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FPからのアドバイス

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第379回
総量規制で、個人事業主のローンはどうなる? (2010年08月13日)

飲食店を営んでいる自営業者です。資金繰りが苦しいときなどにビジネスローンを利用してきました。貸金業法が改正されて、借入残高があると追加で借りることが難しくなると聞きましたが、本当ですか?(Tさん 42歳 徳島県)
個人事業主が事業資金を借りる場合、事業・収支・資金計画を提出し、返済能力があると認められる場合には、個人事業主は上限金額に制約なく、事業資金の借入れが可能です。

個人事業主が事業資金を借りる場合、事業・収支・資金計画を提出し、返済能力があると認められる場合には、個人事業主は上限金額に制約なく、事業資金の借入れが可能です。

平成22年6月18日に改正貸金業法が完全施行され、上限金利の引き下げや総量規制も導入されました。改正貸金業法は、貸金業者(消費者金融業者、クレジットカード業者など)の個人への貸付を規制する法律なので、法人名義での借入れは対象外ですが、Tさんのような個人事業主の借入れは規制の対象となります。
今回の改正は、貸しすぎ、借りすぎを防いで多重債務者問題を解決するためのもので、返済に無理のある貸付けが制限され、貸金業者は返済可能かどうかをチェックすることが義務付けられた内容となっています。そのため、今までどおりの借入れが難しくなる場合もありますが、他方、個人事業者向けの例外措置も定められています。具体的にみてみましょう。

総量規制で、借入総額は「年収の3分の1」に原則制限される

ご質問の借入残高に関する規制は「総量規制」で、個人が貸金業者(消費者金融業者、クレジットカード業者など)からお金を借りる場合、原則として、総借入残高を「年収の3分の1」までに制限するというもので、多重債務者の増加を防ぐために設けられた規制です。貸金業者が年収を把握するために、

  • (1)ひとつの貸金業者から50万円を超えて借りる場合
  • (2)他の貸金業者から借りている分も合わせて合計100万円を超えて借りる場合
のどちらかに当てはまれば、「年収を証明する書類」の提出も必要になります。
個人事業主の場合の「年収」は、事業所得(総収入金額から必要経費等を控除した額)の金額(※過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る)とされています。たとえば、事業所得が300万円でキャッシングの借入残高が50万円あるなら、追加で借入れ可能なのは原則として50万円までです。また、借入れの際には、収入を証明する書類として確定申告書等が必要になります。
個人事業主が個人的に、生活資金や教育資金等を借り入れる場合は、このように、事業所得の3分の1の範囲内に借入総額が制限されることになります(住宅ローンや自動車ローンなどの例外はあります。次項参照)。借入可能額が以前よりも少なくなる場合が多いと考えられますので、キャッシング等を事業資金に利用することは難しくなる場合が多いでしょう。

総量規制の例外となる個人事業主の借入れ

ただし、総量規制には、適用除外や例外となる事項が設けられています。一律に「年収の3分の1」で規制してしまうと、事業資金や住宅資金などの多額の資金が必要な場合や、医療費のために緊急に資金が必要な場合などに、多くの方が困ってしまうからです。

個人事業主の事業資金の借入れも総量規制の「例外」のひとつです。
個人事業主が事業資金等の借入れのため、事業・収支・資金計画を提出し、貸金業者に返済能力があると認められた場合には、上限金額を特に制約されることなく借入れが可能です。この「計画書」に最低限記載しなければならない項目については日本貸金業協会のHPに借入れ計画書が示されています。
仮に事業所得300万円で、100万円の借入残高があったとしても、事業・収支・資金計画を提出し、返済能力があると認められる限り、設備投資等のための高額の借入れも可能ということになります。
なお、事業資金の借入金額が100万円以下の場合には、上記の計画の代わりに、事業・収支・資金繰りの状況が確認できる書面の提出により、借入れを行うことができるとされています。
また、新たに事業を営む個人事業主に対する貸付も、同様に事業・収支・資金計画を提出し、返済能力があると認められる場合には、上限金額を特に制約されることなく借入れが可能とされています。

「借りられるかどうか」は貸金業者の判断

このように、個人事業主が事業資金を借りる場合には、一定の手順を踏んで認められれば、借入れ金額に上限の規制なく借り入れることが法律的には可能です。
ただし、実際に借りられるかどうかは、それぞれの貸金業者の審査・判断によります。必要書類なども法律上最低限決まっているものは共通していても、業者によっては、その他の書類の提出を求める場合もあります。

<ビジネスローンの違い>
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『VIP』事業コース
ビジネクスト
ビジネスローン
Jトラストフィナンシャルサービス
ビジネスローン
申込資格 20歳から65歳までの毎月定期収入のある電話連絡可能な個人事業主の方。 法人または個人事業主(事業規模不問) 法人又は個人事業主様(手形・小切手による決済が可能な方に限ります。)
資金使途
事業性資金
事業資金
事業資金
借入可能額
1万円~500万円
50万円~1000万円
50万円~1000万円
最長借入期間
5年
5年
6ヶ月
担保
不要
不要
不要
保証人
不要
不要
保証人は原則不要。ただし、法人契約の場合は代表者の方の連帯保証が必要です。

原則必要。法人取引の場合、代表者の個人保証が必要です。
必要書類 申込書
ご本人様を確認できるもの/健康保険証コピー ・運転免許証コピー等事業実態を確認できるもの/確定申告書・決算書および事業計画や資金繰り、収支計画等
[法人]代表者ご本人様を確認する書類、商業登記簿謄本、決算書原則2期分他
[個人事業主]ご本人様を確認する書類、確定申告書原則2期分他
印鑑証明書・運転免許証ほか
*イー・ローンHPより抜粋・筆者作成

上の表は、イー・ローン掲載のビジネスローンについて比べてみたものです。3つとも個人事業主が利用可能なビジネスローンなのですが、提示されている条件には違いがあります。短期で小口の資金が必要なのか、長期で多額の資金が必要なのかなど、資金ニーズの違いによっても、条件は違ってくるでしょう。これまで利用してきた貸金業者・商品であっても、改正貸金業法施行にあわせ、条件や必要書類などが変わっていることもあるので、再度確認しておかれるとよいでしょう。

担当:大林 香世 (執筆:2010年08月03日)

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