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FPからのアドバイス

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第603回
変化に負けない家計とは『自分軸』を持つこと!シミュレーションから課題を把握しよう (2015年01月07日)

年初は気持ちも新たに「家計の見直しに取り組もう!」と毎年考えます。しかし、実際には年明けは何かと忙しく、また何かと物入りで、家計簿も長続きしません。「どうして私はほかの人のようにキチンとできないのだろう……」と落ち込むことに。今年こそ新たなスタートを切りたいと思います。(Nさん 女性33歳 会社員)
もう隣の芝生を気にすることはやめて、『自分軸』を持つことから始めましょう。そのためには、自分が、家族が、どう暮らしていきたいのかを考えることからスタートすべきです。それを数字に置き換えて将来の家計をシミュレーションしてみることで、今からすべき課題が見えてきます。あとは、その課題を解決していくだけですよ。

隣の芝生をのぞいてみたら……

ファイナンシャル・プランナー(FP)として多くの家計相談にのってきましたが、その中でよく質問されるのが、「食費は収入の何%くらいに抑えるべきですか?」や「どれくらい貯蓄しておけばよいのでしょう?」といったことです。隣の芝生が気になるのは、誰しも同じですね。

そこで、ひとつのデータをご紹介しましょう。このデータは、住宅ローン返済を行っている二人以上の勤労者世帯の1カ月あたりの収入・支出・収支残の年代別の平均的な金額です。支出は項目別に収入に対する割合も併記してみました。

  ~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳
勤め先収入 386,454円 - 489,483円 - 593,463円 - 655,992円 -
社会保障給付 13,767円 - 18,218円 - 13,603円 - 6,308円 -
その他収入 17,845円 - 14,461円 - 13,956円 - 14,451円 -
1.収入合計 418,067円 - 522,161円 - 621,022円 - 676,751円 -
食料 49,942円 12% 61,520円 12% 75,121円 12% 79,627円 12%
住居 7,365円 2% 5,262円 1% 6,569円 1% 7,293円 1%
光熱・水道 17,599円 4% 20,352円 4% 24,478円 4% 27,017円 4%
家具・家事用品 10,932円 3% 10,418円 2% 10,513円 2% 11,531円 2%
被服及び履物 11,183円 3% 13,512円 3% 15,022円 2% 15,929円 2%
保健医療 8,679円 2% 10,894円 2% 11,009円 2% 12,616円 2%
交通・通信 49,721円 12% 54,975円 11% 52,417円 8% 65,545円 10%
教育 7,470円 2% 16,441円 3% 32,849円 5% 31,542円 5%
教養娯楽 22,407円 5% 31,979円 6% 37,440円 6% 33,037円 5%
その他の消費支出 42,337円 10% 47,963円 9% 62,447円 10% 96,725円 14%
税金・社会保険 65,381円 16% 92,399円 18% 121,628円 20% 138,562円 20%
2.支出合計 293,015円 70% 365,714円 70% 449,494円 72% 519,424円 77%
3.収支残(1-2) 125,052円 30% 156,447円 30% 171,528円 28% 157,327円 23%
土地家屋借金返済 72,417円 17% 88,125円 17% 101,535円 16% 110,590円 16%

<総務省「家計調査 家計収支編(2013年)」より筆者作成>

隣の芝生に合わせるのではなく、自分の芝生を作っていきましょう

ご自身の家計と比べてみていかがでしたか? 私の場合は、食費や土地家屋借金返済(つまり住宅ローンですね)はもっと多くかかっていますが、光熱・水道や交通・通信はかなり少なめです。また、子どももいないので教育関連の支出はゼロです。

年代が近くても、同じく住宅ローンを抱えていても、家族構成や生活のしかた、働き方などによって家計の内容は異なります。自分や家族とまったく同じ家計はないと考えることが妥当でしょう。

また、今回ご紹介したデータは、住宅ローン返済世帯でしたが、ほかの切り口(住居別や年収階級別など)でまとめたデータもあります。どんな切り口かによっても結果は異なりますので、データを参考にする時には、その点を理解してから利用することが大切です。

