第462回

東京スター銀行の「バンクフリー」は夏のボーナスまでの味方になるか?

良い部屋が見つかり、念願のひとり暮らしをすることになりました。引っ越し代や家電の購入などで20万円から30万円ほど必要になりそうです。夏にはボーナスが支給されるので、そこまで一時的にローンを借りようと思うのですが、どうすればよいでしょうか?(J.Yさん24歳 男性)
「夏のボーナスが入れば全部返す」という感じで、短期間で全額返済の予定があるようなら、日割りで利息を支払うカードローンの利用が良いでしょう。今回の場合であれば、東京スター銀行の「バンクフリー」を利用してはどうでしょうか?このローンには無利息期間があるので、活用すれば夏のボーナスまでの強い味方になるかもしれませんよ。

短期間のローン利用であれば「カードローン」が便利

新生活を始める際には、いろいろ買い揃えるものがあるもので、予定していた金額をオーバーしてしまうことがありますよね。春先はイベントも多いので、急な出費が重なり「ちょっとの間、カバーできる資金があればなぁ」と思うことがあると思います。短期間で利用する方にオススメなのは、カードローンです。カードローンは、担保・保証人不要で、審査で決められた限度額の範囲内なら繰り返し借入できるので、「少ない金額をちょっとの間だけ借りたい」というときに使い勝手のよいローンです。また、カードローンは借入だけでなく、返済も自由にできます。支払う利息は、借入残高と借りている日数で決まりますから、返済予定が決まっている証書ローンよりもムダのない返済ができると考えることもできます。

【参考リンク】

東京スター銀行の「バンクフリー」ってどんなローン?

今回の場合であれば、例えば東京スター銀行の無担保ローン「バンクフリー」などを中心に検討してみてはいかがでしょうか。このローンは、カードローンで、無利息期間があるローンです。基準日(毎月20日)にローン残高が無い場合、翌々月の返済日(5日)まで無利息で借りられるというもので、例えば4月20日にローン残高がなく、4月21日に10万円借り入れ、6月5日に10万円全額返済すれば、1円も利息を払わなくてよいということです。「基準日に残高がない」という条件を満たせば、何度でも金利0%で借りられるのがうれしいですね。

さらに口座開設不要という点も便利です。「給与明細」などの収入証明を提出することなく、ネットと郵送で手続きすることができます。借入限度額は一律30万円なので大きな金額が必要な方には向きませんが、給料日前のピンチをしのぐには重宝しそうです。

注意しなくてはいけないことは、利息がかかる期間の金利が年17.8%と、一般的な銀行カードローンより高いこと。ただしこれは「金利が高いから早く返済しよう」という動機付けに、借入限度額の低さも「使いすぎ防止」の安心感につながるかもしれません。以下に特徴と注意点を簡単にまとめておきましたので、参考にしてみてください。

【東京スター銀行「バンクフリー」の特徴】

  • ・条件を満たすと長めの無利息期間を何度でも使える
  • ・口座開設不要、ネットと郵送で手続き完了
  • ・資金の使い道は自由
  • ・担保、保証人が不要
  • ・事務取扱手数料、繰上返済手数料なし

【「バンクフリー」を利用する際に注意する点】

  • ・金利が年17.8%と高め(だらだらと長期間借りると利息負担が多くなる)
  • ・借入限度額は一律30万円まで
  • ・利用できるのは65歳未満、年収200万円以上などの条件あり
  • ・審査に時間がかかるので、期日に余裕をもって申込すること
  • ・無利息期間の適用方法については、よく確認すること

【参考リンク】

バンクフリーと一般的な銀行カードローンの比較

今回の内容にそってもう少し具体的に比較してみてみましょう。4月21日に30万円借入、6月19日のボーナスで全額返済した場合を想定して、バンクフリーと一般的な銀行カードローン(限度額100万円で金利年12.0%、毎月5日に元金利息込みで1万円返済)でシミュレーションしてみました。

【ケース】4月21日に30万円借入、6月19日に全額ボーナス返済した場合
日付 東京スター銀行「バンクフリー」 一般的な銀行カードローン
4月21日 借入(300,000円) 借入(300,000円)
5月7日 4月20日に借入残高がないので、返済はなし 1回目約定返済日(毎月5日)元金利息込みで
10,000円を返済(残高291,578円)
5月20日 残高300,000円あり。6月5日以降は残高に応じて年17.8%で利息を計算  
6月5日 1回目約定返済日で元金10,000円を返済(残高290,000円)
ここまでは利息がかからない!
6月5日に残高があれば、その日から年17.8%利息を計算。
2回目約定返済日(毎月5日)元金利息込みで10,000円を返済(残高284,732円)
6月19日 6月19日にボーナスで全額返済(291,980円)すると、
返済総額は301,980円
6月19日にボーナスで全額返済(286,043円)すると、
返済総額は306,043円

※返済日は毎月5日(5月5日は祝日のため5月7日)
※一般的な銀行カードローンは借入限度額100万円以下コース、金利年12.0%で計算※金額が異なる場合があります

上記のケースでは、金利の高い「バンクフリー」を利用した方が、返済総額が少ないという結果になりました。その理由は、「バンクフリー」には6月5日までローンの残高に金利がかからないからです。6月5日から6月19日の間は残高29万円に対して年17.8%の金利が15日分かかっているだけなので、返済総額は「バンクフリー」の方が4,063円(306,043円~301,980円)少なく済んだというわけですね。

「つなぎ資金調達法」として、バンクフリーは検討してみる価値があるといえるでしょう。このようにきちんと返済する見通しを立てて使うことができれば、きっとあなたの味方になってくれるはずです。ローンと上手に付き合って、充実したひとり暮らしを過ごしてください。

私が書きました

神田 理絵 (かんだ りえ)

ファイナンシャル・プランナー、住宅ローン・アドバイザー、心理カウンセラー。

大学卒業後、大手総合商社へ入社し、貿易事務に携わる。その後、税理士事務所、社会保険労務士事務所を経て2005年に独立。現在は生命保険や住宅ローンの見直し、資産運用に関する相談や、各種マネーセミナー、FP資格取得講座の講師、コラムの執筆等で活躍中。大人だけでなく、小学生向け金銭教育活動にも力を注いでおり、首都圏を中心に、今までの実務経験と女性の感覚を生かした独立系FPとして活動中。

※執筆日:2012年03月30日