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FPからのアドバイス

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第558回
2014年2月の【フラット35】は史上最低金利。利用方法を整理しよう。 (2014年02月19日)

住宅を購入するか検討をしており、週末に家族と物件を見て回っています。住宅購入費の頭金は約300万円、残りは住宅ローンを利用する予定です。最近は、住宅ローンの金利が下がっていると聞きます。先日、「フラット35」という住宅ローンをテレビCMでみたのですが、普通の住宅ローンとどう違うのでしょうか。(埼玉県38歳 Sさん)
【フラット35】は、住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して提供している長期固定金利型の住宅ローンです。

フラット35とは

【フラット35】は、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している最長35年の全期間固定金利型の住宅ローンです。申込窓口は銀行やモーゲージバンクなどの民間金融機関で、どの窓口で申し込んでも【フラット35】であれば原則商品内容は同じです。ただし、金融機関によって金利や手数料が異なります。

【フラット35】の金利は、2014年2月現在、非常に低い水準になっています。金利設定は返済期間が21年以上35年未満の場合と、20年以下の場合で異なります。

なお、実際に融資を受ける場合、適用される金利は申込み時点の金利ではなく、融資実行時の金利になります。つまり、2月中に申し込んでも、融資実行が3月以降であれば、適用されるのは2月の金利ではないので注意が必要です。

<【フラット35】の金利>
  返済期間21年~35年 返済期間15年~20年
2014年2月の金利
1.79%~2.50%
(取扱金融機関が提供する金利で最も多いのは1.79%)
1.53%~2.24%
(取扱金融機関が提供する金利で最も多いのは1.53%)
これまで※の最高金利 4.50%(2004年7月・8月) 3.77%(2009年5月)
これまで※の最低金利 1.79%(2014年2月) 1.49%(2013年4月)

※これまで…【フラット35】のサービス提供が始まった平成15年10月以降

フラット35のメリット

次に、【フラット35】の主な特徴をみてみましょう。

メリットとしてよく取り上げられるのは、「全期間固定金利」「保証料不要」「繰上返済手数料無料」という点です。

・全期間固定金利

全期間固定金利の【フラット35】は、借り入れから完済まで毎月の返済額も変わらないので返済計画が立てやすいメリットがあります。現在のような低金利の水準で借り入れできれば、市場金利がたとえ上昇しても金利負担は原則一定となります。将来の金利負担増を心配する必要もありません。逆に、高金利の水準で借りてしまうと、市場金利が下がっても金利負担は重いままなので注意が必要です。

・保証料不要

【フラット35】は保証料が不要です。保証料とは、金融機関が個人の保証を取らない代わりに、保証会社の保証を付けるために必要な手数料のことです。住宅ローンの保証料は金融機関や保証会社によって違いますが、一括払いの場合で1,000万円あたり数十万円程度、金利に上乗せする場合で0.2%を金利に上乗せ(1,000万円を35年返済する場合で合計約40万円)程度が必要になります。最近は、民間金融機関の中でも保証料不要の住宅ローンがあります。

・繰上返済手数料無料

【フラット35】は繰上返済手数料がかかりません。金融機関によっては、繰上返済手数料が1回に数万円かかる場合もあるので、手数料が「無料」なのは魅力的です。

ですが、【フラット35】の繰上返済は繰上金額100万円からとちょっと高めな点に注意が必要です。銀行などの住宅ローンでは、繰上額1円から・繰上返済手数料無料、という商品もあります。繰上返済を重視するなら、繰上返済の条件や手数料をよく比較してみましょう。

【フラット35】の注意

次に、利用者にとってデメリットにもなりうる特徴をみてみましょう。【フラット35】のその他の特徴としては、

・団体信用生命保険は任意加入

・融資物件は機構の技術基準を満たすことが必要

・融資上限は物件価格の9割まで

・つなぎ融資が必要

などがあります。

・団体信用生命保険は任意加入

団体信用生命保険(団信)は、ローンの契約者が万一死亡した場合などに、保険金で住宅ローンを完済することができる仕組みです。民間金融機関の住宅ローンの場合は、団信は強制加入で保険料は無料(住宅ローン金利に含まれている)とされています。

【フラット35】の場合は任意加入なのですが、やはり万一のことを考えると加入される場合が多いでしょう。その場合は金利のほかに、毎年保険料の支払いが必要になります。

既往症があって団信に加入できず、強制加入が条件の民間金融機関の住宅ローンが利用できない場合などは、【フラット35】なら利用できる可能性があります。

・融資物件は機構の技術基準を満たすことが必要

【フラット35】の融資対象の住宅は、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合するものでなければなりません。そのため、物件検査を受けて、適合証明書の交付を受ける必要があります。検査費用は、物件や地域、業者によって異なるようですが、目安として新築住宅(一戸建て)の場合で、2~3万円台、中古住宅(一戸建て)で4~6万円台とのことです。

