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FPからのアドバイス

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第636回
農地の相続は大変?農地の活用法と生前にできる対策を確認しよう (2015年08月26日)

実家が畑を所有していますが、両親とも高齢でいつまで続けられるかわかりません。私はサラリーマンで、マイホームも購入済みです。夏休みに帰省したときに相続の話になり、両親に万一のことがあった場合に畑をどうしたらいいのか考えています。どのような活用方法がありますか?また、どんな点に注意が必要でしょうか?(Iさん 53歳 会社員)
農家ではない人が農地を相続し、活用できないケースが増えています。農地は利用目的や売買が制限されるため、早めに方向性を決め、対策を立てる必要があります。いくつかの活用例と注意点を確認してみましょう。

相続による農地の取得

農地は農業に使うことが前提の土地で、原則として農家か農業を始める人しか取得できません。ただし、相続の場合には農家以外でも農地を取得することができます。相続により農地を農家以外が取得した場合でも、農業に使う前提の土地であることに変わりはなく、勝手に処分することはできません。そのため、農地をうまく活用できず耕作放棄地となってしまうケースが増加し問題になっています。

農家以外が相続で農地を取得した場合にまず考えるのが転用です。転用とは、農地を農業以外の目的で使用することで、農業委員会の許可が必要です。しかし、農地には転用できる農地とできない農地があり、転用したいからといって必ずしも許可されるとは限りません。まずは、自分の農地が転用対象になるかどうかを確認することが重要です。転用できない農地を所有し、推定相続人が農家以外の場合は、生前に対策を考えておく必要があります。

農地のままで活用する

転用せずに活用する場合や転用ができない農地の場合、農業を続けなければならないため、活用方法は限られます。他の農家に売却する、又は貸すという方法が考えられますが、どちらも農業委員会の許可が必要です。しかし、農家も高齢化が進み、なかなか買い手や借り手が見付からないケースも多いようです。そんな場合には、市町村による農用地利用集積計画や、都道府県の第三セクターによる農地中間管理機構(農地集積バンク)の活用も検討しましょう。

農用地利用集積計画とは、農地を貸したいという農地所有者と、農地を拡大したい農家との間に市町村が入り、農地の貸し借り等を行う方法です。一方の農地集積バンクは、農地を貸したい農地所有者から農地を借り受けて集積し、大規模な農家に転貸する仕組みです。制度や手続きの詳細についてはいずれも市町村で確認できます。全ての農地を対象としているわけではありませんが、相談してみると良いでしょう。

また、都市部に比較的近い農地の場合、近年盛んになっている市民農園として貸し出す方法も考えられます。農地所有者自身が市民農園を開設することもできますが、農業指導や農具貸出等が必要になることも多いため、市民農園を運営する自治体や企業、NPO法人等に貸し出すという方法が現実的です。

農地以外で活用する

転用できる農地の場合には、アパートやマンションを建てて貸す、太陽光発電を行うなど、様々なことが可能です。ここで重要なのは、農地の転用には目的が必要で、転用後は目的を達成しなければならない点です。転用して何に使うのかを具体化し、それが実現可能だと判断されなければ転用の許可は下りません。つまり、とりあえず農地以外に転用しておく、という申請はできないということです。また、農地を転用する際には、地盤改良が必要になったり、建物を建てる場合には電気・ガス・上下水道のライフラインの整備などで大規模な工事が必要になることもあり注意が必要です。

駅周辺の土地や大学や大きな工場が近くにある場合には、アパートやマンションを建てて貸すという方法が考えられます。ライフラインの整備のほか、建物の建築には多額の資金が必要になりますので、土地や建物を担保にして資金調達する不動産投資ローンなども検討しましょう。アパートやマンションの経営は空室リスクがあるため、長期的な需要を把握することも大切です。

農地は日当たりがよく、太陽光発電に適しています。日照が確保できる土地であれば、地価にかかわらず長期的に安定した収益が見込める点が大きな魅力です。また、自然エネルギーを利用しているため調達コストがかからない点や、賃貸経営に比べて継続的な管理が簡単である点も太陽光発電のメリットです。一方デメリットとしては、太陽光発電は初期投資の回収に10年程度の期間を必要とするため、不動産の流動性が落ちるという点があげられます。また、10年以上という長いスパンで考えた場合、天候や周辺環境が変化し、日照が確保できなくなる可能性もあります。反射光による近隣トラブルにも注意が必要です。

農地を転用して太陽光発電を行う場合には、家庭用よりも高額な費用がかかるため、融資を受ける場合が多いです。産業用太陽光発電への主な融資先には、日本政策金融公庫、銀行、ノンバンクなどがあります。金利や諸費用、返済期間の他、手続きの煩雑さや手続きにかかる期間、審査の通りやすさなどを考慮して融資先を選びましょう。

設備や維持にコストを掛けたくない場合には、太陽光発電用に事業者に土地を貸し付ける方法もあります。コストを負担せずに安定収入を得ることができますが、自身で太陽光発電を所有する場合に比べると、収入はかなり低くなる傾向にあるようです。

この他にも、駐車場にする、店舗や工場、資材置き場などの事業用地として貸す方法なども考えられます。いずれの方法も需要の見極めが大切ですし、事業用地として貸す場合には契約が長期にわたることもありますので注意が必要です。

生前にやっておくべきこと

農地は利用目的や売買が限られるため、宅地や雑種地に比べて固定資産税が安くなっています。現状では、実際には農業を行っていない耕作放棄地であっても農地と見なされて固定資産税が安くなっていますが、農業の競争力強化を目指すため、耕作放棄地への課税強化が検討されています。農地を所有する方は、家族を含めて話し合いをし、今後農地をどうしていくのかを早めに決めて、対策を始めた方が良いでしょう。

対策を検討するにあたり、まずは農地に限らず所有する土地の調査をしておくことが必須です。所在番地や形状、地目の確認の他、名義の確認も重要です。特に、先代名義の土地があった場合には名義変更の手続きをしておく必要があります。そして、今後の方向性が決まったら必要に応じて専門家に相談しましょう。

担当:宮野 真弓 (執筆:2015年08月19日)

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