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第702回
活用出来ていますか?経営者保証に関するガイドライン (2016年12月03日)

「経営者保証に関するガイドライン」というものがあると聞きました。どのようなものか教えていただけませんでしょうか。(Fさん 小規模事業者38歳、既婚)
経営者保証に関するガイドラインについて、その概要や利用する経営者側のポイントなどについて知っておきましょう。

「経営者保証に関するガイドライン」ってどんなもの?

中小企業経営者や小規模事業者(中小企業・小規模事業者の範囲を超える企業や個人事業主も対象)が、会社の融資の連帯保証人として個人で経営者保証をしている場合もありますが、経営者にとって非常に重荷です。平成26年2月から適用された「経営者保証に関するガイドライン」では、経営者保証なしでも融資を受けられる可能性が示されています。金融庁や中小企業庁の要請に基づき、多くの金融機関でガイドラインに則した対応が行われています。

同ガイドラインに法的な拘束力はありませんが、中小企業の経営者、金融機関などの関係者による自主的な基準として、具体的にどのような条件なら経営者保証なしで融資が受けられるかを明示するとともに、事業再生や廃業をした場合も経営者に一定の生活費と華美でない自宅に住み続ける可能性も残されます。

経営状態によっては経営者保証なしで融資

中小企業経営者や小規模事業者等は、金融機関に融資を申し込む際に、ガイドラインを活用して経営者保証なしで融資を受けられる可能性があります。まずはその適用条件を確認しておきましょう。次の全ての要件を満たす保証契約に適用されます。

適用対象
(1)主債務者が中小企業・小規模事業者であること(中小企業・小規模事業者の範囲を超える企業や個人事業主も対象)。
(2)保証人が個人であり、主債務者である中小企業の経営者等であること(実質的な経営者や事業に従事している配偶者の第三者保証人なども対象)。
(3)主債務者と保証人が弁済に誠実で、債権者の請求に応じて財産状況等を適切に開示していること。
(4)主債務者と保証人が反社会勢力でなく、その恐れもないこと。

これらに全て合致し、さらに次の要件を将来にわたって充足すると見込まれる場合に、経営者保証を求めずに融資が受けられる可能性を金融機関が検討してくれます。

求められる経営状況の要件
(1)法人と経営者の関係の明確な区分・分離
(2)財務基盤の強化
(3)経営の透明性

ややわかりにくいので、みずほ銀行「経営者保証に関するガイドラインで求められている金融機関側の対応」に記載されているものを引用します。
みずほ銀行<求められる経営状況の要件>
(1) 法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されていること
(2) 法人と経営者の間の資金のやりとりが、社会通念上適切な範囲を超えないこと
(3) 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得ること
(4) 法人から適時適切に財務情報などが提供されていること
(5) 経営者などから十分な物的担保の提供があること

経営者保証が必要な場合でも、資産や収入の状況を勘案した適切な保証金額が設定されることになっています。

経営者保証の契約を変更・解除できる場合も

ガイドラインは、既に結んだ経営者保証の契約を見直す際や、事業再生・廃業等に伴う保証債務の整理手続も含まれています。

(1) 既保証契約の見直し

経営状況が改善されて前述の要件を満たすようになれば、経営者保証を変更・解除できる可能性もあります。

(2) 事業承継の場合

経営状況が前述の要件を満たす場合で、金融機関からの情報開示の要請に対して適切に対応することで、経営者保証なしの融資に変更できる可能性もあります。経営者交代で経営方針や事業計画などが変わる場合は、「誠実かつ丁寧に」金融機関に説明する必要があります。

(3)事業再生・廃業などに伴う保証債務の整理

ガイドラインによる保証債務の整理は、債務者が事業を継続する場合、廃業等により清算を行う場合のいずれの場合も利用できます。ガイドラインを利用した保証債務の整理では、以下のようなことも認められます。

保証債務の整理で経営者に認められる内容
・一定期間の生計費(標準的な生計費33万円×雇用保険の給付期間90~330日を月換算)や華美でない自宅を残すこと
・整理手続きに専門家(弁護士・会計士・税理士)の支援を受けること
・一定要件のもとでの保証債務の減免
・一定の経済合理性があると認められれば、経営者が引き続き経営に携わることも

ガイドラインに沿って保証債務の減免を行っても、保証人に対する利益供与はないとして、保証人にも金融機関にも課税関係は生じません。

ガイドラインを利用するは?

資金調達や債務整理の際にガイドラインの利用を希望する経営者は、近くの商工会や商工会議所、(独)中小企業基盤整備機構の地域本部、取引金融機関などに相談します。

また、商工会や商工会議所、(独)中小企業基盤整備機構の地域本部の相談窓口からであれば、(独)中小企業基盤整備機構の「専門家派遣制度」を利用することもできます。弁護士・会計士・税理士などの専門家を、無料で最大年3回まで派遣して支援を受けられます。資金調達や債務整理を行う際に、自社がガイドラインを利用できる経営状況かどうか評価したり、ガイドラインを利用できる状況にするために必要な改善策は何かアドバイスを受けることもできます。

平成27年度に民間金融機関が「経営者保証に関するガイドライン」を利用して新規融資を受けた件数は356.6万件。中小企業経営者や小規模事業者等への融資の12%を占めます。ガイドラインで経営者に求められるハードルは高めですが、合致すればいわば優良企業であるともいえます。Fさんも、ガイドラインを上手に経営に生かしてくださいね!

担当:豊田 眞弓 (執筆:2016年11月28日)

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