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FPからのアドバイス

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雑誌・新聞等で活躍中のファイナンシャルプランナーがローンやお金に関する様々な情報をご提供し、ローンの借り方や返し方などをアドバイスしていきます。

第614回
住宅ローンの返済ができなくなる前の対処方法は? (2015年03月25日)

35歳の会社員です。3年前に新築で購入した駅前のマンションで妻(パート)と二人暮らしで、そろそろ子どもが欲しいと思っています。でも、住宅ローンの返済で家計に余裕がなく、子どもが生まれて妻の収入が減ると住宅ローンの返済はかなり難しくなりそうです。住宅ローンの他に借り入れはありません。通勤にも便利な住まいなので、手放したくはないのですが…。住宅ローンの返済が厳しくなった場合の対処方法を教えてください。(千葉県 Tさん)
まずは返済負担を軽くする対策を検討し、早めに動きましょう住宅ローンの返済が厳しくなりそう、とのことですが、今は返済をきちんと続けておられるので、対処法も複数あり、考える時間の余裕もあります。今後のライフプランや家計を考えて、無理のない対策を考えてみましょう。

今後のライフプランは

まず考えたいのは、今後のライフプランと家計です。お子様の誕生で生活はどう変わるのか、お子様の教育はどうするのか。今後のライフプランによって、「返済が厳しい」のが一時的なものなのか、今後も続くことなのかが予想でき、選べる対策も違ってきます。ご家族で話し合い、希望や意思を確認しておきましょう。

お子様が生まれたらしばらくは、奥様が収入を得ることは難しくなりますね。では、お子様が大きくなったら、奥様は再び働いて収入を得られる予定でしょうか?Tさんご自身の今後の収入の見込みはどうでしょう?

また、教育費はおおまかに、子ども1人あたり、公立なら合計1,000万円、私立なら2,000万円と言われます。お子様の教育や進路はどのように考えていますか?今後収入が増えても、教育費支出が大きく増えるのなら住宅費の捻出は難しくなるので、早めに考えておきましょう。

無理のない返済のための対策

「マンションに住み続ける」ために返済負担を軽くして、滞りなく住宅ローン返済をするための対策を考えましょう。

低金利の住宅ローンへの借り換え

返済中の住宅ローンをより低金利の住宅ローンへ借り換えれば、月々の返済額を減らし、利息負担を減らすことができます。ただし、借り換えの際には諸費用(ローン取扱手数料、印紙代、抵当権設定登録免許税、司法書士報酬など。ローン商品によって金額は異なる)が必要なので、金利差が小さく、借入残高が少なければ負担軽減効果は少なくなります。借り換えで効果が出る一般的な目安は「残返済期間10年以上、残高1,000万円以上、現在のローンとの金利差1%以上」と言われますが、金利差が1%以上でなくても、返済期間や残高が多ければ返済負担軽減の効果がある場合もあります。

下記は、現在の金利1.4%、残り返済期間32年の住宅ローンを、返済期間を変えずに0.57%の住宅ローンに借り換えした場合の試算結果です(諸費用は考慮していません)。月のローン返済額は大体1万円程度低くなります。借り換えローンの毎月返済額がTさんに無理のない返済額であれば、総返済額でも300万円以上の負担減になるので、まず検討したい対策です。

<物件について>
・駅前にある築3年のマンション(新築時に購入)
・管理費等1.5万円/月
・購入時期:3年前
・購入価格:3,500万円 諸経費200万円(自己資金500万円、住宅ローン3,200万円)
・年収(手取り) Tさん350万円 妻100万円(合計450万円)
<現在の借入>
借入額 3,200万円
金利 1.4%(変動)
返済期間 35年(3年経過)
返済月額 96,419円
借り入れから3年後の残高 29,828,909円

(イー・ローン 住宅ローンシミュレーションにて試算した結果から、筆者抜粋)

<借り換えローン>
借入額 2,983万円
金利 0.57%(変動)
返済期間 32年
返済月額 85,001円

(イー・ローン 住宅ローンシミュレーションにて試算した結果から、筆者抜粋)

ただし、現在借入中の住宅ローンにも言えることですが、変動金利や固定金利期間の短い住宅ローンは、金利動向に注意しておきましょう。金利が上昇してきたら固定金利に切り替えるなどの備えも考えておくことが必要です。

借り換えローンを選ぶ際には、諸費用の金額、金利タイプの変更の手間や手数料負担なども比較されるとよいでしょう。

返済額の減額、返済期間の延長

現在借入中の金融機関と相談して、現在の住宅ローンの返済条件を変更する方法もあります。ただし、毎月の返済額は少なくなりますが、総返済額は増加します。返済条件が変更できるかどうかは各金融機関の審査基準によります。

返済額の減額 一定期間の毎月の返済額を減額する方法です。減額期間後は、通常の返済額に加えて減額分と減額分の金利を支払うことになります。返済期間は変わりません。
返済期間の延長 返済期間を延ばし、その分毎月返済額を減額する方法です。返済期間が長くなる分総利息負担は増えます。

家賃収入を住宅ローンの返済に

一定期間ご実家などに住むことができるなら、その期間中、ご自宅であるマンションを賃貸に出し、家賃収入を住宅ローンの返済に回す方法も考えられます。通常は住宅ローンを組んでいる物件を賃貸に出すことはできませんが、移住・住みかえ支援機構(JTI)が、住宅ローン返済が厳しい方に提供する「再起支援借り上げ制度」を利用する場合は可能な場合があります。契約は3年ごとの定期借家権契約なので、無理なく返済できる見込みがついたら、契約を更新せずに自宅に戻ることができます。

マンションを売却することも選択肢のひとつ

以上のような返済負担を減らす対策を行っても毎月の住宅ローンの返済が難しいのであれば、マンションの売却を考えることになります。いくらで売れるかが重要になってくるので、早めに不動産会社などに査定を依頼して、売却可能額を把握しておきましょう。

住宅ローン返済中の不動産を売却する場合は、借入先の金融機関が設定している抵当権を抹消するために住宅ローンの完済が必要になるので、売却代金を使って一括返済することになります。売却額がローン残高よりも低ければ、差額は自己資金で完済することになります。

売却額がローン残高よりも低くなりそうで、差額を自己資金で準備することもできない場合には、「任意売却」という手段もあります。「任意売却」は、任意(持主の意思で)で、借入先の金融機関に許可を得た上で、一般の不動産と同様に市場で売りに出す方法です。裁判所が強制的に売りに出す「競売」よりも高い金額で売却できる場合が多く、その分ローンの残債が少なくなります。売却代金で払いきれなかったローンの残債は、金融機関と相談して無理のない金額で分割払いしていくことになります。手続きや交渉を個人で行うことは難しいので、任意売却を専門の仲介業者に相談する場合も多くあります。

返済できなくなる前に動き出そう

きちんと返済できているうちであれば、時間の余裕もあり、今後のライフプランを家族と話し合ったり、金融機関に相談・交渉したり、情報を集めたり、有利な対策を検討することもできます。しかし、返済が滞り始めると、金融機関の心証も悪くなり、有利な対策は選びにくくなります。時間の余裕もなく、なんの対策も打てないうちに、自宅の差し押さえ・競売という段階に進みかねません。返済を滞らせて身動きが取れなくなる前に、Tさんのように動きだすことが大切ですね。

担当:大林 香世 (執筆:2015年03月17日)

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