第561回

消費税の増税で教育費はいくら上がる?4月までに準備すべき点は?

4月から子どもが大学生になります。3月に入り授業料の納入からひとり暮らしの準備までをしなければならないので、慌ただしい毎日を過ごしています。4月から消費税が上がるので、今のうちに買うものを決めようと思っていましたが、結構な金額になりそうです。増税前に、優先して買っておくべきものがあれば教えてください。(Y・Mさん 45歳 長野県)
お子さまの大学進学おめでとうございます。ひとり暮らしにあたり、学費のみならず、新生活の準備で何かとお金がかかるので大変だと思います。消費税の増税前に買っておいた方がいいものを絞り込みたいとのこと。結論を言えば、消費税がかかるもののうち、高額で増税後に値崩れしにくいものです。詳しく見ていきましょう。

大学生の生活には消費税がかからないものとかかるものがある

お子さまが大学に通う費用には、そもそも消費税がかからないものとかかるものがあります。大学生活をスタートするまでにかかる費用のうち、消費税がかかるものかどうかを下表にまとめましたので、これを参考にどんな費用がかかるのかをリストアップしてください。そして、消費税がかかるものの中から、業者に頼むものや新しく購入するものを仕分けします。そのうち、3月中に買った方がいいのは、高額で増税後も値崩れしにくいものです。

■学費
消費税はかからないもの 消費税がかかるもの
・入学金
・施設設備費
・授業料
・検定済教科書
1.教材や教具代
2.通学のための交通費
■ひとり暮らしをスタートするまでにかかる費用
消費税はかからないもの 消費税がかかるもの
・住居費(民間の賃貸住宅を借りる権利金、敷金、家賃など) 3.引っ越し代
4.新居に必要な家具や寝具類
5.新居に必要な家電製品
6.調理器具や食器など
7.日用品や消耗品
8.衣類

では、消費税がかかるものをどうしたらいいのか、個別に見ていきましょう。

1.教材や教具代

授業にパソコンなどの機材が必要な大学もあります。既に、持っていれば購入する必要はありませんが、高額な部類に入るので持っていなければ購入した方がいいでしょう。貸与してくれる大学もあるようですので、入学が決まった学校の制度を調べてみてください。

2.通学のための交通費

新居が決まっていれば、最寄駅から大学までの定期券は、3ヵ月あるいは半年分のまとめ買いをするといいでしょう。ただし、他に優先順位の高い高額なものがあれば、無理に購入しなくてもかまいません。

3.引っ越し費用

業者を使うならば、3月中に引っ越しておいた方がいいでしょう。

4.新居に必要な家具や寝具類

購入が必要なものが多いとまとまった金額になるので、3月中に購入した方がいいでしょう。

5.新居に必要な家電製品

これも、数が多くなると金額が大きくなるので、3月中の購入が望ましいでしょう。

6.調理器具や食器など

これは、さほど高額ではないので、急がなくてもいいでしょう。結婚式の引き出物など、押し入れにしまいっぱなしのものの中にあるかしもれないので探してみてください。

7.日用品や消耗品

これも、さほど高額でないので、急ぐ必要はありません。

8.衣類

通学用は、現在着用している衣類を持っていくでしょうから、購入の必要はありません。しかし、入学式に着用する衣類(親御さんの分も含めて)を購入する場合は、3月中に用意をしましょう。

消費税のかかるものは、基本的に使っているものがあればそれを使うようにし、購入するものは最小限にとどめましょう。どうしても買わなければいけないものをピックアップし、高いものを優先的に3月中に買うようにします。お店やクレジットカードによっては、3月中に買えばボーナス一括払いでも消費税は5%のままのこともあるので、すぐに払うものとボーナスで払うものを分けて買ってもいいですね。

消費税増税で教育費の負担は年間約35,000円増える?

お子さまがひとり暮らしをスタートした後、学業に必要なものは増税前に購入しておけば、増税による影響は大きくないと思われます。生活費については、家賃以外は増税後の負担は増えます。どれくらい増えそうか、「平成24年度学生生活調査」から探ってみましょう。下表は、学生生活費の内訳(大学昼間部)から、居住形態が「下宿、アパート、その他」を抜き出したものです。赤字は消費税がかからない費目、消費税がかかる費目はブルーで色付けした部分です。

    下宿、アパート、その他
 :国立
公立
私立
平均
 :支出(学費)
授業料
506,500
517,800
1,025,200
840,600
 :その他の学校納付金
18,500
19,600
190,500
129,100
 :修学費
51,700
49,700
50,000
50,400
 :課外活動費
53,200
34,000
42,100
44,700
 :通学費
18,100
22,600
28,800
25,300
 :支出(生活費)
食費
278,900
247,000
253,600
260,300
 :住居・光熱費
509,200
463,000
455,500
471,300
 :保健衛生費
42,900
46,000
45,400
44,700
 :娯楽・嗜好費
143,100
143,500
147,900
146,200
 :その他の日常費
173,300
172,700
172,000
172,500
 : 
合計
1,795,400
1,715,900
2,411,000
2,185,100

※日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査」より。大学昼間部の支出を抜粋。

平均の金額で、1年間にどれくらい増えるか計算してみましょう。住居・光熱費のうち、住居は消費税はかからないのですが、金額を明確に分けられないので、記載の金額をそのまま使いました。ブルー部分の金額を合計すると、1,215,400円。消費税が上がる3%分は、36,462円です。年間で約3万5000円増えることになります。来年10月から、予定通り消費税が10%になると、負担はさらに増えます。

消費税の増税だけでなく、今後物価が上昇すれば、授業料を含めた生活コストは全般的に上がるかもしれません。その分、収入が増えればいいのですが、すぐには増えない事態も想定し、家計のやりくりやお子さまにアルバイトをしてもらうなど、心しておきましょう。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2014年03月03日