一定以上の技術水準にあるという証明が得られるのは安心ではありますが、他の住宅ローンに比べると手間も費用もかかるわけで、負担に感じる場合があるかもしれません。

・融資上限は物件価格の9割まで

最近は、物件価格の100%まで借りられたり、諸費用も合わせて借りられたりする住宅ローンもありますが、【フラット35】は現状「物件価格の90%まで」とされています。

また、【フラット35】には総返済負担率による借入金額の限度(下表)もあるので、年収が少なかったり、その他の借入が多かったりすれば、物件価格の90%以内の金額であっても借りられない場合もあります。

とはいえ、借入額が多いほど返済の負担は重くなるので、「100%融資」でないことがデメリットとは言い切れません。できれば、物件価格の2割程度は、自己資金を用意しておきたいところです。

<総返済負担率による制限>
年収 400万円未満 400万円以上
基準 30%以下 35%以下

・年収に占めるすべての借入(【フラット35】を含む)の年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が、上記の基準を満たすことが必要(収入合算も可能)

・つなぎ融資が必要

【フラット35】に限ったことではありませんが、住宅ローンで融資金額が振り込まれるのは、原則として建物が出来上がった後になります(分割融資ができる住宅ローンもあります)。

しかし、土地を購入してから建物を建築する場合は「土地取得費用」が先行して必要になりますし、建物の建築途中でも、業者によっては「着手金」「中間金」「引渡金」などが必要になります。自己資金で着手金などを賄いきれないのなら、「つなぎ融資」を利用します。つなぎ融資は、住宅ローン実行時に一括返済されますが、通常の住宅ローンよりも金利が高めの場合が多いようです。【フラット35】と合わせて資金計画を立てておく必要があります。

フラット35の利用に向くのは

このように、【フラット35】には多くのメリットがありますが、利用者の状況やニーズによってはデメリットになる点もあります。【フラット35】の利用に向いているのは、どんな人や場合なのか、考えてみましょう。

1.将来の金利上昇に備えたい人

「変わらない固定金利の安心」を重視するなら、【フラット35】はぴったりです。金利上昇が心配なら、低金利の今は迷わず【フラット35】でもいいかもしれません。

しかし、今後の金利上昇のスピードや上昇幅によっては、より金利の低い変動金利や短期の固定金利選択型の住宅ローンを選んだほうが、総返済負担額は少なく抑えられる場合もあります。

下記は、全期間固定の場合と、A.5年ごとに1%金利上昇し11年目から一定の場合、B.10年ごとに1%ずつ金利上昇した場合 で試算したものです。Aのケースでは全期間固定よりも総返済額は多く、Bのケースでは全期間固定の場合よりも総返済額は少なくなっています。

今後、数十年に渡る確実な金利動向は誰にも分からないのですから、いろいろな金利パターンでシミュレーションして、自分やご家族が安心できる金利の住宅ローンを選ばれるとよいでしょう。

<金利上昇による毎月返済額・総返済額の違い>
  全期間固定 変動金利A 変動金利B
1~5年目の金利・
毎月返済額
1.79%
64,100円
0.80%
54,600円
0.80%
54,600円
6~10年目の金利・
毎月返済額
1.80%
62,800円
11~20年目の金利・
毎月返済額
2.80%
70,400円
1.80%
61,500円
21~30年目の金利・
毎月返済額
2.80%
66,000円
30~35年目の金利・
毎月返済額
3.80%
67,600円
総返済額 26,922,000円 28,164,000円 25,908,000円

設例:借入金額2,000万円 返済期間35年

2.自己資金が準備できている人

【フラット35】は融資限度額が物件価格の90%です。したがって、残る10%の物件価格プラス諸経費(物件価格の5~10%程度)を自己資金で賄えるかが、【フラット35】の利用の条件になります。諸経費を物件価格の5%とすると、物件価格の15%の自己資金が必要だということです。

ご相談者の場合なら、300万円の自己資金が準備できているので、下記のように物件価格2,000万円で、借入金額は1,800万円、諸経費に100万円充てるというプランになるでしょう。希望する物件購入価額には足りないということであれば、自己資金をもっと準備するか、融資限度額の大きいその他の住宅ローンを検討したほうが良いことになります。

物件2,000万円 諸経費
100万円

↓ ↓ ↓

ローン1,800万円 自己資金
300万円

このように、【フラット35】は自己資金が準備できていて、金利上昇に備えたい方に向いた住宅ローンです。自分や家族のライフステージとライフプランを考慮し、つなぎ融資や諸経費も含めた資金計画を練った上で、【フラット35】の利用を検討されるとよいでしょう。

【参考リンク】

担当:大林 香世 (執筆:2014年02月12日)

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