住宅ローンの繰上返済

繰上返済は、住宅ローンの将来の支払利息を軽減する効果があります。ですから、手元に余裕資金がある際は、貯めるよりも、将来の返済分を着実に減らすほうが金額的にも効果が大きくなります。
繰上返済には、ローン残高の全部を返済期間途中で返す「全部繰上返済」と、残高の一部を臨時に返済する「一部繰上返済」があります。よく利用されるのは、この「一部繰上返済」で、残高の一部が減ることによって、返済期間が短くなる「期間短縮型」と、毎月の返済額が少なくなる「返済額軽減型」の2つがあります。では、この2種類の繰上返済の効果を試算してみましょう。

●100万円を一部繰上返済した場合の効果

元利均等返済方式、借入3,000万円、期間30年、金利2.0%、年間返済額133.0万円のケース
  1年後に100万円繰上返済 5年後に100万円繰上返済
繰上返済後の内容 支払利息の軽減効果 繰上返済後の内容 支払利息の軽減効果
期間短縮型
短縮期間1年4ヶ月
76.7万円
短縮期間1年3ヶ月
64.2万円
返済額軽減型
年間返済額128.5万円
31.8万円(残り29年分の単純合計)
年間返済額127.9万円
27.1万円(残り25年分の単純合計)
  • 期間短縮型のほうが、繰上返済を実施した時点で着実に支払利息の軽減を確定することができ、残り期間にかけて軽減幅を合計した返済額軽減型よりも金額が大きいことがわかります。
  • 繰上返済の実行時期は、早ければ早いほど効果が高くなります。支払利息がローン残高に応じて変わってくるので、早いうちにローン残高を減らしましょう。
  • 繰上返済には取扱機関やローンのタイプによって、1回あたり数千円から3万円程度の手数料がかかる場合があるので、あらかじめ確認し、手数料がかかる場合はある程度まとめて実施したほうがより効率的です。
  • 最近では繰上返済の手数料を無料としたり、インターネットで受付を可能にするなどのサービスを提供する金融機関が増えています。また繰上返済を1円から可能にする金融機関も現れるなど、繰上返済可能額の下限も低くなってきました。将来の返済計画を見据え、繰上返済の利便性を考慮して住宅ローンを選ぶことも大切です。