金利上昇リスクに対する対策をしておくことが重要です。そのためには、仮に毎月返済額が今より多少アップしたとしても、少しでも有利な金利で長く固定できるローンへの借換えはとても効果的です。

● 仮に2月中の借換えが実現すると…

現在、各銀行は様々な住宅ローンキャンペーンをしているので、いくつかピックアップしてみました。

例えば、残高3,020万円を期間25年で借換えた場合

((A)、(B)ともボーナス返済なし)

(A)住友信託銀行の25年固定2.68%を選択すると、今後はずっと毎月13万8,236円の返済額。金利上昇によるリスクを避けることができます。保証料や事務手数料を含めてトータルの負担は約4,202万円。

(B).SBIモーゲージのグッド住宅ローンで25年、金利2.65%を選択すると、毎月返済額は今後13万7,775円に固定できます。保証料はゼロで、今なら事務手数料が半額の2.1%(融資額に対して)なので、元利金と手数料を含めたトータルの負担は約4,194万円。

このように毎月の返済額を安定させられるとともに、手数料などを含めたトータルの負担を比較しても、金利上昇リスクを抱えた借換え前の場合より、数百万円も軽くなる可能性があるのです。

なお、金利キャンペーンは住友信託銀行のほか、ソニー銀行など多くで行っており、イーローンの一覧表で確認ができます。ローンシミュレーションもできます。

一覧表はこちら

ローンシミュレーションはこちら

また、SBIモーゲージのグッド住宅ローンは、SBIモーゲージ・コンサルティングで借換え相談を受け付けています。 SBIモーゲージ・コンサルティングのHPはこちら

このように、借換えの目的をしっかり整理すれば、毎月返済額や総返済額を試算することで借換えのメリットを確認することができます。まずは、何が不安なのか、どうしたら安心できるのかを考えてみることが、解決の手立ての第1歩です。

私が書きました

吹田 朝子 (すいた ともこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、企業福祉管理士。

1989年一橋大学卒業後、生命保険会社に入社し、企画・予算管理を経て1994年に独立。TV「発掘!あるある大事典」「株式ワイドオープニングベル」などにも出演。「ステキなマネープランニング(ハルアンドアーク出版)」など著書多数。相談業務、セミナーなどでも活動中。

※執筆日:2006年02月01日