隣の芝生としてのデータは、あくまでもひとつの目安でしかありません。また、目安にするのであれば、そもそものデータの取り方が自分に合っているのかを気にする必要があります。データだけでなく、例えば主婦向けの雑誌などを参考にする時も、自分と同じような環境なのかを確認してから参考にすべきでしょう。家族4人の食費を月3万円で抑えている人がいたとして、私のように夫婦2人だからといって半分というわけにはいきません。「週末に食材をまとめ買いし、下準備をし、小分けにして冷凍しておき、利用するときにパパッと調理する」ということができる生活状況であれば可能かもしれませんが、残念ながらそうではない場合は、食費はもっとかかることになるでしょう。

大切なことは、隣の芝生に合わせるのではなく、自分の芝生をどう作っていくのかということです。そのためにはどんな芝生にしたいのか『自分軸』を思い描いてみないと、芝生を作っていくことはできません。

食事を大事にする人、娯楽を大事にする人、教育を大事にする人など、何が大事なのかは人それぞれ違います。また、今が大事な人もいれば、将来が大事な人もいます。一緒に生活をしていく自分と家族でも大事にしたいものは違うでしょう。

だからこそ、その大事なことである『自分軸』を拾い出し、共有していくことが大切なのです。大事なものがわかれば、それを家計という数字に落とし込み、可能なことはそのままに、不可能なことがあれば、どんな対策を立てて可能にするのかを考えていくことになります。

「キャッシュフロー表」を利用してシミュレーションし、課題があれば解決策を考える

私たちFPが相談時に提供するものに「キャッシュフロー表」というものがあります。現在の収入や支出がこのまま続いたらということをベースに、子どもが私立高校に進学したら、5年置きに車を買い換えたら、老後は今の家を売却して実家にUターンして暮らしたら、定年退職後は大学院に通うとしたらなどなど、「いつ」「どんなことを」したいのかを拾い出し、そのためにかかるお金をあてはめ、金銭的に達成可能かどうか、貯蓄残高の推移を見ていけるツールです。

「キャッシュフロー表」はネット上に無料で利用できるツールがいくつも紹介されており、多少の手間はいとわないというのであれば、ご自身でやってみるとよいでしょう。名称はさまざまですが、「キャッシュフロー表の作成」といった単語で検索すると、いろいろなツールが探し出せます。

ひとつの例をご紹介すると、日本銀行内の金融広報中央委員会では「生活設計診断」として提供されています。入力の仕方や診断結果の一例が掲載されていますので、どんなものなのかイメージできるでしょう。

家計の見直しというと、どうしても目先のことだけにとらわれてしまう人が多いようです。しかし、多くの人は日々の暮らしはなんとかやりくりできており、すぐに生活に窮してしまうということはありません。漠然と将来に不安を抱えているだけということが多いと思います。

その漠然とした不安を数値面から見える化できるのが「キャッシュフロー表」です。貯蓄残高が不安レベルになるのが、3年後なのか20年後なのかなど、その時期を知るのに役立ちます。どれくらい準備する期間があるのかによっても、打てる対策は変わってきます。

日々を不安に思って過ごすのではなく、まずは不安の正体を探るために、簡単なもので構わないので「キャッシュフロー表」で将来の貯蓄残高をシミュレーションしてみましょう。その結果、目的が達成できないといった課題が見えてきたら、その課題を解決するための対策を考えていきます。その対策が日々の節約なのか、収入を増やすべく仕事を得る準備をするのか、保険や住宅ローンといった大きな支出の見直しなのか、それとも希望する暮らし方を抜本的に見直すことなのか、解決策も人それぞれ違います。

今年こそ新たなスタートを切りたいのであれば、隣の芝生を気にすることをやめ、自分軸を持ち、目先だけの視点で物事をとらえず、視点を将来まで広げて、今からできることを考えていきましょう。

担当:中森 順子 (執筆:2014年12月25日)

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