第461回

賢く使おうカードローン!2012年も低金利は続く?!

最近、銀行などのカードローンの広告が目立つような気がします。ノンバンクなどに比べて銀行のローンは金利が高いイメージがあるのですが…。実際のところ、どうなんでしょうか?(S.T 30代 自由業)
ここ数年、カードローンは金利の低下傾向が著しい‘激戦区’。とりわけ多くの銀行では、2009年末頃に下限の実質年率を5~8%程度にまで引き下げ、2011年では下限の実質年率4~5%前後が主流に。そして今年2012年3月には、実質年率3%台という商品も登場しています。各銀行とも、限度額の増加や利便性といった商品性の向上にも注力し、‘使える’カードローンが増えています。

低金利化が進む!最低金利3%のカードローンも登場。

2010年に完全施行された「貸金業法」の影響もあり、ここ数年で、カードローンの金利が大幅に下がってきていることをお気づきでしょうか?

【参考サイト】

とりわけ、銀行等では、カードローン分野に積極的なスタンスを見せています。2012年3月1日より、オリックス銀行(旧オリックス信託銀行)は「オリックス銀行カードローン」の取り扱いを開始しました。

このカードローンの特徴は、なんといってもその金利の低さ。下限金利を業界最低水準となる年3.0%、上限金利を年17.8%に設定し、利用限度額も最大800 万円という、業界の主流である「500万円」を上回る金額となっています。

【参考サイト】

イー・ローンのローントレンド調査「カードローン利用経験者が選ぶ金融機関の満足度ランキング (2012年1月16日)」でも、総合ランキングBEST3は、1位「東京三菱UFJ銀行」、2位「オリックス・クレジット」、3位「みずほ銀行」と大手銀行が上位にランクイン。この分野に対する銀行の取り組み方が伺える結果となっています。

【参考サイト】

今後も競争は続く傾向に…

このようにカードローンの競争が激化している要因はいくつか挙げられます。たとえば、長引く不況のため中小企業の倒産も増減しながらも横ばい状態。これによって銀行では、新たな収益源として個人の新規顧客へ転換せざるを得ないといった状況が考えられます。改正貸金業法の総量規制については、銀行業は影響を受けませんので、各行ともカードローンについては商品性を充実させてきています。最近ではネット銀行が増加して競争が激化しており、金利を下げ、融資枠を拡大して、これまで取り込めていなかったハイエンド層向けの融資を拡大させようとしている様子もうかがえます。

時と場合に応じてカードローンを活用する術を身に着けよう!

今後もしばらくはこの状況が続きそうですから、これまでカードローンを利用したことがないという人も、この機会にそのメリット・デメリットを把握した上で、活用しても損はないはずです。

カードローンは、極度貸付という仕組みで、融資枠の範囲内で繰り返し何度でも借入と返済ができますし、融資残高と借りていた日にちに応じて利息を払うので、あなたの使い方次第でとても便利に利用できるローンであるといえます。

【参考サイト】

銀行によっては、カードローンの返済に指定している普通預金の口座が引落時に残高不足となった場合、総合口座と同じように一定の範囲内で自動的に立て替えるバックアップ機能が付帯されていたり、カードローン利用でも金融機関の優遇サービスのポイント加算対象となったりする商品もあります。

また、カードローンの低金利水準化を受けて、企業が福利厚生の一環として行う社内融資制度を廃止し、その代替商品としてカードローンを導入するといった動きもあるようで、今後さらにカードローンが身近なものになるかもしれません。「住宅購入」「マイカー購入」「子どもの学費」など、資金使途が明確に決まっている場合やそれなりに大きな金額を借りて長期返済をしていく際には、あまりカードローンは向きません。カードローンを活用する術については是非とも身に着けておきたいですね。

私が書きました

黒田 尚子 (くろだ なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。

92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。

※執筆日:2012年03月23日