第416回

「ローン比較リスト」の活用で、住宅ローンを徹底比較しよう。

夫婦で時間をかけて検討した甲斐あって、気に入ったマンションが見つかりました。近く契約の予定です。そして、いよいよこれから住宅ローンを決めなければなりませんが、いろんな金融機関がたくさんのローン商品を取り扱っていて、選び方がわかりません。アドバイスをお願いします。(東京 S)
住宅ローンは、不動産会社やマンションデベロッパーに勧められたものの中から選ばなければいけないわけではありません。ただ、たくさんの種類から自分で選ぶのはたいへん。イー・ローンの「ローン比較リスト」をうまく使えば、ローンを効率的に比較検討でき、自分に合ったものを絞り込むことができます。

「ローン比較リスト」が誰でも使えるようになった

以前まではイー・ローン会員だけに限定されていた「ローン比較リスト」機能が、今回から誰でも使えるようになりました。たくさんの金融機関が取り扱っている多様なローン商品・タイプの中から、気になるものを最大5つまで登録し、画面に一覧表示させて、項目別に詳しく比較することができます。

データは、金融機関から直接送られてきたものがそのまま反映されているため、常に正確。頻繁に変更される金利やキャンペーン情報などがその都度更新され、最新の状態で比較できるのはとてもうれしいですね。また、登録情報は保存できるので、日をあらためてじっくり比較検討することもできます。さらに「ローン比較リスト」画面から直接、各金融機関に資料の請求をしたり、仮審査の申し込みをすることもできるようになっています。

【参考リンク】

リストには、基本条件をそろえたものを登録する

住宅ローンの場合は、物件所在地、資金用途(新築購入、中古購入、土地購入等)などの条件で検索し、大きく絞り込んだ中から、より詳しく比較したいものを最高5つまで選んで「ローン比較リスト」に登録します。

ここで気をつけたいのが、比較するローンの「金利体系」をそろえること。「変動金利」と「固定金利」の住宅ローンを一緒に登録して、金利の高低をくらべても、あまり意味がありません。まずは「金利体系」を決め、同じ体系の複数の金融機関を登録していきます。

たとえば、「変動金利型」のA銀行、B銀行、C銀行・・のローンをリストに登録して詳細を比較する。あるいは、「固定選択型(5年)」のX銀行、Y銀行、Z銀行・・のローンを登録して比較するようにします。

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また、「全期間一律引下プラン」と「当初期間引下プラン」についても、あらかじめどちらかに決めた上で、同じプランを持つ別の金融機関のローンを比較検討したほうがいいですね。

金利とコストを中心に比較する

「ローン比較リスト」に登録したあと、より詳しく比較するおもな切り口は、金利とコスト、および、返済途中の見直しやメンテナンスのしやすさなどに関する項目です。

・「適用金利」

 住宅ローンを選ぶうえで、適用金利は最も重要。住宅ローンシミュレーションなども活用して、毎月返済額や返済総額などを確認し、現在と将来の家計への影響を考えてみましょう。

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・「金利優遇の条件」

 適用金利は、一定の期間や条件で優遇されていることがあります。キャンペーン期間や優遇条件などを確かめておきたいですね。

・「融資手数料」

 融資手数料には、融資額に対して定率のタイプと、融資額にかかわらず定額のタイプがあります。
 定率タイプの住宅ローンは適用金利が低く、定額タイプは適用金利が高い傾向があるので、融資手数料は、金利とセットで比較します。

・「保証料の有無」

 最近では、保証料がかからないことを「ウリ」のひとつにしている銀行もあります。

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また、「フラット35」にも、保証料がかかりませんので、これらの金融機関などを「比較リスト」に入れて検討してみるといいでしょう。

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最近では、返済期間中の繰上返済や金利体系の変更を前提に住宅ローンを借りる人が増えています。そのため、ローンの見直しやメンテナンスのしやすさの観点からも比較しておきたいところです。

関連する項目は、「繰上返済手数料」、「インターネット繰上返済への対応の有無」、「金利体系の変更の可否」、「金利体系の変更の手数料」など。

以上、誰でも使えるようになった「ローン比較リスト」をうまく活用し、現在と将来の家計の状況に合った、満足できる、納得できる住宅ローンを見つけるのに役立ててください。

私が書きました

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中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。株式会社 ワーク・ワークス代表取締役。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2011年05月06日