第6回

オール電化の一軒家を、たっぷり堪能してみた(後編)

オール電化を1泊2日でお試しかっ!

一戸建てマイホームに憧れを抱いていた私。

だが、嫁さんの「マンションのほうがいいに決まっているでしょ!」の一言に押し切られ、その夢は無残にも散っていた。そしてローンを抱えて買ったのは郊外のマンション。そこで原稿を書いたり、嫁さんに怒られたり、嫁さんのために料理をしたり、という日々を過ごしているわけだ。

男はつらいよ……。
いや、つらいのはオレだけか。

しかし、捨てる神あれば拾う神あり。日頃の行いのよさが功を奏し、「オール電化の一戸建てモデルハウスに宿泊体験してみませんか?」と朗報が。そこで東京・八王子のパナホームの最新エコ住宅に泊まらせていただくこととなり、その素晴らしさを一時ばかり体感してみた、というわけだ。

「再び素晴らしいマイホーム(今日だけ)をご覧あれ!」
ダダン。あらためて、私が宿泊体験したのは、こちらです。それにしても空までパナソニック色ですよ。

前回は、あまりの広さに1階しか見て回れなかったので、今回は2階に足を踏み入れてみることにした。階段を上がると、部屋が3つ。2つは子供部屋、もう1つは寝室になっている。

まず子供部屋を覗いてみる。

「パパ~! くまのパディントン、おもしろいよ!!」
勉強机とベッドが配置され、コンパクトでいい。というか、展示してあった『くまのパディントン』を読みふけってしまいました。

そういえば、今回このモデルハウスを案内してくれたパナホームの鈴木 剛さんいわく「当社の住宅は鉄骨構造。お子さんが2階でドンドン騒いでも、階下に音が響きにくいです」と防音性能の高さを自慢していた。

口頭でそう説明されても実感は湧かないものだが、今回のモデルハウス宿泊では防音性能も体感できるのが利点である。

「というわけで、騒いでみました」
隣の子供部屋で防音性能を試してみました。もっとも、クッションを投げているだけの画でごめん。ドンドンと足を踏み鳴らしたんだけど、写真を撮り忘れてしまいました…(編集者Hが)。

さて、子供部屋で遊んでいたらお腹が減ってきた。寝室を覗くのは後にして、1階に下りて夕飯を作ることにした。

実はこれも今回の宿泊体験の楽しみのひとつだった。

オール電化なので、キッチンには「IHクッキングヒーター」を完備。電気を使って料理するわけだ。我が家にはこんな最新設備はもちろん無い。IHクッキング初体験である。

「IHのスイッチはこんな感じ」
ピッと押すだけの動作が新鮮です。温度調整ができるのも、電気ならではのメリットですね。

スイッチを入れるとヒーターが温まるのか。ガスじゃないから炎は出ない。なんとなく、不安になって、「実は触ったら熱くないんじゃないか…」と恐る恐るIHの天板部分を触ってみると……。

全然熱くない!

そう。実はIHヒーターは、昔の電気コンロと違って、フライパンや鍋自体を電磁波によって加熱するとのこと。鍋やフライパンを置かないと熱くならないため、万が一、子供がIHの天板部分を触っても危険性が低いというわけだ。 ※調理直後の天板は暫く熱い状態が続きます。IH機器を使用の際には、必ず取り扱い説明書に従ってください。


「ジュージューとしっかり炒められます」

しっかり、美味そうな音と香りが室内を漂います。料理が終わったら天板をさっと拭くだけでいいから手入れがラクチンなのも良いですね。

正直なところ「電気で調理なんて、火力が弱いんじゃないか?」と心配だったけど、全然問題なし。やっぱり、実際に使ってみないと使い勝手のよさはわからないものだ、というのを実感する。

「いっぱい、やっか?」
というわけで、IH手料理、いただきます! あ、ちなみにお酒や材料は備え付けじゃなく持ち込みですが、皿や調理器具は備え付けですよ。

ハフハフ……。いいじゃないか こういうのでいいんだよ(井之頭五郎風)。 うまい。じわじわうまい。我が家で作っている味とはまるで違う。そんなはずはないけど、なぜかうまい。きっと、IHで調理したことと、嫁さんが私の料理にダメ出ししないからに違いない。

さて孤独なグルメで満腹になった後、リビングでくつろいでいたら、眠くなってきた。そろそろ2階に上がって寝るとしよう。

寝室を探して中に入ると、大きなベッドがドンと置かれ、いかにもリラックスして眠れそうなスペースが広がっていた。

ふと壁を見ると……、他の壁と違ってタイルが張られている部分が。

「これですよ。これ」
ちょっとシャレオツな白い石壁風なのですよ。

パナホームの鈴木 剛さんによれば、実はこのタイルは稚内珪藻土(けいそうど)という自然の鉱物を配合したものだとか。「部屋の湿度が上がるとタイルが湿気を吸収し、乾燥すると湿気を放してくれる」という特徴があるという。

なるほど。確かに湿度のコントロールって、部屋の快適さを驚くほど左右するもの。寝室にこれを使っているのはさすがパナホームといったところか。さすがパナホームといえば、コレもだけど。

「ナノケア美顔器もありましたよ」
なんか軽く“パナソニック酔い“するほどなのですが……。ああ、私もキレイなお姉さんになりたい。

ベッド脇の美顔器でリラックスした後はベッドの中へ。

「1、2、3、ぐう…」
と、のび太ばりに速攻で眠りについてしまった私でありました。

翌朝。気分爽快の目覚め。ほんと、よく眠れた。

夜、自動車やバイクの音などが一切しなかったからだろう。モデルハウスで夜まで過ごせると、近隣が騒がしくないかチェックできるのも嬉しいところ。

加えて、朝はモデルハウスから出勤でき、会社までの通勤時間や通勤電車の混雑具合をチェックできる、というわけだ。

というわけで、一戸建てモデルハウスの宿泊体験は午前10時を迎えて終了。

マイホームは高い買い物だけに、一晩過ごせて体感できれば、買ってから後悔…なんて失敗のリスクは減らせるだろう。 それにしても一戸建てマイホームが欲しくなってきた。嫁さんと交渉してみるか!
いや、普段ならそんな恐れ多いことを考えることすらできないように訓練されている私であるが、天井の高い広い家で1日過ごしたせいか、心が大きくなってきた気がする。

自分が強くなったような気がしてきた。

Xメンのようになった気すらしてきた。

「というわけで、嫁さんとの交渉いってきます!」
すいません。このリビング備え付けの3Dテレビ用メガネ、本当に気に入りました。

【あとがき】

会社でも試用期間やインターンシップがあるように「実際ちょっとお試しして決める」というのは、調理器具や家電や家具も含めて「家」でもお試しすべきじゃないだろうか。いやいや、むしろお高い一戸建てこそ、お試しがあってしかるべきだろう。

ちょい上度 ★★★★★
ちょい上というよりも、かなり上かも。
ローンしてでも試したい度★★★☆☆
家は買えないけど、宿泊体験なら…。
3Dで観たい作品度
もちろん『ロックよ静かに流れよ』。

※文/百瀬康司、企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン